リズと青い鳥
劇場公開日 2018年4月21日
解説
「映画 聲の形」が高い評価を受けた山田尚子監督が手がける、京都アニメーション制作のテレビアニメ「響け!ユーフォニアム」の完全新作劇場版。吹奏楽に青春をかける高校生たちを描いた武田綾乃の小説「響け!ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部、波乱の第二楽章」を原作に、テレビアニメ第2期に登場した、鎧塚みぞれと傘木希美の2人の少女が織り成す物語を描く。北宇治高等学校吹奏楽部でオーボエを担当する鎧塚みぞれと、フルートを担当する傘木希美は、ともに3年生となり、最後となるコンクールを控えていた。コンクールの自由曲に選ばれた「リズと青い鳥」にはオーボエとフルートが掛け合うソロパートがあったが、親友同士の2人の掛け合いはなぜかうまくかみ合わず……。
2018年製作/90分/G/日本
配給:松竹
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映像とは目で“見る”ものだが、大抵はそこに音が付いてくる。セリフや音楽というだけでなく、効果音だったり、遠くから聞こえてくる雑音だったり、吹き抜ける風の音だったり。
この映画を観て驚いたのは、耳から入ってくる情報の多さと、その緻密で研ぎ澄まされた表現の豊かさ。決して絵が音に劣っていると言いたいのではなく、音で表現されているものを、絵や、セリフや、ストーリーが支えているように感じたのだ。ただ音楽にまつわる映画だから、ではない。例えば序盤では、ほぼ主人公ふたりの足音でシーンを引っ張ってみせる。その演出の強度に震えた。
こんな映画体験をほかで感じたことがあっただろうか。劇場で二度観てみたが、次はなるべく目をつぶって観てみたいし、その上で改めて耳と目でじっくり味わいたい。そう思うと、自宅の音響設備に自信がないので、いつまでも劇場でやっていて欲しい。傑作。
2018年4月30日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
言葉で語れないものを語るからこそ、映像作品には価値がある。しかし、本当の意味でそれをできる人はそう多くない。この映画はそれが非常に高いレベルで出来ている。「名前のない感情」を描きたいと監督はいっているが、まさに名付けようのない何かを捉えている。無理に名付けた瞬間、壊れなそうな何か。
アニメは動きを追求するものだ。動きによって何かを表現する、というのは芝居で言えばパントマイムのあり方に似ている。ウォルト・ディズニーは新人アニメーターにキートンなどの芝居を見せて教育したらしい。
しかし、この映画の芝居は何か別の方向を向いているように思う。パントマイムで「喜び」を表現するなら「笑顔」を作る。従来のアニメもそういう表現になる。しかし、この映画は「笑顔」であっても、その裏には違う気持ちがあることを描く。生身の役者ではなくアニメーターが描く芝居にもそういうものがあるのか、と驚いた。
何度観ても新しい発見がある。すごい、本当にすごい。
ネタバレ! クリックして本文を読む
響け!ユーフォニアムのサイドストーリー。
上級生たちの親密な関係と、その葛藤が描かれます。
吹奏楽部のオーボエ担当の鎧塚みぞれと、フルートの傘木希美の二人は親友。
一度心が離れた経験から、孤立しがちなみぞれは希美に依存気味になる。
そんな中、「リズと青い鳥」劇中曲がコンクール演奏曲として選ばれる。
高い技術を持ちながら、引っ込み思案なみぞれは、中心となるソロパートを任されながら、どうしても印象的な演奏ができない。
みぞれの心配をする希美だが、「リズと青い鳥」のストーリーをたどるうちに、彼女をつなぎとめて安心しているのは自分だと気づく。
みぞれと希美の関係を、劇中劇「リズと青い鳥」と重ねて見せることで、彼女たち自身に未来を選ばせる展開は見事。
京都アニメらしい繊細な日常描写と、山田尚子監督ならではの演技とカメラワークで、二人の少女の思春期の終わりを、鮮明に照らします。
鑑賞後、二人と同じ気持ちになったあなたには……ハッピーアイスクリーム!
2022年4月10日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
上位カースト系ののぞみが実力世界で挫折、嫉妬した話。
主人公はのぞみであろう。
なんかジブリを意識した客に考えさせようとする企みがプンプン。
おとぎ話パートは下手なしゃべりが耳障りで邪魔なので早送り。
なにも説明しない日常譚はカタルシスはなく、映画の感想は、「ふーん」。
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