メアリと魔女の花のレビュー・感想・評価
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メアリと「小さい話」
『アリエッティ』の翔。『マーニー』の杏奈。そしてメアリに共通するのは「自身にコンプレックスを感じている自分が不思議な体験をして、少しだけ変わる」だろう。そこに宮崎、高畑にはない米林監督らしさがあるといってもよい。
ジブリの技術を使って描かれるこのアニメは、つまりそのくらい「小さい話」だ。ジブリファンにはそこに物足りなさを感じるだろう。
しかし、ジブリもかつては『海がきこえる』を作っている。これも「小さい話」だ。そして小さいながらも根強いファンがいる。
『メアリ』もそこに入る映画だろう、つまり「好きな人にはとことん好きになれる」アニメでもある。
米林監督にはその「小さい話」を極めてしまった方がよいのではないのか。そんな思いだ。
良い人間ばかり!個人的には好き!
正直最初はいろいろ既視感あって、ん?ジブリの総集編かな?とか思ってしまったけど途中から気になんなくなった!
多分米林監督はジブリが大好きなんじゃないかな?辞めたもろもろの事情とか知らないけど。
メッセージ性がちゃんとあって面白かったです!
メアリは普段何もできない事がコンプレックスだったからこそ、誉められて、天才だなんて言われて、嫌だった赤毛も優秀の証とか言われて嬉しかったんだろうな。
純粋だなとは思うけど、やっぱり嘘は駄目だね。
メアリのせいでピーターが捕まったとき、本当に、こっちまでなんとも言えない気持ちになった。
あの時ピーターはどんな気持ちで実験台に上がったんだろう。
自分が逃げたせいで、他の誰かがその尻拭いをさせられる。
うまく言えないけど、こういう気持ちは言葉で言われるより、物語のエピソードに沿って一緒に感じる方がじんわり来ました!良い作品でした!
プライムビデオやiTunes Storeで販売されるのかな?ジブリってないんだよね。でもこれジブリじゃないし配信してくれたらいいな!なかったらDVD買うかな!
それくらい好きかな!
でも、 メアリは新参者じゃなくても良かったような気はする。
家でダメダメより、学校でダメダメの方が魔法学校との比較も出来るし、子供同士の中でどれほどダメかの方がメアリのダメダメ感がすんなり伝わる気がする。
ピーターとも幼馴染みの方が良かったんじゃないかとも思う。本当に良いやつなんだろうけど自分だったらあそこまで堂々と実験台に上がれるだろうか……と思う。あとピーターは大人っぽいから年上の方がしっくりくるかな。
てかこれジブリじゃないし続編とか作るかな?
ここから続きとか想像つかないけどもしやるとしたら観たいな!なんだかんだピーターもメアリも好きだし!てか学校でのメアリも観たいな!
米林監督頑張って!
次なに描くかわかんないけど、次回作も観るよ!
日本のアニメの声優をなめてる?
前にも他の映画で同様のこと書いたけど、やっぱりアニメはちゃんとプロの声優を使うべき!
いくらいい役者でも、二次元のアニメに自然な息を吹き込む技術は日本の声優のプロには叶わないと思う。下手なわけではないけどそもそも全く別物だから、それは仕方がないと思う。
話題を集めるためには仕方がないのかも知れないけど、役者ばっかり使いすぎじゃないでしょうか。。。
魔法なんていらない!
