孤狼の血のレビュー・感想・評価
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狼の汗と涙に酔いしれろ!
ヤクザ映画は詳しくないし、あんまり好きでもないし、観るべきか観ざるべきか、結構迷っていた「孤狼の血」。 だだ「ひとよ」を観て本当に素晴らしかったので俄然興味が湧いたのです。白石和彌はモロ好みの監督なんじゃないかと! 結論としては、最高だった! 「東映が満を持して放つヤクザ映画の最高峰」みたいな煽り文句にビビり、今まで観てなかったことが悔やまれるレベルで好き!つーか、ヤクザ映画じゃないよね。警察モノのお仕事映画だよね! まだ2本しか観てないから、あってるかどうか判らないけど、白石監督の映画には緊張感のあるアップが多い。役所広司演じるガミさんと、松坂桃李演じる日岡の、二人のやり取りがアップで映し出される。 それだけで緊張感マックス、汗臭さマックス。瞬きから、口の端の微妙な動きから、キャラクターが色濃く滲み出て見応えもマックス。 こっちは真冬に観てるっていうのに、じっとり首筋に汗を感じるような臨場感。 これは脚本が良いんだろうけど、全ての登場人物に思惑があるし、それが透けて見えるから濃いアップのやり取りでストーリーが進んでも違和感無いんだよね。「オレはこうしたい」がまず伝わってくるの。 表面的な暴力やらグロテスク系のシーンの事を言及されちゃうのは仕方ないのかも知れないけど、「孤狼の血」の真骨頂はやっぱり人の心の抉り出し方にあると思う。 視点となってくれるのが堅気度100%の日岡刑事なので、物語や世界観にすごく入りやすかったのも最高に楽しめた一因だと思う。 日岡の目線で不信感を募らせ、日岡の目線で理不尽さに憤り、日岡の目線で全てを悟る。 そして「最低だ」と思っていたガミさんの事を好きになる。 当然役所広司と松坂桃李の演技も素晴らしかったけど、地味なところで中村倫也の目が飛んでる感じがすごく良かった。 音尾琢磨も「ひとよ」の叔父さんがいい人だっただけに、こっちはめちゃくちゃ嫌な感じで最高だった。 脚本、演技、映像とどれもが最高!って思ったら、そりゃあ「最高だった!」っていう気持ちになるよな。 今後も「白石和彌」と聞いたら観たくなるんだろうな、と確信した。
ヤクザ映画→現代劇
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昭和時代、暴力団相手の刑事・役所の下にインテリの松坂がつく。
役所は無茶苦茶で平気で暴力や脅迫や拷問を行っていた。
役所には14年前のヤクザ殺しの犯人疑惑があって、
実は松坂はキャリアからその内偵として送り込まれてた。
松坂は役所の下にいて何度もひどい目にあわされ、
刑事としては凄腕だがルールを逸脱してるとの報告を上げた。が・・・、
上は何故か動かず、役所のノートを証拠品として盗むよう指示して来る。
そんな折に役所が失踪、ヤクザの抗争に巻き込まれて死ぬ。
ここまではまさに昭和のヤクザ映画って感じ。でもここから急展開。
役所は実はいい奴で、一般市民を守るためにヤクザを手なづけてたと判明。
上納金をよこす一部のヤクザだけ贔屓にしてたというのも誤解だった。
松坂が実は内偵ってのも見抜いていたし愛情も持っていた。
14年前にヤクザを殺したのは役所でなく懇意にしてた銀座のママだった。
そのママに託されたノートを手に入れる松坂。
それはヤクザでなく、警察の上層部の弱みを記したノートだった。
役所はヤクザより警察上層部を恐れており、それで身を守ってたのだった。
そして上層部が松坂を内偵に出したのは、それを奪いたかったため。
全員保身やんけとあきれ果てた松坂は一種の悟りの境地に入る。
そして構想してたヤクザAに情報を流してBを壊滅させ、Aも逮捕。
今度は松坂が上層部の弱みを握ることとなった。
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劇場で見た。
上記のように前半は昭和っぽく、後半は急に平成っぽい。
やっぱり平成は、実はいい人ってのが人気なんだろう。
テーマとしては昭和も平成も変わらない、何が正義か?ってこと。
少なくとも保身ばかり考えてる上層部ではない。
役所も一つの正義と思い知った松坂は清濁併せ呑む感じに成長。
まあそのへんは面白いんやが、気持ち悪い描写が多いのがイヤやったわ。
最後の血が延々飛び散り噴き出すシーンなんていらんわ。
それを延々見せる意味なんてあるんだろうか?
