メッセージのレビュー・感想・評価
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見事な作品
今や名監督の仲間入りを果たしたドゥニ・ビルヌーヴ監督作品。邦題の「メッセージ」を考慮するとエイリアンが人類に何かを伝えに来たのかと推測出来るが、それは間違ってはいないものの、その伝え方に脱帽である。ふと思ったが、伝えた側の人間側がアホだったら無駄足に終わっていた可能性を考えてしまう。基本はエイリアンの研究がベースとなっている物語なのだが、一歩ずつの進歩がある、つまり彼らとの繋がりが強くなるに連れ、主人公に幻想のような物が現れるのである。これが後々のストーリーに生きてくるのだが、「そう来たか」という展開である。
壮大なスケールの中で緻密に描かれる描写の数々は、ドゥニ・ビルヌーヴ監督ならではの表現力なのだろう。彼はなるべくして監督になったのだろう。点と点が繋がった時に明かされる様々な事実。冒頭からのシーンで観客は、主人公は過去に何かあり、孤独な人生を送っているのではというある程度の先入観が残るが、それが見事なまでに裏切られる。感動と同時に鳥肌が立つのを覚えた。ゆっくりと進む物語だが、その中で重要なシーンが差し込まれており、全編を通して目が離せない物となっている。ラストは観客がその後のあれこれを各自想像する様な形でエンディングとなる。一人で観て考えるもよし、誰かと意見交換をするも良し、久しぶりに時間をかけて考えたい作品だ。色々な人に観て欲しい。
ミステリー小説のような緻密に練られたSFシナリオ
物語の冒頭から中後半までのミスリードにまんまとやられました(笑)
突如地球に現れた宇宙人たちの目的を探るため、言語の通じない宇宙人たちとコミュニケーションを取るよう試行錯誤する主人公の言語学者と数学者の話です。
この試行錯誤の部分や、宇宙人、宇宙船の設定がSF映画好きには刺さります。
邦題にもなっており、作中重要になる「宇宙人から人類へのメッセージ」は固定概念や常識を覆し、後半それが明らかになると一気に物語が収束していきます。
その感覚はアガサクリスティーの事件簿を読んでいるかのようなサスペンスであり、ミステリー小説の持つ面白さがありました。
思い返してみれば、宇宙人のメッセージに関わる重要な伏線はいくつかありましたが、緻密に練られたミスリードと演出にまんまとハマり、それらをもう一度確認したくなるという意味では、もう一度見たくなるような映画です。
ただしオチが重要な映画であるため、ネタバレ無しの初見の視聴が一番楽しめるのは間違いありません。
ここ数年の映画のトレンドとなっているSF映画の多くは「特定の空間内で、個人が過去と向き合いつつ独自の宇宙演出とSF設定で魅了する」ものですが、
そんなトレンドを取り入れつつミスリードに利用し、SFアクションとは一線を画するSFミステリー映画として巧みに練られたシナリオは必見です。
固定観念を覆す
久しぶりのSF
個人的にはインデペンデンス・デイとかゼロ・グラビティを想定していたが・・・
全然違った!!
最初は・・・
子供を亡くしたのか、かわいそうに
父親は数学が得意、がちがちの理系か
なんて、主役のルイーズの回想シーンや夢の中に差し込まれるたびに
思っていた。
そして、「柿の種」のような「ばかうけ」のような、お菓子の形に似た宇宙船、
そして中にいる異星人とコンタクトをとり、地道なセッションを重ねながら、
異星人が地球にきた目的を探るのだが。。。
そして、展開が急転する。
「武器??」
そう、異星人は
「offer weapon(武器を提供する)」
と伝えてきた。
いよいよ、宇宙戦争か?
でも、異星人に敵意、戦う様子は見られない。
むしろ、爆弾を仕込まれてもルイーズ、イアンを助ける。
「武器」ってなに?これまた考えさせられる。
サピア=ウォーフの仮説という論文を読んだと、イアンが話し始める。
話す言語がその人の価値観を決めつけている、というもの。
新たな言語を身に着けることで、世界観や人生観が変わるんじゃないか、という説
言葉、言語が武器??
もう理解できない!!!
そんなときに、まさか時間の流れが??と気づいたのは、ルイーズの一言
「この子はいったい誰??」
これで謎の一部が解けた気がした。
時間って上から下、前から後ろに流れるもんじゃないのか。
まさか、その流れに逆らう、もしくはなくす、そんな概念?
頭カチコチの私には理解できたようで納得できない(笑)
ことごとく固定観念が覆された。
そう、あの娘の回想シーンは未来を見ていたのだ。
ま、結局はルイーズが予知能力に目覚めたというか、
未来を知ることができるようになったおかげで、
いろいろな謎を解き、宇宙戦争も回避できたわけだが。
その後の人生も見えていながら、すべてを受け入れていった、ルイーズ。
現代社会でも先が分かっているようで、何もできないことって、
あるよね。
映画を見終わっても、エンドロールが流れる中、頭の中がグルグル。。
最近のSFってすごいな。
あと、三回ぐらい見ないと、すっきりしないかも(笑)
タイトルなし(ネタバレ)
緊迫感のある映像 情緒をゆすぶる音楽 楽しめる作品でした。
個人的には植民地化のプロセスとして人類に言語を学習させることを目的として現れたエイリアンとコンタクティの出会いを描いたものとしてみました。恐らく中国の将軍?の奥さんも同様なコンタクティであり、死の間際に言語学者の女性から電話があることを予言していたのではないかと思います。「三千年後助けてもらう為」と言っても、奴隷化した人類にある意味助けてもらうということでしょうね。「助けてもらう」という言葉で女性を懐柔するとはなかなかです。この映画を見ている人も人エイリアン救済の糸口とでも見たのではないでしょうか?『言語帝国主義(げんごていこくしゅぎ)とは、ある地域で特定の外国語が、その政治・経済・文化・軍事力により圧倒的な影響力を持つこと。』(ウイキペディア)いずれタコの言語が人類のそれを凌駕するとき平和的な侵略が完結するそれが三千年後ですよ、という今までにない切り口。言語を侵略の武器として使うというのはSFとしては斬新。戦後沖縄でも島言葉を使うと大和人に罰せられたのだもの言葉は怖いのよ。ざっくばらんに言ってしまえば、第一助けてもらいたいと願うテクノロジーも人類のそれより進んでいると思わしきエイリアンが人類の言語をあらかじめ学習していないとはありえない、未来では人類の言語も理解しているはずで、わかっているのに使わない意図はやはり人類に対する優位性の誇示であって・・・・なんてね。
面白いからