響 HIBIKIのレビュー・感想・評価
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上田慎一郎やジェームズ・ガンを想わずにいられなかった
一見、全然関係ないんだけど『カメラを止めるな!』の大成功のことを考えずにいられなかった。カメ止めの上田慎一郎監督は昔はかなりヤンチャなことをしていた人だが、今ほどSNSが発達していなかった時代のことでもあり、ある意味武勇伝で済んでいる。もし過去の行為でいろいろ言われ、そういう人間を持ち上げるべきではないという空気が世の中にもっと蔓延していたら、あの映画の成功はなかったかもしれない。
あるいは『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』の監督を降板させられてジェームズ・ガン監督のことを思い浮かべる人もいるかもしれない。
才能を持つ人間はしばしばネジが飛んでいることがある。そういう人間を受け止める度量が社会にあるかどうかは、実は豊かで多様な文化を育むためには大事なことではないか。この映画はそういう問いを投げかけているように思う。響もまた、やっかいな性格をしている。しかし才能は本物である。現代社会は彼女ような人間を受け入れる余裕を持っているだろうか。
無敵の純粋さが響き渡る
何て心に響く作品だろう。
彼女はある意味スーパーマンであり、孔子でもある。
最近はみんな漫画を実写化するのが鉄板となっているのだろうか?
漫画の世界観こそ面白さの原点になったようだ。
また、原作から抜き取った脚本とその表現方法は見事だった。
2018年
この時期はまだアイドルとか人気俳優を揃えなければならないという概念が残っていたのだろう。
しかし配役はどれも見事だった。
行き過ぎた不必要さもなかった。
君膵の監督だと知り、なるほどと思った。
君膵の原作と映画の違いの様なものはきっとこの作品でも表現されているのだろう。
主人公鮎喰響
このアクイという発音は、悪意とも取れるし悪を喰うとも取れる。
しかし彼女と善悪という概念は一致しない。
むしろ彼女が気に食わないことが悪、世間に蔓延る一般常識なのかもしれない。
無敵の純粋
これが彼女から受けた感覚だ。
面白いのが彼女のフィジカルパワー
そして不屈の信念
15歳の目に映る大人社会の在り方に対する是非
真実を曲げることなく、嘘偽りを良しとしない。
体裁を繕うことはないし、信念ために遣う暴力を躊躇わない。
この部分は伊集院静さん本人と同じだ。
物語の設定も面白い。
芥川賞や直木賞
それに向けて書く人々
「他人が面白いと思った小説に、作者の分際でケチ付けてんの?」
彼女は何故踏切の中から動かなかったのだろう?
「私は死なないよ」
死にたい人間に対し、本気をぶつけて見せた行為
鋼の体ではないが、鋼の心であるのは間違いない。
いい加減な人間に対する制裁
その責任は自分で取る。
100万部の印税は山本の目覚めのために使われた。
田中も「心が震えた」
みな彼女の生きざまに惚れこむのだろう。
内容はすべて彼女を引き立たせるためだけにある。
だから彼女は決してピンチに陥らない。
この痛快さも見事だった。
平手友梨奈だからこその最高傑作
これは、すべてのキャストがドンピシャハマっている近年の最高傑作。
孤高の天才を描き、自分の信念のままに生きることの尊さを伝えてくれる。同調圧力に屈して日和見的な生き方に終始しがちな日本人に「人生をどう生きるか」を投げかけてくれる。
作品そのものに登場する「どうせウケ狙いだろ」という台詞を、この映画そのものが、そのまま覆すこととなっている。暴力は良くない。しかし、本来は「許せない所業」について、ただただ沈黙して、耐えている今の日本人を鼓舞させてくれる。
平手友梨奈が欅坂46で務めたセンターもまた同じである。不当な力や権力、ただ僻みや妬みだけから発せられる言葉の暴力についても、一石を投じてくれる。
何度見てもいろんな角度から納得させられる。言い回し、表情、効果などなど。これがそこまで爆発的に売れなかったのは、いまの日本人の「弱さ」を象徴しているとも思う。
繰り返しみても全く飽きのこない傑作中の傑作になった。私にとって。
キャラクターが好き。キャスティングも良い。
鮎喰 響(あくいひびき)が主人公。
平手友梨奈さんが扮する響に魅せられた。制服姿の他にロリータファション、キャラクターものの私服、フード付きコート姿で登場する。
主人公の響は勿論、他の登場人物も魅力的。北川景子さんが扮する花井ふみも好き。
祖父江リカ(アヤカ・ウィルソン)も華やかで可愛い。
田中(柳楽優弥)、山本(小栗旬)らが響と接する場面は目が離せない。
週刊誌記者の矢野(野間口徹)はとても憎たらしいが、その存在がストーリーを面白くしている。
響の言動が大胆過ぎてハラハラする。
映像面は色使いが美しく、カメラワークが抜群。
夢のような話だけど、大人の事情や世間体に振り回されない天才少女の鮎喰 響がとにかく格好良い。
音楽のライトノベルだと思っていた。
設定がなんとなく
「涼宮ハルヒの消失」
と
「37セカンズ」
に似ている。
・世襲での真の芸術家は日本には1人もいない。だから、小説家も1人もいない。
・日本の小説家で天才と思える作家も一人もいない。勿論、僕の見解での話。
・日本の小説で心が震えた小説は、まだ一冊も無い。いやぁ、三島由紀夫先生の「豊穣の海」くらいかなぁ。でも、天才的な作品とは思えない。勿論、僕の見解での話。
