焼肉ドラゴンのレビュー・感想・評価
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舞台演劇感が強い
大阪万博前後の大阪で暮らす在日韓国人家族を描いたヒューマンコメディ。
元々が舞台で演じるための脚本というのが納得できる。それを映画にすると違和感を覚える典型的なパターンだった。演劇としての展開ではアリでも、映画としてはどうなのかなと思ってしまった。
息子の自殺、次女の浮気?、長女の復縁、色んなことが起こるが、正直あまり感情移入できなかった。
それでも、最後の父親の独白は感動を誘うのだから始末悪い。あまり低い点数を付けづらくなってしまった。
最後、3人の娘が南北朝鮮と日本でわかれて暮らすことになるのはあまり喜べない。前向きな終わり方に見せて、その先の不幸を暗示していて悲しい気持ちになった。
全く期待はしていませんでした。
こんなに泣かされたそして笑わしてくれた作品には、最近お目にかかりませんでした。
高度成長期における韓国人が、日本国内で差別と偏見の中で苦しみながら生き抜いた労苦の連続が作品から滲み出ていたと思う。お母ちゃんやお父ちゃんのキャラクターが抜群に愛らしい。
「ご返杯」の場面は何ともいえない。その後の長女の薬缶は、もう~最高。お父ちゃんの口から出てきたのは『四・三事件』のことか?
あそこまで息子を死へ追い詰めたお父ちゃんの真意は納得できない。
ラストの家の崩壊は、ある一家の崩落を意味しているようで、言い知れぬ寂しさを感じずにはいられない。強いて言えば、花火の音が、若干、不連続であったような気がする。「長女の足」のことは、最初から気にはなっていたが、もう少し早く事実を描く場面はなかったろうか。
舞台の映画化であるらしいが、お見事な作品であった。
役者陣がすごい
「吉本新喜劇?」というベタベタの笑いで引っ張っておいて、ポツリと登場人物がシリアスなこと言うとシリアス劇っていう、笑い、シリアス、笑い、シリアスっていう構成なのね。
シリアスパートで主張がストレートに出てきすぎるから「もうちょっとシナリオなんとかしようがあったのでは」と思いながら観ちゃうの。
でも、役者がうまいから。それで、なんとかしちゃう。誰にどんな演技ふっても大丈夫な役者陣だもんね。みんなうまかったけど、井上真央がすごいなと思った。
あと脚本のところで言うとさ、作中で死ぬ人物がプロローグとエピローグのモノローグやってんだよね。これは流石に無理があった。エピローグのモノローグって「いや、こいつはどこから事の顛末見てたんだよ?」って思ったし、「こんな脚本書いてるからみんな厳しい生活になっちゃったんじゃないの?」と関係ないことすら思ったよ。
働いた、働いた
お父さんが超良かった。苦労を重ねて、それでも文句を言わずに働き続けるお父さんが、三女の婿に娘をよろしくと言うシーンと、立ち退き要求の市役所職員に腕を返せ!息子を返せ!と叫ぶシーンの感情の爆発。すごかった。人生辛い事ばかりで、苦労しても報われる事は少なくて、手に入れた幸せを予想外に奪われたりもするけど、それでも身を寄せ合う家族が居れば、また立ち直るんだなと、まだまだ頑張れるんだなと思いました。長男が死んだ時はこの世の終わりくらい沈んだけど、最後は希望で終わりました。面白かったし、勇気をくれる、すごい映画だった。
どこを見るか?
コメディじゃなく、ヒューマンですね。
昭和44年 路地裏に、在日韓国人の焼肉店があり、大将の名前が龍で、焼肉ドラゴンと呼ばれるようになったらしい。
けど、劇中誰もそう呼ばないけどね、、、
これは誰を中心に見るかで、つまらない映画か、良い映画になるかかな?
大将中心に見ると、戦争に駆り出され、片手を失いながら、息子は差別に合い、いろいろ苦労をしてるのに、自分の中に納め混み、感情を出さず、多くを語らない。
が、立ち退きに会う時に、それが一気に爆発してしまう感情は、その苦労や不満に耐えてきた人生に泣ける。
が、、、分かりにくいかも。。
どうしても しょーもない恋愛の縺れに目が行きがちな作りで勿体ない、、、
いやー濃かったわ
人間関係が濃厚。昔の壁もないような家に大勢で住んでいるからから隠し事なんてできない。血が濃くてしょっちゅう殴り合い。でも観ているうちにその関係が愛おしくなってくる。最後の別れのシーンでは涙した。いろいろあったよね〜
史実とコメディを混ぜたエレジードラマ
焼肉っていう美味しそうなワードに惹かれてついつい観たら 予想を超えて強烈なエレジーだった
三姉妹と息子それぞれの人生模様に焦点当ててストーリーが進むけど、
最後に全部を持っていくのは 隻腕のお父さんの激しい独白! あれは凄みがあった
済州島の虐殺事件から逃れてきたのね、謂わば難民だなって捉えた 全部失ってお母さんと出会って寄り添って 子供達を食べさせてっていう業を背負ってる
内戦の虐殺で難民になったり経済的困窮から日本へ渡っていたけど そこで待ち受けているのは 差別と貧困という苦難 つらいな
アボジ オモニ よくぞ頑張ったよ
ラストの帰結 報われなさ が 苦いけど
リアカー牽引しながらのお父さんの咆哮! あれは 負けてたまるか!っていうお父さんの決意表明に感じた
苦難の極みっていう場面なのに
舞い散る桜だったり花火にふれるシーンを被せてきて、辛くとも美しいことに感じ入ることで心を癒して明日に向かうお父さんとお母さん、
逞しく感じた
一方で、ナレーションが時生だったのは効き過ぎ!
