ビューティフル・デイ

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劇場公開日:

ビューティフル・デイ

解説

「ザ・マスター」「ウォーク・ザ・ライン 君につづく道」などの実力派俳優ホアキン・フェニックスと「少年は残酷な弓を射る」のリン・ラムジー監督がタッグを組み、第70回カンヌ国際映画祭で男優賞と脚本賞をダブル受賞したクライムスリラー。トラウマを抱え、暴力を恐れない元軍人のジョー。年老いた母と暮らす彼は、行方不明の少女たちを捜し出す報酬で生計を立てていた。そんな彼のもとに、政治家の娘ニーナを捜してほしいとの依頼が舞い込む。しかし見つけ出したニーナは、怯える様子もなく人形のように感情を失っていた。やがてニーナはジョーの目の前で再びさらわれてしまい……。ラムジー監督の前作「少年は残酷な弓を射る」も担当した「レディオヘッド」のジョニー・グリーンウッドが、今作でも引き続き音楽を手がけた。

2017年製作/90分/PG12/イギリス
原題:You Were Never Really Here
配給:クロックワークス
劇場公開日:2018年6月1日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第70回 カンヌ国際映画祭(2017年)

受賞

コンペティション部門
脚本賞 リン・ラムジー
男優賞 ホアキン・フェニックス

出品

コンペティション部門
出品作品 リン・ラムジー
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Copyright (C) Why Not Productions, Channel Four Television Corporation, and The British Film Institute 2017. All Rights Reserved. (C) Alison Cohen Rosa / Why Not Productions

映画レビュー

4.5ホアキン・フェニックスの人物造形が画期的!

2018年6月10日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

悲しい

怖い

幼い頃に受けた虐待、戦場体験によるPTSD、慢性的不眠症、等々、日々朦朧としながら暮らす主人公、ジョーだが、生業にしている失踪者捜索を邪魔する刺客が現れると、一気にやる気が沸点に達し、相手をハンマーで殴り殺してしまう。その緩急の落差が最大の見せ場とも言える。ホアキン・フェニックスが疲れ切った表情とボリューミィな肉体を時折鏡に写しながら演じる夢遊病者のような人物造形は画期的だ。噴出する血液の量も半端ないクライム・サスペンスは、同時に、現実と幻覚の境目を取り払い、観客を全く別のジャンルへと運び去ろうとする。境目の判断は人それぞれ。映画の醍醐味を存分に味合わせてくれる、上半期を代表する1本だ。

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清藤秀人

4.0映像のリズム、空気、感情の流れ。全ての瞬間にシビれずにいられない

2018年5月31日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

興奮

知的

久方ぶりのリン・ラムジー監督作のお目見えである。彼女の独特の浮遊するような映像感覚や色彩に飛んだ心理描写は相も変わらず健在。しかもどれを取ってみても一筋縄ではいかない。全てを可能な限り映像言語で伝えようとするため、時に重要な描写をあっさりと省略したりも。だが、そこで生まれる変則的かつソリッドなテンポとリズムこそが、本作の緊張と焦燥感の溢れる「鼓動」を形作っていくのである。

さらに時系列を無視するかのように、過去の幾つかの出来事が記憶の洪水のように主人公の胸にこみ上げる箇所がある。原作小説ではわかりやすく記述してある事柄でも、本作ではほんの数秒のフラッシュバックで差し込まれるのみ。一見すると不親切にも思える演出だが、ここでもホアキンとラムジー、音楽担当のグリーンウッドが巻き起こすケミストリーが観客をなんとも不思議な境地へ誘ってやまない。難しく考えず、作品世界を泳ぐように楽しみたい一作だ。

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牛津厚信

4.5無情な世界を生きる二人に『美しい日』はあるのか

2024年3月31日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

怖い

興奮

 監督リン・ラムジー、女性とは思えないそのクールな感覚が冴えわたる映画だ。物語としてはスコセッシの「タクシードライバー」を想起させられるが、映画の感触としては、ニコラス・ウィンディング・レフンら新進気鋭の監督作に近いものがある。

 主人公が抱える少年時代のトラウマや、病んだ精神によって引き起こされる幻覚を、何ら説明なくカットバックで織り込む手法が斬新だ。見方によっては混乱を招きかねない大胆な演出だが、それが成功しているか否かは、映画にどれだけのめり込めるかどうかで決まるだろう。この感覚は、トム・フォードの「ノクターナル・アニマルズ」や、N・W・レフンの「オンリー・ゴッド」や「ネオン・デーモン」などを観た時の感覚に近いものがある。音楽を含め、映画はどこまでもスタイリッシュで不思議な魅力に満ちている。

 銃や刃物を持たない主人公の武器は金槌である。容赦なく敵を叩きのめすそのバイオレンス描写は案外控えめだが、それがむしろ痛烈に迫ってくる。ひげ面のホアキンが時折見せる寂し気な表情が、映画の印象をより深いものにして眼に焼き付く。

 原題は『YOU WERE NEVER REALLY HERE』。「お前は本当はここにはいない」とでもいった意味だろうか。殺しや人探しなど頼まれれば何でもやるような裏稼業を生業とする無常な男と、売春組織に売られた少女。心に大きな傷を負った二人が食事をするカフェでのラストが美しい。社会のどん底を彷徨うような二人の道行きに、本当に「素晴らしい日」があることを願うかのようなラストが、この陰惨な物語に一筋の光を見出そうとしているように見えてならない。

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inosan009

3.0ホアキンは良い。

2024年2月14日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
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yh
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