寝ても覚めてものレビュー・感想・評価
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わたしが分からないだけなのか
女性の気持ちは解りません( ´∀`)
寝たら覚めたら
是枝監督でもなく、しかもファンでもない人気俳優が出るような邦画は普段観ないが、海外で好評みたいなのとたまたま時間が合ったので観た。
始めから4分の3くらいまでは、震災は混ざっているものの、冬ソナみたいな普通の恋愛映画。起承転結の転からが独特。田中美佐子の告白が面白い。
方言で描いたものは、標準語アクセントが混じったそれが気になってしまう。関西弁は特にそうで、「〜しといてんかー」とか日常会話で言わへんし、とか。特にヒロインの、関西弁アクセントを外さないように慎重に話すあまり棒読み、みたいなセリフ回しはどうなんだろう。なぜ関西出身の俳優を使わないのかな。関西弁の割にテンポも悪いのであまり関西弁に聞こえなかったりする。
カンヌで評価される邦画は、海外から見た日本の原風景的なショットが多いと思っていて、これもそう。あと震災ね。賢い。
インパクトのある傑作
またもや素晴らしい邦画が2018年に現れてしまった。この映画を映画館で見ることができてよかった。
もちろんストーリーの展開も衝撃的かつエモーショナルな仕上がりになっており、原作の力もあるだろう。しかし、監督やキャストの力でここまでの傑作にしたということは間違っていないはず。麦の現れた瞬間の演出と音楽、そして東出昌大の演技が完璧に合わさったからこそできたシーンは必然だったかもしれないが映画の奇跡を見た気がした。登場人物の視線の先がカメラとなっている撮影方法も特徴的だが、主人公の朝子の心情描写が直接的には描かれておらず、セリフにも表れていないため、こういうカットが重要になってくるし、このような方法で心情を描くのは素晴らしい。
日本列島全体を麦と亮平を象徴する演出も素晴らしい。二人の男性の間で揺れ動く主人公の気持ちがよく表されている。
そしてなにより、自分が感動したのは“運命”だ。人間の選択が人生において重要な役割を果たすのはもちろんだが、時に、人間には成し得ない外部からの力が加わりそれがその人の運命となり人生にレールを敷くのだ。朝子の人生において、もちろん選択はするが重要なところは全て偶然が重なって起きているだろう。『15時17分、パリ行き』の時の感動を味わった。
タイトルにもなっている“寝ても覚めても”というのはどういうことなのだろうか。寝ている時に見ている夢と、麦(バク)はなにか関係があるのだろうか。そこら辺を考えるのも面白い。
今年は自分の中で邦画が豊作だが本作もまた劇場で体験してほしい異様さ、そして美しさを秘めている。
そっち行くか?
不穏であって不快ではない。
不穏だ。とにかく不穏である。
121分の映画全体を筆舌に尽くし難い不穏感が支配している。
それが決して不快ではないのが、この映画の大きな魅力だ。
起こる事の一つ一つはお伽噺の様である。
ホンモノである感じがしない。
どこかぼやけていて、現実味がない。
主人公である朝子と麦の出会い。
亮平と朝子の出会い、別れ、再会。
登場人物たちのとる行動と、数々の末路………。
その全てがまるでナニモノかの大きな力に動かされている様だった。
この作品世界の背後には何かとてつもなく大きな何かが仁王立ちしているのではないか。
そう感じざるを得なかった。
物語りは奇跡の偶然性で成り立っている。
示しを合わせていない感情や行動や境遇が物語をエンドロールまで運んでいくモノだ。
しかし、この映画は違う。
「いつか、必ず良からぬ事が起きるだろう」
そう観客に感じさせ続けながら物語が進んでいく。
どれだけ登場人物が一時的な幸福を得ようとも、
それが続かないことを、むしろ災難に変ってしまうことを、何となくだが確実に、観ている側は分かってしまっている。
しかも、そうであって感情に制止は利かない。観続けてしまう。
“いま”が心地よいから。
頭の片隅で行末に対する危機感を感じてはいるものの、現在の幸福に身を浸してしまう。
まるで二度寝してはいけないと頭では分かっていても目を閉じてしまう時の様に。
だから不快ではない、不穏なのだ。
朝子が終盤に取るある行動については意見が分かれるところだろう。
あの行動で作品に対する興味が一気に遠のく人間もいるかもしれない。
筆者も許せない。あんなことしたら駄目だ。
しかし、(身も蓋もない言い方ではあるが)もう仕方ないのだ。朝子には朝子の事情がある。
個人的には、あのシーンから感情移入の対象が朝子から亮平へと瞬時にシフトを変えた。
朝子は本当に実在したのか・・・?
