メアリと魔女の花 劇場公開日 2017年7月8日
解説 「借りぐらしのアリエッティ」「思い出のマーニー」の米林宏昌監督がスタジオジブリ退社後に初めて手がけた作品で、同じくジブリ出身の西村義明プロデューサーが設立したスタジオポノックの長編第1作となるファンタジーアニメ。イギリス人作家メアリー・スチュアートの児童文学「The Little Broomstick」を原作に、魔女の花を見つけたことから魔法世界に迷い込んだ少女メアリの冒険を描く。田舎町の赤い館村に引っ越してきた11歳の少女メアリは、7年に1度しか咲かない不思議な花「夜間飛行」を森の中で発見する。それは、かつて魔女の国から盗み出された禁断の花だった。一夜限りの不思議な力を手に入れたメアリは、魔法世界の最高学府・エンドア大学への入学を許されるが、メアリがついたある嘘が大きな事件を引き起こしてしまう。声優は、NHK連続テレビ小説「とと姉ちゃん」や映画「湯を沸かすほど熱い愛」で注目される杉咲花がメアリ役で主演を務めたほか、メアリによって事件に巻き込まれてしまう少年ピーター役で、「借りぐらしのアリエッティ」でも米林監督と組んだ神木隆之介が出演。そのほか、エンドア大学の校長役を天海祐希、魔女の国から禁断の花を盗んだ赤毛の魔女役を満島ひかり、メアリの大叔母役を大竹しのぶがそれぞれ演じる。
2017年製作/102分/G/日本 配給:東宝
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2017年7月7日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:試写会
「思い出のマーニー」で過去と現在を地続きで描いて、そこはかとない憂いを漂わせた米林宏昌監督が、この地上と雲上の魔界を結んで展開する最新ファンタジーは、やはり抜群の空間演出で魅せる。間には「魔女の宅急便」(ほうき)や「千と千尋の神隠し」(湯婆婆に匹敵するキャラ登場)や「ハリー・ポッター」(魔法学校が舞台)等々、馴染みのアイテムを挟み込みつつ。何より米林作品の肝は、背景に耳障りな音楽や効果音を極力排した独特の静寂の中で、少女の成長物語を紡ごうとしている点。端正な映像も含めて、それは観客の視覚と聴覚を情報で埋め尽くそうとする昨今のアニメ映画事情とは異なる、省略の美学。このスタンスを是非死守し続けていって欲しいものだ。
2022年4月15日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
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ある花の力により魔法を取得した少女の不思議な体験を描く物語。 他の方も書いていますが、ジブリを想起させる映画ですね。「千と千尋の神隠し」「魔女の宅急便」「天空の城ラピュタ」・・・ 本作中に出てくるシャーロット叔母様と家政婦さんが、「魔女の宅急便」に出てくるパイ包み焼きのおばあ様と家政婦さんにそっくりで、流石にやり過ぎのように感じます。 そう感じてしまうからでしょうか?ジブリ以外にも、魔法学校から「ハリーポッター」を想起させますし、動物たちとの疾走シーンは「SHIROBAKO」の劇中劇(元々は「君よ憤怒の河を渡れ」のオマージュかな?)が想起され、継ぎはぎだらけの作品に感じられました。 例え「真似」でも「継ぎはぎ」でも面白ければ良いのですが、設定・ストーリーが薄くて、面白みを感じないのは致命的。 例えば、校門に入る前に「入学希望でなければ変身させられる」って設定。『何故?』ってなりますよね。「千と千尋・・・」では千尋の両親がブタになっていますが、神と人間が明確に分かれているからこそ説得力が出てくるものです。でも、この映画ならどうでしょう。魔法使いと人間は明確に区別されているようには見えませんし、区別されているのであれば易々と校門から中に入れるわけがありません。設定自体雑なのに、その設定を用務員さんが読み上げる演出には、空いた口がふさがりません。 例えば、「シャーロット叔母様が魔法使いだった」という設定も、『だから?』と言いたくなる設定です。序盤からメアリが「何故魔法が使えるの?」という謎かけがしっかりとあれば、その伏線回収になるのでしょうが、その謎かけがないので『だから?』にしかなりません。 ピーターを助けるアドバイスや方法を与えられれば、意味があるのでしょうが、それもなし。本当に『だから?』です。 この設定を入れるタイミングは、物語の構成上とても大切なものだと思います。中盤で敵に敗れる主人公達が、闘いの意味や方法を考え最後の闘いに挑む。大切な「間」になるところです。例えば、「ルパン三世カリオストロの城」では、ルパンがクラリスとの過去を思い出し、闘いのモチベーションを改めて高める場面です。 後半の盛り上がりが乏しく感じてしまうのは、この「間」が中途半端になっているのも一因だったと思います。 敵役の力不足も致命的です。魔法学校の校長と教授とはいえ、たった二人。そもそも決して悪人ではなかった二人では敵役としては力不足のように思えます。 折角、「学校」なのですから、生徒たちを巻き込むべきだったと思います。積極的に校長に協力する生徒と、反対する生徒を登場させたらどうでしょう。敵役はより強大になりますし、反対する生徒たちとの連携はカタルシスを感じる展開になったように思います。 酷評しましたが、それでも映像の美しさ、キャラデザイン、動き・・・等は、素晴らしいクォリティだったと思います。
2022年3月23日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
大きな力を持つには責任が伴う。 大きすぎる力は危険。 もののけ姫とラピュタとAKIRAを足した感じの作品。
2022年1月16日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
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例えば、感情の「怒り」を表現するとき、シーンに合わせた「怒りのパターン」からチョイスし、技術的な見せ方でもって表現をしている雰囲気。そこには、左脳的な配置でキャラクターが動いているようすで、どうも感情移入が難しい。 「見やすい」のだろうけど、キャラクター全員が足りすぎていて「足りない」。キャラクターとして欠けている部分がないから、面白味がない。誰でも頂ける料理のような、好かれる料理のような、クセのない映画。 制作者の心情が現れているのは「線の多さ」。ジャケットのヒロインの髪の「線」が多い。その分、表現できるのかもしれないが、線の多さがそのまま不安の多さを語っているようで、映画をつくるプレッシャーを感じているようで、プレッシャーに押しつぶされそうになりながら作った感がみえて、すこし痛々しい。大看板のジブリがちらつくなら、なおさらだと思いますが。 人間味という部分を表現しきれずに、テクニカルでカバーした現代の映画。たばこ吸って絵描いてたアナログな監督とは相反する作り方なのか。今後このスタジオなりの作り方が確立できて、きちんと人間らしい、人間くさい人生経験が制作者に伴えばジブリを超えることもできると思う。超えていかなければ意味がない。今後に期待。
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