勇気と悲しみを 同時に噛み締める良質なエレジー作品だった
オモニとアボジの二人に全て持って行かれた映画、大泉や真木の演技なん...
オモニとアボジの二人に全て持って行かれた映画、大泉や真木の演技なんかへなちょこ、韓国人の二人のエネルギッシュ感と静かな怨の表現はアカデミー賞ものです。トッポギを思い出す様な逞しいストーリーで何だか明日への希望が湧いてきます。
思ってたよりも深い作品
作品のタイトルやポスターからだけではただのコメディ映画かと思ってしまった。
実際はかなりの人間ドラマ。
時代に翻弄されて生きる在日韓国人の家族の物語。
父の「例え昨日がどんなでも明日を信じて生きる。」という前向きな言葉に感銘を受けた。
本当は韓国に帰りたいのに日本で生きるという運命を受け入れる決断をした強かさを持った人。
井上真央がかなり色っぽかったのが、個人的に印象的。
韓国の役者さんもいいですね!
始めは夫婦役の二人が韓国人だよな!?と見てました。時より話す関西弁を聞いてると親しみをも感じる役者さんでした。時代背景が高度成長期の中で戦争で故郷も無くした韓国人の家族の絆と葛藤が描かれてとても楽しめた映画でした。
明日はええ日になる。感動しました。
久々に
イラっとくる関西弁。
もっとうまく話せる役者いるだろうに…。
作品としては、ここまで在日について
掘り下げたい映画はなかったんじゃないだろか?
在日の方は日本でも差別され、韓国や北朝鮮に
戻っても差別されたとか…。
生きること。生きて行くことの素晴らしさ。
生きるってことを、肯定して、その力強さ、生きてていいんだ、異性を求めることは正しいんだって、後押ししてくれる映画。韓国の人達って、生きる力をあまり隠さない。そこが日本と違って、日本だと奥ゆかしい美しさっていう感覚があるから、あまりあからさまだったり、ストレートすぎると、下品だとか、わざとらしいとか思える人もいるかも。でもそこを乗り越えられれば、この映画が描いているものが伝わる。
生きる力って、愛だなぁと思った。三姉妹それぞれの愛の在り方が描かれて、それぞれに熱い熱い!男女の愛は性愛でもあり、だからエロス的な部分もしっかり隠さず映画の中で描かれてる。静花のスカートをギリギリまでたくし上げて見える足とか、彼女の傷付いた足に哲男が、あつーくキスしてる所とか、梨花のキスの生々しさ、泣いてたぼうやが突然男になる様とか、美花と不倫相手の奥さんとのバトルとか。エロい、と思うと同時に、エロスは生きる力ですっごく大切なんだなって思った。それが人間の自然の姿なんだ。それをそのまま描いてくれてるから、ああ、人を愛するっていいなぁと思いました。
男女の恋愛を経て、やがて家族ができ、オッパとオモニのような家族愛へと変わる。でもしっかり、オモニが、また一人子供でも作るかって言った時、やっぱりオッパとオモニも男と女から始まったんだな、それが連綿と続いて行ってるのが人類なんだな、この映画は日本のある特定の一時期、状況の家族を描いているようでいて、普遍的な家族や、生きるってことを描いているから、世界で共感されるだろうなって思います。
個人的に、静花が自分に縋り付いて来る愛しい男を、理性で拒絶しようとしてもどうしてもできなくて、最後どうしようもなく抱きしめる所が大好きです。良かった。ほんとうに良かった。人間は、本能の声を無視して生きてはいけません。誰にもそれを止める権利はありません。
焼肉ドラゴン
見終わって最初に感じたのは…とにかくうるさい映画だなぁ。
見ている方からしたら、そこまで騒ぐことか?と疑問に思ってしまうシーンが多かったのが、正直なところ。そのため、ストーリー展開がかなり遅く見えてしまった。
1つのシーンを長回ししているのも特徴的。感情移入できた時は非常に効果ある演出だと思うが、前述の通り、?がつくシーンでの長回しだったので間延びしてしまった。
出演者に関しては、皆良かった。
ただ泣かせよう泣かせようという言い回しや、同じ台詞を繰り返してヤマを作ろうとしている部分が随所に見えてしまい、全体通して個人的は冷めてしまった。
☆☆☆★★★ 簡単に…。 予想外の良作で、セット美術等は細かなとこ...
☆☆☆★★★
簡単に…。
予想外の良作で、セット美術等は細かなところで素晴らしいのだが。登場人物達が特定の人達しか登場しないのは、やはり元々が舞台劇だからだろう。
その為に、この家族以外に住む長屋の人達の生活感が無いのが、何とも勿体ない。
日本に住み生活して行かなければならず。在日として生きて行く辛さは痛いくらいに伝わって来る。
とは言え、普通の日本人がそれを思ってもなかなか在日の人達からは理解されないのかも知れない。所詮は他人事だろ?…と。
映画として観ると。泣く・喚く・叫ぶ…と言った、韓国映画を観ていると(何となくのイメージだが)必ず作品中に入って来るキーワードが絶えず画面上に起こるので。それに耐性が無い人にはちょっときついかも知れない。
出演者は全員が好演。特に心情が内容とリンクし易いのか?韓国人俳優達の演技が心に染みる。
初めて画面に井上真央が登場し、大泉洋と演技バトルを繰り広げた時に「おっ!遂に覚醒したのか?」と思わせてくれた。
最初の演技が素晴らしかっただけに。その後、良いのだけれども突き抜けるところまで行かなかったのは、ちょっと惜しかった。
「小川ローザのパンツよりも好きだ!」
↑ これ最早分かる人が少ないかもね〜( ;´Д`)
2018年6月24日 TOHOシネマズ府中/スクリーン8
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