焼肉ドラゴンのレビュー・感想・評価
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昭和は遠くなかりけり
本当に見たかった映画
本当にいい映画。試写会で見ました。
たびたび映画で寝てしまうんですがずっと泣いたり笑ったり、本当におもしろかった。
この両親、すばらしい。3姉妹、常連客、本当にごちゃごちゃなのに一体感。
なんでなんだろう。本がしっかりしているから。
とかくいろんなことを詰め込み過ぎて全部を消化不良にしてしまう話多いけど、この物語はそうではない。すべて納得に行く形で展開、泣かせてその後はギャグかましてくるけど、しっくりした落ちなんです。
センスいいです。
ちょっと長いなこの場面と思うところはありましたけど、そこは許容範囲。めちゃめちゃなのに愛らしい人たち、だからいいんです。
そして1本筋の通っ家族愛。お父さんの「働いた働いた」は本当に泣かせる。日本語で一生懸命な感じもいい。
戦争、差別、重いテーマなのに、泣けて笑えて、最後には爽快にさせてくれる。この後味の良い終わり方なんなんだ、すごいいい。
本当に自分の人生に照らして見て、感動、親に感謝、一生懸命生きようと思わせてくれる映画です。
今の時代、いやどの時代でも、誰でもすべての人に通じる、本当に見るべき映画です。
民族なんて関係ない、ヘイトなんかに負けるな!
舞台でも映画でも裏切らない面白さ
この映画の監督をした鄭義信氏が、2008年にこの作品の原作をして、舞台上演を行い、以来、多肢に渡り多くの絶賛を受け、とうとう映画にまでなってしまった。劇作家が映画監督までして自分の作品をプロモーションしてしまうなんてスゴいなぁ〜と思った。
私は、実際に舞台も観ていますが、作り手が同じなので、映画と舞台の内容は、演出や台詞などは区別しているものの、展開はだいたい同じです。良い部分は裏切らず、そのまま起用して表現している所はファンとしては安心して観ることが出来ました。
茶色くくすんだトタン屋根と木材のバラックが立ち並ぶ一角のすぐ上をスレスレに飛んでいく飛行機の臨場感だったり、その風に煽られて舞う桜吹雪の鮮やかさだったり。正反対のものが調和して、とても綺麗な情景を醸し出す場面は、この物語の未来を写すとても大切なシーンだ。舞台でもこの演出を大事にしていたが、臨場感の鮮やかさや迫力は、舞台では作れない映画ならではの映像と演出があって、とても良かったです。
そしてこの物語は、これから日本と韓国という2つの祖国を背負って生きていく子供達が主役なのだが、映画の演出では、戦争という歴史に翻弄された済州島の人々の心情が濃く印象付けられるように、龍吉と英順の夫婦に焦点を当てた演出をしている所に特徴があると思えた。実際の、GHQの対応や残留を決めた人々の史実などは、当事者のみぞ知ることであり、実際のところは分かりませんが、エンタメ作品なのでこの際、フラットな気持ちで客観視して観ると、キャッチコピーにもあるように、全員が本気と本音で生きていることのルーツが徐々に判ってくると、何が正しいとか、誰がどこに住むかとか、そういう次元でモノを推し量ることが浅はかに思えてくるほど、普段は寡黙な龍吉の、ここぞという語りには説得力があった。鄭義信氏は、そういった弱者の代弁を、作品を通して好意的に表現しているが、決して非難や否定をしている訳ではない。好き嫌いとか善し悪しではなく、歴史を知り、現実を知り、ただそういった人達も居たんだ、という事実を受け入れることに意義がある。そういう意味では映画の方が、より気軽に楽しく触れることができる。
キャストの演技も熟練されているので、面白くて、観終わった後、感情を動かされて体温が1度上昇する…。そんな良質な映画でした。
皆、感情爆発し過ぎ…
高度経済成長期の、ある在日韓国人一家の話。
お母さんのヒステリックな怒鳴り、娘たちの恋愛のごちゃごちゃ、
娘婿は仕事が長続きしない未練タラタラのダメ亭主、
息子の人種差別によるイジメ…など、
最初は“一体、何を観させられているのだろう?”と思っていたけれど、最後はお父さんの覚悟、お母さんの愛情がたっぷりと伝わる映画だった。随所に笑えるシーンがあって良かった。
古い昭和のドラマ 今更?