そそっかしくて不器用で、変わりたいと思うメアリにめちゃめちゃ感情移入しちゃうし、何より鮮やかな色彩の絵がとても美しくて感受性倍増して些細なことで涙が出ちゃう。
ドキドキする冒頭から始まり、ストーリーとしては起承転結ハッキリした王道ものだけどそれが良かった。
メアリとピーターの純粋で強い気持ちが伝わってきたし、最後の平和なシーンは多幸感に包まれる。
夜間飛行を使った実験の目的はちゃんと理解できなかったけど、あまり説明的になりすぎても間延びするしまあこのくらいで良かったかなと思える。
メアリが下ぶくれで可愛すぎないのも親近感湧いて良かった。
逆に杉咲花の声が綺麗でかなり可愛いので最初は声だけ浮いてるように感じたけど、慣れれば馴染んでいた。
マダム役の天海祐希は最高だった。
独立したスタジオポノックの作品がどうなのか楽しみでもあった。
絵柄はジブリ寄りだけどよりポップな印象。
王蟲っぽいシルエットやヤックルみたいな鹿等今までのジブリを思い出させる演出もちょくちょく見られたのが面白かった。
退屈
ストーリーも退屈、アニメ技術も退屈、新しものが何も無かった、キャラクターもジブリを踏襲しており今時のものでなく全体的に古色蒼然としており日本のアニメが一昔前に戻ったような感じ。内容は魔法を科学に置き換えれば宮崎駿譲りの全共闘的文明批判の物語で今更という話。もうジブリの時代は終わったな。
大長編ドラをジブリ的に=大変よろしい
ネット上の前評判の悪さにびびりながら、しかし前日にアリエッティを見てあれ?言うほど酷いとは思えないぞ、と半信半疑で観賞。
結果、これは大変良い作品でした。
まず脚本が非常に丁寧。
何かに似ていると思いながら観ていて、一番近いのはF先生が生前に作っていた頃の大長編ドラえもんにかなりニュアンスが近いことに気付く。
何もない生活に何もない主人公が特別なものを見つけそれに導かれて非日常の体験をする。
何やらよくわからないけど面白そうで何か特別な事情がある異世界。
そして一度お家に帰るのも非常に重要。
お家に帰りご飯を食べて、やはり家いいわー!と思っていたらその日常に異世界が侵食してくる。
日常を取り戻すために異世界と戦う。
主人公のキャラクターも非常にリアルと感じた。
突然覚醒するでもなく、自信なさげでありげで正直でもなく嘘つきでもない。
そのリアルなキャラクターと我々観客は同じ目線で異世界に入っていき体験して帰ってくる。
なんだなんだと感じながら物語が進む。
エンドロールでも触れていたのでジブリ的なものである自覚も覚悟もあるのだろうから比較されるのはもう折り込み済みだろう。
なのであえて言えば、こういうリアルな主人公のキャラクターは宮崎駿には造形できないキャラクターだろう。
宮崎駿のキャラクターはいつも最初から突き抜けているのがいいところだから。
そういう突き抜けて最初から持っているキャラクターが好きで期待していくとがっかり感を抱くのかもしれないが、とてもしっかりとリアルな主人公で共感と好感を持った。
映画中でこの体験を乗り越えてしっかり自信を持って成長したと感じた。
アクションは左右前後上下にはつらつと動いていた。
ジブリ的な気持ち悪い動きの敵もたくさん出てくるし、アリエッティ的な細部のこだわりも随所に感じられる。
エンタメマンガ映画として申し分ないのではないでしょうか。
願わくは多くの人に見てもらいたい。
特に子供達に。
実験は成功していたのでしょうか?
原作を読めばわかるのでしょうか?
深読みかもしれませんが、
とある仮説が頭からはなれません。
同じような事を感じた方や、
答えを知っている方、
いらっしゃいますか?
仮説というのは
『当初の最終実験は成功しており、
男の子と魔女の花を融合させて誕生したのが
“フラナガシ”だということ』
そう考えると、色々と腑に落ちるのです。
作品には沢山の動物が登場しますが、
フラナガシ以外、
喋る動物が居ません。
魔法の世界なのだから動物に限らず、
ホウキだってなんだって喋ったとしても
世界観は崩れないはずなのに…
ティブすら喋りません。
実験の失敗作である生き物たちも喋りません。
(あっ、シャーロットの旧家は喋りますねっ)
主人公がピンチの時に必ずと言っていいほど
フラナガシが助けにきます。
偶然を装ったかのように。
そして、何度メアリを助けても
フラナガシが
マダムやドクターから咎められることは無い。
最後に、フラナガシがメアリとピーターに
披露した虹(のようなもの)
これが、実験ノートに描かれていた
男の子と魔女の花の融合結果の絵とリンクします。
もし、実験が成功していたのだとすれば、
フラナガシはあらゆる魔法を使える事になります。
それも最強の魔力をもって。
ともすれば、
「実験は失敗に終わった」のだと
関係者の記憶を書き換えることもできるはず
フラナガシという存在を
「あいつはあぁ言うやつだ(仕方がない)」
と、周りに認識させる事もできる
疑われることなく、マダムとドクターを
見張ることが出来る。
こっそりと細工をして
実験を失敗に終わらせることもできる
地上に咲く魔女の花の発見を阻止
することもできる
だからメアリが本当にピンチになれば助ける
そういう感じで、しっくり来てしまうのです。
もちろん、
「そんなに万能なら、そもそもメアリを
大学へ案内しないだろう」
っていうツッコミもあるのですが、
ここまでくると更に妄想がふくらんでいて、
学生時代の写真の立ち位置なんかから、
フラナガシはメアリを見て、
シャーロットを想ったのではないか
それが友情なのか愛情なのかはわからないけれど、
個人的には恋心的なものだといいなぁと思ったり、
シャーロットへの想いから、
思わずメアリに声をかけてしまったのかな。
などと、妄想が妄想を呼んでしまうのです。
皆様は、どのような解釈をお持ちでしょうか?