・「書きたいものがあれば書き続ける」確かにその通り。しかし、強引に書き続ける事とそれを押し付ける事が、正解とは限らない。この状況で「筆を置け」と言う発言もだいそれた話ではない。また、感情をコントロール出来ないのだから、冷静にスクリプトを考えると言った作業も困難になる。
・「日本語を並べただけではストーリーは動き出さない」と言った台詞があった事と、逆に「愛の無いAIでも、文芸作品は創造出来る」と言った最近の考えを鑑みると、作家は、実体験をしないと個性的で且つ天才的な作品を生み出せない事になる。だから、残念ながら、圧倒的に経験値の幼い15歳の少女には、天才的な小説は書けない事になる。
・そもそも、文◯春秋の個人的見解。
「癒着してんじゃない?」と騒がれるのが落ち。だから、パパラッチもどきにdisられる。
言うまでも無い。
社長の一言で100万部も刷られて、それが天才的な名作になっちまうなんて、「事実は小説よりも奇なり」と言う言葉が聞いて呆れる。
芸術性のある作品と意図的な作られた感動作をどこで見極めるかになるが「編集者も作り手になっている。」そんな現状を考えると、個人が創造した芸術性の高い作品は、大変に少ない事になる。
・駄目なライトノベルを何冊も読んでも、名作を生み出せる叡智は生まれないと断言する。文芸作品ファシズムではないが、残念ながら雑音は幾ら聴いても雑音である事と同じ。
映画としては、 だいたい原作に沿っていて、 特に何か不満があるわけ...
染谷将太に似てると書き損ねたからココに
序盤で響の異常性ともいえるような、普通じゃないエピソードで彼女を形作っていく。響の常識、価値観、概念は、一般的な常識を持っている人物たちと激突していくことになる。大体、バーで鬼島と会うところくらいまでかな、そこまでは響とその他の人物の常識のズレに腹を抱えて笑っていた。本当にシュールで笑えたんだ。
一見すると異常行動のアブナイ女子高生の響と、その他の人物で、正しい事を言っているのはどっちだ?おかしいのは本当に響なのか?このアベコベな感じが笑えたんだよね。
そして鬼島とバーで会ったあたりから響の行動、言動は他者に影響を与え始めるようになる。
ここまでくると響のキャラクターにブレはなくなり、予測可能なキャラクターになっているのだが、イマイチ信用できない不安が残るため、何度か訪れる不穏な場面でハラハラドキドキしてしまうサスペンスも面白かったよね。頭では何もしないだろうと考えていても、彼女ならもしかしたらと思わせるには十分な演出とキャラクターだった。
響は、実は映画的には主人公らしくない主人公なのだ。初めから終わりまで一貫していて変化や成長がなく、他者に影響を与えていくだけのキャラクター。「ディープインパクト」でいえば隕石の「ロード・オブ・ザ・リング」でいえば指輪のポジション。
響の言動、行動、小説によって変化する回りの人々を楽しむ物語で、そういう意味では響というキャラクターは、小説が好きなだけの女子高生で、とても退屈な主人公だったとも思える。
それでも面白かったことに変わりはないけれど。
響の「あなたの小説、好き」という言い回しに少々違和感を感じていた。天才小説家とは思えないほどの、最も幼稚な表現ではないか?響の純粋さを表す言葉選びなのかなと考えたが、答えはラストシーンにあった。
「傑作」や、それに類する言葉は物語上使えなかったんだね。鬼島に対しても「天才」とは言ったが「傑作」とは言わなかった。
回りの人たちが響の小説に対して「傑作」だとはやし立てる中、天才鮎喰響にとっては、まだ世の中に「傑作」と呼べる小説は存在していないのかもしれないね
天才の抱える闇
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高校の文芸部に女性部員が2人、一人が響の平手でもう一人がアヤカ。
平手は出版社に送った小説が北川の目にとまり、新人賞デビュー。
アヤカは父が有名作家で、その娘としてデビューする。
平手は天才だが性格が異常ですぐ切れて暴力をふるいまくる。
同じ部の先輩の指を折ったり、同時新人賞の男を椅子で殴ったり、
感じ悪い小説家の顔を蹴ったり、失礼な週刊誌記者をシバいたり。
それが問題となるが北川が精一杯力になってくれて、
芥川賞と直木賞の同時受賞という奇跡を成し遂げる。
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あらすじを書くと上記のようにシンプルなんだけど、
響の激しくて異常な性格と、天才的な能力と、
仲間思いで寂しがり屋な性格の描写がメインやったかな。
まあシュールな話ではあるんやが、結構おもしろかった。
天才には天才の抱える闇や悩みというのがあるもの。
同じく天才のおれにはそれが良く分かり、何度も涙したわ。
でも15歳やからこそ、その天才さがそのまま出せるだけで、
ほとんどの天才は社会に出て丸くなり、個性が減ってしまう。
印象深いセリフ。
「才能のない奴の妬みを買うのも天才の仕事だろう」
うん、おっしゃる通り(場)
しかし平手友梨奈がハマり役やったなあ。
原作を知らんから原作の響がどんなんか知らんけど、
何一つ違和感が無かったし、本当に天才作家に見えた。
あと北川景子は知的で柔和なイメージだからこそ、
感情表現が心に響く。一番感情移入できるのはこの人やったな。
原作のキャラ通り!