朝子の友達である女優志望の彼女は実在したのか・・・?
彼女の夫になった会社の同僚は・・・?
朝子の大阪時代の友達の女性は・・・?
飼っていた猫は・・・?
朝子を連れて行った麦という男は・・・?
そして自分は・・・・・・・。
人生(生活という言葉が適切か)は何か大きな力によって動かされているのかもしれない。
そこに抗おうとすれば何か大きなモノを得るか、失うかだ。
微睡むも良し、抗うも良し。
恋は盲目だ。渦中の人間からすれば特に。
外から見ればお伽噺の様なモノかもしれない。
朝子と麦の出会い、あんなことある訳がない!
朝子たちに対する亮平の取る行動、何だか無理がある!
島春代みたいな人、あんな大阪のオバハンおるおる!
ホームパーティー中の芝居論でのぶつかり合い、何なのその偶然!?でもあるある!
朝子を迎えに来た麦、ストーカーか!?半ば誘拐やないか!即刻ネットに挙げられて事務所が動くぞ!?
全体的に朝子、お前ぶれっぶれやないかい!
でも、なんだかこの映画はそんな事は問題ではない様な気がするのだ。
一つだけ納得いかなかったのは、岡崎の末路だ。
何故、彼をああいう所に着地させたのか。
亮平と朝子が新居にて川を眺めるラストカット。
もし次があったとしたら、それはどんな場面になっただろう。
決して他人に薦める事はないだろうけれど、
観た人同士では語り合いたい。
そう思わせる不思議な作品だった。
淡々と
タイトルなし
なかなか
よかった。
好きな映画ライターさんが絶賛してて気になって鑑賞。
朝子の魅力にどっぷり浸かってしまいました。
私も良平だったら好きになってるな。
朝子と良平の出会いからくっつくまでの時間がホントにドキドキして久々にキュンキュンした。
どんだけぶりだろう…
あの非常階段のキスシーンはずるい
恋愛するって頭では解ってても行動が伴わない事ってあるよなーっておもった
まぁ実際は妄想で終わる人生なんだが。
あと、一番心に残った言葉はオカザキの母の
「大切なんだったら、大切にしな。それしか出来ないんだから。」的な言葉。
ずっしりきた。
最後の2人の表情ね、良平がちょっと笑みを浮かべたような気がしたが気のせいか?
許したのか、それともしてやったりだったのか、それとも。。。
観た後の感想大会が、むしろ面白い
レビューも拝読し、映画を観た方それぞれに、感想が異なっていて、それがこの映画の本質だと感じました。「ハッピーーアワー」もそうですね。観たその人があぶり出される映画。私は観た後、「自由」と「愛」ってなんだろ?という思いで帰路につきました。そして世の中に溢れる「ディスり」「嫌悪」、それが「羨ましさ」「嫉妬」に根差していたり。愛してる、と思うのは、それは相手から「愛されたい」だけの気持ちだったり。「愛する」とは自分の意志のことと私は思いますが、それゆえに責任感、信頼、覚悟などを生み出す。時にはそれは自由とは正反対の性質で。「自由」とは流れて、流されて、自然のまま。執着なし。愛は、時として自由を嫌悪する。羨む。燃えるように妬む。亮平が麦を見た眼のように。朝子さんは、自由と愛の間を、川が蛇行するかのように流れて行きます。目覚めて亮平のもとに戻った、かのような。でも、寝ても、覚めても、やはり朝子さんは朝子さんなんだろう。川はまた蛇行し流れて行く。朝子さんは川を「美しい」と言いました。亮平は「汚ったない」と。二人のこの先は?続編作るとしたら?なんか勝手にゾクゾク...とそういう作品です。
理解できない
口コミが良かったので鑑賞。
自分の理解力が足りないのだろうが、
あまり良いと思わなかった。
主人公の、本能のまま動いてしまう感じは
隠れた女性の憧れを表しているとおもう
昔好きだった男に迎えにきてほしいという願望は、言わないだけでみんなある。
緊張感あふれるシーンで、伊藤さりのあるセリフに映画館がクスクスなった。伊藤さりおそるべし。
嗚呼、麗しの朝子
最初に朝子に恋してしまうと、もう朝子がどんな振る舞いをしようとも、無条件にすべてを受け入れてしまうような、なんか…とてもねじ曲がった作品だったような気がする。かく言う自分は、ああ麗しの朝子…と思った冒頭から、ずっと作品について引き込まれっぱなしだったし、思いのほか笑った。
絵づくりとかロケーションとか特にいいとは感じなかったけれど、脚本と配役の妙で相当楽しめた。
震災を題材にしたり、復興を題材にしたりして、何か主張すべきところがあるのかと探った。が─、これといった含みなどは捉えることができなかった。まぁ単に大勢の人を引きつける道具でしかないのかなとマイナスのイメージを待ってしまいかねないところもあったけれど、仲本工事とかの演技を見るだけでもすんごく楽しかったし、これは最高の娯楽映画だなーとしみじみ思った。
寝ても覚めても好きな人と一緒でいいよなー、当然苦しさや辛さもあるんだろうけれど、そりゃあどんなに裏切られたり信用を失ったとしても執着するよなー、なんて思ったり─。
途中、1度だけ泣いたところがある。それはどこかは言わないけれど、そこが過ぎて展開が変わり─、くっそーあの涙を返せよ~なんて思ったりもした。
とにかく、かなりこの作品を楽しめたわけで、個人的には興味を失わないためのカット割りが絶妙に続くこの何とも言えない魅力的な映画にすっかりハマってしまった。
死神に魅入られた女性の話
大阪で暮らす大学生の朝子(唐田えりか)。
ある写真展で、風変わりな青年・麦(ばく・東出昌大)と出逢い、突然の恋におちる。
数か月交際したある日、麦は「靴を買いに行く」と言ったきり、朝子の前から姿を消してしまう。
失意の朝子は東京に引っ越し、2年経ったある日、麦そっくりの会社員・亮平(東出昌大・二役)と出逢う・・・
というところから始まる物語は、同じ姿かたちをした男性ふたりの間で揺れ動く女性の心を繊細に描く映画・・・と想像したけれども、はじまってすぐにそんな普通の恋愛映画じゃないな、という予感が走る。
とにかく、麦の行動の様子が尋常でない。
この世の者とは思えない。
ひとめ惚れで恋におちた朝子もヘンな感じがする(台詞が棒読みなので、ただの下手っぴいにしか見えないかもしれないが)。
で、ふたりで出かけたオートバイ旅行で、事故に遭って・・・
と、この事故のシーンのカット割りと、その後、事故では何でもなかったと続くあたりで、ははんと気づいた。
これは、「恋」という名の死神に魅入られた女性の話なのだ、と。
姿を消す前に麦は、「必ず朝ちゃんのもとへ帰ってくるから」と言い遺すのは、「死神」が「どこそこの街で必ず待っている」と告げる外国の古い話にソックリ。
死神は去って、生きている男性・亮平と出逢った朝子は、彼と距離を置こうとする。
またもや死神かもしれないから。
しかし、そこへ訪れる大震災。
それは、生と死のはざまであり、朝子は「生」の側に傾き、幸せな生活を送るが、やがて、約束どおり「死神」は帰って来、朝子は死の国へ連れていかれそうになる・・・
震災を、その被災地を生と死のはざまとして描き、両側を堤防が経つ賽の河原で、朝子は生の世界に戻ってくるが、一度(比喩的に)死んだ身の朝子と、生き続けていた亮平との間は、この後うまくいくかどうかはわからない・・・
そんな内容の映画。
そう感じて、総毛立ちました。
終盤、驟雨の中での朝子と亮平の追いかけあいのシーン。
横移動で駆けるふたりをそれぞれとらえたあと、ふたりが点景になるまでロングで引いたシーン、追いかけるふたりの周囲は黒雲の下で陰になっており、手前は明るく陽が差している・・・
このロングショット!
こんなショット、狙ってもなかなか撮れない、奇跡のようなシーンです。
恋愛映画のジャンルを超えた、別のジャンルの映画を観たように感じました。
始まりからずっと惹きつけられた
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