毒にも薬にもならない感じ。
宮崎監督の引退宣言の後、ジブリのスピリッツを継ぐ形となったスタジオポノックの初作品ですが。
印象としては『なんでもありのファンタジー』と言った感じで、従来のジブリ作品の“芯”となる物がまるで感じられませんでした。
結局は少女の成長記を描きたいのだろうが、主人公メアリの人物像がドジな少女と言うだけで『千と千尋の…』の千尋有りきだし… このストーリーのキーパーソンである校長夫婦?がなぜ急に『誰もが完璧な魔法を使える世界』を築きたいと思う様になったのか動機が不明⁈ そんな舌足らずな中、社会風刺的にメルトダウン的な演出をチラつかせ、製作側の青臭い部分に気持ちがザラっとしました。宮崎監督が自身が亡き後ジブリを閉めた理由の様な物まで深読みしてしまいました。
結局、宮崎監督の再復帰とスタッフが翻弄されたのは、気の毒だが… 結局は自分達が何を伝えたいのか、実際ジブリで学んだポノックスタッフがこれを観て面白い作品だと思えるのか? 疑問に思いました。
米林監督含めポノックスタッフにはジブリ時代のノウハウを活かし、本当に自分達が作りたい世界を追求し観せてもらいたいです。
次作も絶対観ますので、是非頑張ってもらいたいです。
マロとジブリの蕾たち
スタジオジブリ卒業生たちが立ち上げた新たなアニメ製作会社“スタジオポノック”の第一回作品。
ジブリの新作と勘違いしてる人も多いだろうが、これはジブリのDNAを受け継いだ“ポノックアニメ”。キャラデザインも作画もジブリまんまじゃん!…なのは、ジブリから移籍したスタッフたちなので当然の事。
昨今のアニメ映画戦国時代。とりわけ今年公開のアニメ映画の中でも注目度の高い一本。
さて、その感想は…
監督・米林宏昌がジブリ在籍時代手掛けた2本はどちらも結構好きで、特に「思い出のマーニー」は秀作であった。
なので期待は自ずと高まったが…、僭越ながらハッキリ言ってしまおう。まあまあだった。
残念と言うか期待外れと言うか物足りないと言うか、かと言ってスゲーつまんねぇって訳でもなく、可もなく不可もなくと言うか。
と言うより、ジブリのDNAや志を意識し過ぎている気がした。
魔女を題材にし、「魔女の宅急便」の新世代へ贈る魔女ファンタジーなのはいい。それこそ、今CMでやってる「魔女の宅急便」のその後なんかよりずっと正直で正統派だ。
だけど、すでに多くの方が指摘している通り、過去のジブリのエッセンスの寄せ集め。
世界観もサブキャラもオリジナリティーを感じられず、それどころかジブリならこう描くだろうというのを感じてしまった。
それと、ハリポタ。あの魔法学校の描写なんて失礼ながらホグワーツにしか見えなかった。
主人公メアリのキャラ描写やストーリー展開にも満足を得るにはちと足りなかった。
お転婆で明るく前向きヒロインはお馴染み。元々魔女ではなく、普通の女の子。
何をやっても失敗ばかりで自分に劣等感を感じていた時、偶然森の中で“夜間飛行”と呼ばれる魔女の花と魔法の箒を手にした事から、一夜限り魔女に。魔法の世界で天才魔女と誤解され、いい気分に…と、かなりのお調子者。
周囲の勘違いもあるが、自分の無責任な行動(魔法の本を思わず盗んだり)が結果的に魔法の世界を揺るがす事件を引き起こしてしまい、メアリにも非はある。勿論、自分の過ちを認め、何とかしようと奮闘はするのだが…。
そのせいで事件に巻き込まれた村の少年ピーターがメアリの非を一切咎めず、いい奴過ぎないかい?
魔女の花はいいにしても、冒頭の謎の赤毛の魔女がもっと話に絡んでくるのかと思ったらそうでもなく、何となく正体は察しが付いた。
メアリの前に立ち塞がる“敵”ももう一捻りあるのかと思ったら、結局あんたらかい!
庭師の老人とか好感あるキャラも居たが、ちょっとおざなり。
キャラ描写にもストーリー展開にも捻りや深みが何か足りなかった。
手描きにこだわったという画のクオリティーはさすが。
村松崇継による音楽も魅力的。
勿論それなりに楽しめるし、悪くない点もあったが、全体的には…。
日本のアニメ映画はジブリと比較される運命にあるが、本作は殊更。自分からジブリのDNAを受け継ぐと言ってるし。
きっとこれからジブリと比較され、散々言われたりもするだろう。
確かにまあまあだったが、本作一本だけでこの新会社の評価は決められない。
ジブリで培われた蕾たちは花開くか。
これからの挑戦と発展を見たい。
もったいない
全体的にはもったいないなという感じです。
見た目はとても素晴らしいです。キャラター、表情、背景、効果、動き(ジブリリスペクト的なものも)。
ストーリー的には映画として面白くなく、わくわく感や感動はもちろん、感情移入や納得感もなく終わってしまいました。
何でそうなるのかわからない点なども多々ありました。
・大学に入学前の見学者なのに不法侵入者になるのはなぜ
・最後、魔法を使えなくなったのにほうきに乗れたのはなぜ
・クロネコがメアリを呼んだのはなぜ
・おばあちゃんがあの人である意味があったのか
・おばあちゃんが魔法を使えなくなったのはなぜ
・メアリの魔法が凄いといわれても比較対象がなく、わからなかった
・クロネコの過去がわからず、凄さに納得感がない
・なぜピーターが魔法を使えないのに実験対象者に選ばれたのか
・大学側はピーターをなぜ本人だとわかったのか
・魔法の国ではなく大学だけあるのはなぜ
・住所の番地だけでピーターの家を探すのは難しくない?
・夜間飛行の場所は空からなら木の成長具合で一目瞭然なのでは?
・メアリとピーターそんなにまだ仲良くなってなかったのでは?
・動物だんだん増殖してない?
子供に人気の出そうな作品!
ジブリアニメが日本の映画興行収入ランキング上位の多くを占めているのは凄く妥当ですよね!
確実な子供心を掴む要素とファンタジーさがあって親御さんもジブリと言うだけで子供を映画館に連れていきやすいでしょう。実際私も子供の頃ジブリ作品を食い入るように観てましたから(^^)
主題歌も作品の雰囲気にあっていて、とてもいいと思います。星の評価は大人の一個人の意見です。
せっかく独立したのなら
独立したのだから、もっと御自身の色を出していただきたかった。作品の至るところに、以前どこかで見た事があるようなシーンがチラホラ。
最近はアニメーション映画の当り作が続いていたので、期待値が高まってしまい、それを越える事がありませんでした。
ですが、作品は楽しめる内容ですし、いろいろな映画を経験していないお子様達には感動を与えられる作品だと思います。
原発の話だったわ。でも、絵が綺麗
自分たちでコントロールできない程の大きな力を御して大きな利益を得ようとした結果、強大なエネルギーが暴発。
そして、まさかのメルトダウン!
犠牲になるのは子どもたち。
メアリは校長(首相)すらメルトダウンを前に役に立たない惨状の中、ノー魔法状態の丸腰で立ち向かう!
最後にメアリの極め付けの一言「魔法なんて、いらない!」最後の一輪の夜間飛行をポイ捨て。
原発なんていらないって言ってるような気がしました。
そう考えると、校長の「電気も、魔法の力の一つなんですよ」というセリフも印象的。
ただ、意思を投げかけ訴えることは素晴らしいと思うけど、そこに注力するあまり物語自体が薄ーーーくなってしまった印象。
シャーロットはメアリの何なのさ?祖母の妹?何で引っ越すことになったの?庭師のおじさん結構出てくるけどそこも中途半端、ピーターがイケメンでいいやつなのはわかるけど、出会って1日か2日で命かけます?!千と千尋みたいに魔法学校の生徒との関係性からメアリが成長するのかと思ったら全然生徒出てこないし。
猫との絆もキキとジジの方が深く描かれてて面白い。
魔法大学内を結構な時間案内されてるけど、何を描きたいのか全然わからず。
メアリと猫ともピーターとも、家族ともイマイチ絆が見えない。別に千と千尋みたいにメアリの成長物語を作りたい訳ではないと言ってしまえばそれまでだけど、せっかく魅力的なキャラが出てくるのにもったいないなーと思ってしまった。
良かったところは、
絵がとても綺麗。特にシャーロットおばさんが魔女だった頃に住んでいた部屋は実際にあったらどんなに素敵か、夢みるくらいに素敵。
夜間飛行の花も美しい。
魔法学校が遊園地みたい。飛んでる時の浮遊感と疾走感、魔法が発動する時のワクワク感。
キャラクターの魅力。メアリはどんどん魅力的に見えてくる。何気にめちゃ怖い校長も。
唯一メアリとシャーロット二つの視点で語られるので、実は一番深く描かれてるのは校長では、、と思う。箒番の猫も好き。シャーロットが逃げる手伝いしてるとことか少しでも入ってたらなーなんて。
最後にいろんなジブリ作品のオマージュを見つけるのも楽しい。エンドロールのスペシャルサンクスに宮崎監督、高畑監督、スズキ監督の名前があったので、そこらへんの深いつながりを、感じました。
全力で擁護させて下さい!
酷評が多めな気がするので、私がこの作品を嫌いになれない理由を書かせて頂きたいと思います。
表面的なストーリーとしてはかなり歪な作品ではありますが、裏のテーマを読み解いていくと米林監督の思いがしっかりと込められた作品でした。
裏のテーマを読み解く鍵は、庭師ゼベディです。彼の容姿はどことなく宮崎駿を彷彿とさせます。そして、彼の手伝いをして失敗し、呆れられているメアリは米林監督自身なのではないでしょうか。
つまり、米林監督自身のこれまでのジブリ人生をそのままストーリーに盛り込んだ映画だと言えます。
メアリが初めて箒に乗る場面では、箒に夜間飛行のネバネバを付ければ、空を飛べる様になるのですが、これは筆と絵の具を手にすることでアニメーターとしての才能が開花した米林監督のようでもあります。
この作品において、
「メアリ」を「米林監督」、
「魔法」を「ジブリ作品」、
「箒」を「筆」、
「夜間飛行」を「才能」、
と置き換えれば、
米林監督がジブリに入社して、長編2作を監督して、そしてジブリの制作部が解体される、という流れに合う様に感じます。
エンドア大学に囚われた動物たちを逃すシーンで、メアリは「私、今夜だけは魔女なんだ」と言いますが、これはジブリ退社後、自分たちでスタジオを立ち上げてもう一度アニメ映画を作ることができるという、米林監督の喜びの気持ちが込められているように感じます。
そして、映画のラストで「魔法なんていらない!」と宣言して魔法解除の呪文を発動させますが、これは米林監督のジブリとの完全な決別の宣言でしょう。
エンドロールで「感謝」という言葉と共に「宮崎駿 高畑勲 鈴木敏夫」の3名の名前が載っていますが、この映画全体でスタジオジブリに対する感謝の思いを伝えようとしているように感じました。
エンドロールの最後に庭師ゼベディの箒の隣にメアリの箒が置いてある絵が映りますが、これは米林監督から宮崎駿への感謝の気持ちをさりげなく表現した絵だと思います。
表面的なストーリーだけ観て簡単に評価を下すのはとても勿体無い作品だと思いました。今作を観て不満に感じた方も是非もう一度、裏のテーマを念頭に置いて今作を思い返してみてほしいです!
全432件中、341~360件目を表示