原作を知らずに視聴。 ストーリーは現実味が薄いし、だからと言ってと...
原作を知らずに視聴。
ストーリーは現実味が薄いし、だからと言ってとびぬけてトリッキーなわけでもない。
ただ、一人の作家が響に芥川を取ってから面白くなくなったと言われて返した言葉、
「もう世の中に言いたいことがなくなった。この世と折り合いがついてしまった感覚が分かった時に」※正確ではありません。
がとても印象的だった。
この言葉だけで自分の中でこの映画を見た価値があった気がしたし、
さらにこの感覚が分かった時の響を見てみたいとも思った。
そうそう、何かを表現したい人ってこの世と自分に何かしらのずれがあって
そのギャップを訴えたくて叫んでるんだよね。
だけどきっと世の中にそんな自分の訴えが認められて受け入れられたら
もう言いたいことがなくなってしまう。
自分が何者かになりたくてもがいて、
でも世の中に認められたとたんに自分の中では自分を見失ってしまう。
それって幸せなのか、なんなのか。。。
そんなことを一瞬にして思わせてくれた一節でした。
響最高!
バランス感覚が良いね
人生において、大切なことを気付かせてくれるインパクト大の映画です!
小説の世界に、突然、天才少女が現れて、
周囲の大人たちを巻き込んで繰り広げられる様々なHUMAN STORYを描いている映画です。
一見、どこにでもある良くある話ですが・・・
その天才少女の物事への「こだわり具合」が、良くも悪くも、とんでもなく極端に振り切っていて、凄いです!!
「いつでも等身大で、成果で真っ向勝負」
大人になるにつれ、どこか「妥協」していくものです。
本作品は、
そんな子供の頃に大事にしていた「正直さ」
大人になっていく段階で、どこかに置いてきた「正直さ」
それを思い出させてくれる映画です。
最後のクライマックスあたりで、こんな言葉が飛び出します。
『まだ傑作を書いた覚えはない』
正直、衝撃を受けたし、目が覚めたような思いがしました。
自分の本当の願望は?
そんな生き様を証したい?
etc.
それに正直になり、自分を表現することで、真の人生「HISTORY」を創り出すものだと気づかされる素晴らしい映画だと思います。
Amazon primeのお薦めから
平手友梨奈初主演映画
過去鑑賞
原作に興味はあったものの未読の状態で鑑賞しました。
こちらも話題にはなっていたのですが、マンガの実写化はかなりの確率で失敗している事もあり、あまり期待せずに観たのが良かったのか、結構面白かったです。
最初はエキセントリックなだけの少女かと思っていましたが、響の信念を曲げない姿、押し付けではない優しさはかなり魅力的ですね。
高校入学からお話は始まっていますが、幼少期や小中学時代のエピソードも見てみたいですね。
これはきっと原作がそうなので仕方ない事だと思いますが、芥川賞を受賞された小説家さんの作品って、一部を除きあまり一般受けする作品ではないと思うんですよね。
(個人的には花村萬月さんとか藤沢周さんとか好きな作家さんはいますが…)
この辺りの設定だけが個人的にはちょっと引っ掛かってしまいましたが、まぁ直木賞も絡んできますし、この辺りが妥当なところなんでしょうか。
この作品が作られた時点では、まだ原作は続いていたみたいですが、ラストも上手く纏められていたと思います。
この感じなら続編も作られるそうな感じがしていたのですが、結局続編は作られませんでしたね。
ちょっと残念。
なんか違う。
みてもみなくてもいい作品
凡人の目に留まる秀才
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