あと死体に関しても、見せ過ぎ。
見せなくたってそこに死体があるってのは十分に伝わる。
腐乱死体も含め、これだけ死体をアップにする映画も珍しい。
あと江口の役名がモリタカやったんに笑った。
新ヤクザ物
2023 83本目 ヤクザ物自体にあまり反応しない輩ですが、役者の顔ぶれ見たら観たくなった。 知らない間にジリジリ引き込まれて最後まであっという間に終わりました。 チープ感も全くない。 時代も昭和63年が舞台なので、現代とは違うノスタルジー感もある。電話の音なんかもその一つ。 役所広司は勿論の事、松坂桃李の後半には見入ってしまう。自分自身の感情も彼に乗っかるようなシーンだったので見入ってしまった。 目がヤバい。 これは観るべき作品かも。
原作とのズレ
原作がすごく良かったので映画も観てみましたが、冒頭から下品、エロ、下品、エロの繰り返しで疲れました。原作には下品もエロもありません。
原作では大上がなぜ命がけのこの道に入っていったのか(妻子の事故死)が丁寧に書かれていましたが映画ではそれもなく、大上と日岡の関係も、原作では強い絆ができていくのを丁寧に書かれていました(子供の名前が日岡と同じ)が映画では、全くただの上司と部下という感じ。
あとブタの糞とか殺し方えぐかったり、どんちゃん騒ぎも下品で、何もかも日本が下品に描かれているようにも感じてしまい、これがアカデミー賞なの?とアカデミー賞自体に不信感。
もっと丁寧にキレイに描いてほしかったです。
昭和感の表現が味ある。雰囲気作りの上手い作品
内容は、柚月裕子原作の映画化。舞台は昭和63/4昭和最後の年で時代の変わり目。広島の呉原東署捜査二課に勤める新人主人公・広大とバディの大上が繰り広げる。警察署内・暴力団の抗争・一般人の関わりについて考えさせられる話し。印象的な台詞は『わしら食われる前に食うしか無いんぢゃねーかのー?!』大上さんの言葉。新人刑事に対する不信感と共感する気持ちの中で打ち明けた極論の姿勢を話す言葉。印象的は場面は、令和のこの時代に表現された忘れ去られた昭和感が非常に良い。プルタブに看板や雑誌に自販機などその他諸々が世界観の造り込みが凄いなと感じた。特に身体部位が上手く切断指・生首・腐った死体・水死体が素晴らしく生々しくて親和性を感じました。印象的な場面は、さはり最後の墓参りのシーンで美人局が解った後、呉の街並みを見下ろしながら形見の孤狼ジッポでガミさんのハイライト(煙草)に火をつけガミさんの意思を継いでいこうと呪われる場面。レベル2を予期させる上手い終わりだと感じました。強いて言えば大上さんの目的の動機がいまいち説明されず原作に書かれてるのかなと感じた所です。そこが観ていて気になりました。悪を倒すのは正義では無く更に強い悪意なのです。
警察の仕事
やはり、心底人々の安全を守ろうとしたら、自分の事は後回しになり最期は命まで取られてしまう。命を賭してまでとは思わないが、この仕事の究極は大丈夫にしても命を賭ける気構えが必要で、なかなかそんな人はいない。
3.4バランスの良い良作
キャストが豪華でありながら、ハードボイルドな感じが見ていて飽きが来なかった。 話はどこかで聞いたような感じであるが、エロすぎず残酷すぎず程よい塩梅で進んでいく極道映画。あまり難しいことは言っていないので気軽に見れた。次回作も見たい。
凄かった…
役所広司のまぁ上手いこと上手いこと。凄く良かったです。笑顔は優しげで人懐こくて可愛いくて。真面目で品の良さがあって、荒々しいところも違和感無く…色々出来て魅力的な俳優さんですね。
中村倫也、目がいっちゃってて「あらぁ、こんな顔出来るのね!?」と驚きました。ホンワカな優しいイメージが強かったので非常に新鮮でした。俳優さんて凄いなぁ。楽しめました。
エグいシーンは多々ありましたが、鑑賞中はあえて「美術さん腕良い〜頑張ったな〜」「撮り終わったら速攻でシャワーだな…」など思うよう努めました。
全体的に任侠モノとしてはかなり良い出来なのではないでしょうか。役所広司の14年前の殺人疑惑はシロだと早々に予想がつくし、ストーリーも非常にシンプルなので話が特別面白いわけじゃないんですが、そのおかげで丁寧な描写や登場人物たちの心の動き、監督が一番描きたいであろうヤクザ世界を自然に追えたので良かったです。
江口洋介や竹野内豊など、ヤクザなのに細身の男前が多かったので、まぁそこは目の保養と思うことにしました。真木よう子も好きなんですが、やはり美しかったです。ほっそりしているところが今時ですね。昭和の任侠モノなら女性はもっと肉感的でムチムチしてて生々しいんですが、時代ですかね。
映画も原作も迫力にのまれる