在日の人にとって戦争で無理やり連れてこられた日本での生活は、土地を騙して買わされたり、息子が学校でイジメにあったり、良い仕事がなかったりと大層生きづらい様子が描かれる。
しかし、それらは今では日本人自身も味わっている苦しみであり、今見ると特別在日だけの苦労という印象を持たない。
それだけ、世の中が悪くなり、今や在日だけでなく日本人自身も格差という差別に苦しむ時代なのかと思う。
ドラマの中核は、日本における差別というよりクズとバカ女のドロドロという印象で、そんな昭和のドラマいらんわって感じ。
今時、クズ男が忘れられない母性本能が強くて男に都合の良い女って居るんですか? 昭和の話としても、観るのは現代の観客だからズレを感じる。
美女三姉妹に取りつく男達が皆クズなのがゲンナリ。
クズと結婚しても幸せにならんだろう。
そう考えると、父親が不憫でならない。
美人三姉妹を得て、なんで便所蠅みたいな男しか寄り付かんのや?
美人三姉妹に近づくクズ男どもを「くず肉」にして客に食わせる親父。
だから『焼肉ドラゴン』!! だったら納得いくし面白いけどな~。
本当は姉が好きなのに、妹と結婚する大泉洋扮する哲男。意味なくプライドだけ高くて生活力もない癖に妻の実家でタダ酒を飲む。姉に対しても妹に対しても誠意がない。自分を憐れんでいるだけ。
哲男に無視された寂しさからか、大量のうどん汁をこぼして泣いている生活力のない男をなぜか愛する次女。
哲男が大きめの便所蠅なら、こいつはコバエだ。
大量のうどん汁こぼした位で女の腰に顔埋めるって、痴漢じゃないか!!
弱い面を見せた男に、女の寂しさが響いたのか?
だから弱い男ばかり出てきて、三姉妹とも彼らに惹かれるのか?
そもそもクズなのは、実はナルシストで自分を憐れんでいるからではないか?
劇中の女性もやはり自分を憐れんでいるから、似た者同士で惹かれ合うのではないだろうか。
「たとえ昨日がどんなでも、明日はきっとえぇ日になる」
人生を強くしたたかに生き抜く人々を描き、困難な状況でもハッピーな未来を描いた作品と思うが…
三姉妹とも、未来はハッピーエンドではないと思うね。
羽があっても、所詮蠅男では大空は舞えない。
胸がグッとくる
胸がグッとくる
キム・サンホさん最高です。
韓国の演劇原作
アクション映画じゃないよ、家族の感動物語だよ。
『焼肉ドラゴン』⁉︎
奇抜なタイトルに、「どんなアクション映画?」と思ったら…。
まさか、まさかの、笑って泣ける感動のロードムービーでした。
今回は、鄭監督スペシャルトーク付き!
監督曰く、この作品は2008年に公演された舞台から始まっているようです。
初日の公演後、瞬く間に口コミが広がり、チケットが争奪戦となった幻の舞台だったとのこと。
その人気舞台のリメイクとして、今回映画化が実現したようです。
韓国ではキャスト全員が韓国人だったようですが、今回は日本の有名な俳優や女優が務めました。
大泉洋さん、真木よう子さん、井上真央さん、桜庭ななみさんなどなど、みんな好感を持てる方ばかり!
こんな豪華なキャストなら、絶対感動できるはずと鑑賞しました。
そして、案の定安定した感動の物語でした(笑)
韓国という故郷と右腕を捨てた一人の韓国人が、家族6人貧乏ながらに精一杯生きる姿を描いた感動長編。
春夏秋冬、季節の移り変わりとともに、家族の絆もくるくると目まぐるしく変化していきます。
まるで、一つ一つの描写は、家族の歴史を紐解いているかのようです。
焼肉を食べながら、喧嘩して、喧嘩して、泣いて、怒って、笑って…。
めまぐるしい感情の変化に、終始ハラハラドキドキしました。
この映画の凄いところは、「焼肉ドラゴン」というお店の中で全て展開すること。
時代の流れ、家族の成長、明日への希望、全てこの店の中で発生しているのです。
27年という歳月の流れの中で、家族の抱えてきた悲しみ苦しみ楽しさ嬉しさ全てを受け止めてきたお店。
お店という小規模な舞台であるにも関わらず、スケールの小ささは一切感じられませんでした。
それは、家族の愛がとても強いことを物語っているからこそ!
高度経済成長の時代の波に揉まれながらも、強く逞しく生きる姿に感動しました!
映画上映後に、監督が映画の裏話を色々と教えてくださいました。
監督曰く、リハーサルはするが、アドリブを大切にするとのこと。
大泉洋さんが、マッコリの飲み比べ対決をするシーンでは、2杯で終わるはずが止めどなくカメラを回し続け、最終的にやかん一個分丸々飲み干してしまったという珍事がありました(笑)
ゲップをしながらずっと飲み続ける姿に劇場は爆笑の渦!
まさかまさか、これらのシーンが全てアドリブだったとは驚きでした!
また、最後にプレハブ小屋が倒壊するシーンの裏話もありました。
映画の撮影が全て終わった後、タイミングよくセットを倒壊させたとのこと。
本物のセットの一発破壊のため、失敗が許されないハラハラした瞬間だったようですが、無事に撮影できたとのことでホッとしました。
今回は、いつもの試写会と違い、監督自らが作品の面白さ醍醐味、苦労した部分、共演者のエピソードなどなど、40分に渡り公演してくださいました。
どのお話もとても興味深いものばかりで、夢中になって聞き入ってしまいました。
一度観ただけでは、まだまだ分からないことが沢山あるようで、2回観ると良いとこと。
これは、また観るものありかもしれませんね(笑)
今日は、とても充実した試写会でした!
ありがとうございました(o^^o)
3姉妹に幸あれ
高度成長期の裏側で
面白かったなぁ
家族が全員、全身で感情を表現してぶつかりあっているのが
まさに、韓国人らしい愛情表現で、
日本が舞台なのに、そこは日本でなく、韓国のようで韓国じゃない感じがして
その異国感が面白かった
1969年から71年の高度成長期
万博開催に沸く関西の小さな町で、韓国人一家が経営する小さな焼肉屋「焼肉ドラゴン」を舞台に
そこで暮らす人々の悲喜こもごもを描く
これは、私が生まれる前の話だったので
そうか〜
この時代はこんな感じだったのかぁと思いながら観た
貧しいながらも細々と働きながら暮らす彼ら
時には感情をぶつけ合って衝突してはケンカをし
時には抱きしめあって慰め合い
時には酒を飲んで笑い合う
しかし
彼らが暮らす環境は厳しく
差別や偏見と戦い、それに抵抗してケンカし
中学生の末っ子は学校でイジメに遭ってしまう
それに彼らが暮らす地域は、国有地に建てられたバラックで
高度成長期の土地開発に伴い
役所から立ち退き命令がくだされてしまう
前半は、そんな厳しい環境でも、ともに衝突しながら支え合って暮らしているが
後半は、彼らがそれぞれの生きる道を選択する
高度成長期の裏で必死に生きていた彼らの存在を知り、
その後の彼らの選択には
日本人として切なくなってしまった
この時から50年が経とうとしていて日本は先進国になったけれど
彼らが住みたいと思う国になっただろうか
アボジに聞きたいなと思った
スラム
一体なにコレ
ほら、よく言うじゃないですか
「映画と演劇は違う」みたいなこと。
この「焼肉ドラゴン」なんですけど、まさにソレ。
これね、ハッキリ言って映画になってない。
登場人物多数。
この人たちが、とつぜん登場しては、怒ったり泣いたり喜んだりするんだけど、
しかしなぜこの人達が怒っているのか、悲しんでいるのか、喜んでいるのか、まったくわからない。
なぜなら、わかるようにつくってないから。
映画って、編集した画の積み重ねで、主役を始めとする登場人物の感情を描いて、ストーリーを紡いでいくでしょう?
この映画にはそれがないの。「画がうつってたら、映画になる」とでも思ってるんじゃないのかなぁ。
演劇の手法をそのままやっちゃってるかんじ。これはキツい。
ストーリーにも難アリでしょう。
せっかくの在日韓国・朝鮮人という題材でありながら、登場する人物たちが直面するのは、誰と誰がくっついた別れた、やっぱり今でもオマエが好きだー!ていう、そんな話ばっか。
姉の元カレと結婚して、しかも一つ屋根の下で暮らす、なんて異常。
肝心の民族差別や、土地立ち退き問題はほんとうにオマケ程度で、
特に立ち退きを迫る市役所職員の演技なんて、吉本新喜劇か!っていうくらい噴飯もの。
「あぁ、制作者たちは、実はこの問題にあんまり関心がないんだな」っていうのがわかる。
編集ナシの長回しカットが多いが、これがまったく効果なし。
北野武も、名編集者・谷口登司夫から「映画=編集である」というのを教えられたというが、今作も優れた編集者がついていたら、こうはならなかっただろうね。
あとさー、冒頭とエンディングに、1人称のナレーションが入るんだけど、あれってあの人がしゃべってる、ってことだよねぇ?
え?どういうこと?それっておかしくない?まったく意味不明。
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