白石監督ならではの暴力シーンもありながら、男同士の汗に血にお金に女に…とハチャメチャそうなのに、見入ってしまう。 役所広司の強引な刑事ぶり、原作よりも過激な味付けがされているよう。こんなゲスな役所広司も見たかった。 松坂桃李がこの作品で、より好きになった。この作品のスタート時は初々しさもあり、役所広司演じるガミさんと交わることで、どんどんダークな世界にはまっていく様。ひとつのストーリーの中での表情や態度、目つきが変わっていくのがすごい。 脇をかためている俳優陣も迫力があり、原作をもう一度読んで、また映画にも原作にも心ゆさぶられてしまいました。
話は悪くないけど
内容は悪くは無いと思うのだけど、 正直途中から予想は着いてしまう。 仁義なき戦いにとにかく 似た演出は、多大なるオマージュなのだろう。 しかしオマージュ元越えられていない。 主演の役所、そして石橋などの 強面面々は良いのだけれども、 他が見目良すぎる。 広島のゴテゴテのヤクザたちが 頭も小さくてシュッとしてて 顎も細いし線も小さい、 江口洋介や竹野内豊にとてもじゃないけど おとなしく従うわけねーだろ! 松阪桃李にいたっては女の私だって 倒せそうだもの。 演技も過剰気味だけどもまあ 頑張りなんだろうなと良いとして、 昭和の暑苦しい感じを現代の人で 表現するのは無理だろうなと しみじみ思った。
役所広司
素敵です、役所さん。
広島弁って言うんですか?なんかいいですね。
久しぶりに広島へ行きたくなりました
松坂桃李さんも新人の真面目でがむしゃらな気持ちと正義だけど犯罪に手を染めるかの揺れる気持ちがうまいこと演じてた。
なぜ人はヤクザ映画に魅了されるのか?
なぜ人はヤクザ映画に魅了されるのか。ヤクザの世界は、非合法な裏社会であるが、無軌道なところもある反面、義理や人情に厚く、組織内では上に絶対逆らえない完全な縦社会を確立している。傍若無人ではあるが実は規律正しいところもある、そこががかっこいい、男らしい、情が深いというプラスイメージにもなっているような気がする。だからといって、自分がヤクザになるわけでもないので、人はヤクザ映画に感情移入し、日頃の鬱憤を晴らし、溜飲を下げるのである。 東映ヤクザ映画の歴史は古く、鶴田浩二、高倉健の時代を経て、深作欣二監督の仁義なきシリーズが大ヒットした後、本格的な作品はずっとご無沙汰であった。かつてのスターたちはほとんど鬼籍に入った。この映画は久々の大作である。登場するのは役所広司、松坂桃李、江口洋介、竹野内豊・・・。彼らが東映ヤクザ映画の新たな時代を切り開くのか。暴力団同士の抗争に介入する警察というオーソドックスな設定はわかりやすく、アウトレイジのような派手な銃撃戦はないだけに、ストーリー性を重視して製作しているように思われた。印象に残るのは養豚場のシーン。リンチされたうえで、山や川に捨てられる。これがヤクザ社会の怖いところであるが、目に焼き付いて離れない。若手刑事(松坂桃李)がベテラン刑事(役所広司)の仇を討つため殺害に加わった養豚場の息子をこれでもかこれでもかと殴り続ける。松坂桃李の迫真の演技であるが、これも養豚場で行われた。 世の中は清濁併せ呑むような懐が深いところでなくてはならないと思う。またいつの時代もそうだったにちがいない。なぜなら、そうでなければ、ヤクザ映画がこんなに長い間、人気を博すわけがないからだ。
和製アンタッチャブル
自論だが警察主役の懲悪系ギャング映画は面白い、本作もこの法則が通ずるようで見事アタリ。 警察の立場から見る極道間の対立構造がわかりやすく、目的も抗争を回避し民間人を守る為と明快、ハードなゴアやグロは基本勘弁だがひりついた空気に緊迫したヤクザとの交渉を魅せる本作ではそれを強調するスパイスになっており、ドンパチはないが見飽きない。重ねるがかなりエグイ、OP早々苛烈な拷問パートがあるのは早めに視聴判断出来るようにした配慮だろうか。 出演者に触れるが役所広司えんじる刑事大上が実に良いキャラしてた、ビジュアル良しなイケおじがヤクザの暴走を薄氷を踏む決断と鬼気迫る脅しで抑え、堅気に害あれば犯罪もいとわず追い詰め捕え、さらに松坂桃李えんじる日岡の目的はお見通し、逆手にとって精神ケア万全の師匠的采配を振るい、成長を促す有能さは作中一頼りになる。そして弟子にあたる日岡も成長プロセスが丁寧なのもあり、終盤の覚醒と覚悟を決める演技には惹きこまれる---ジッポ欲しくなる! 以上、血生臭いが対立問題を解決し爽やかに終わる、慎重に選んだが楽しい邦画で満足。
血湧き肉躍る映画
任侠映画はなんとなく敬遠していたが、気づいたら夢中で見ていた。今まで見た邦画の中で映像もストーリーも1番クオリティが高いと感じた。ただグロテスクでエグいシーンが多いので見る人は選ぶ作品。
全463件中、21~40件目を表示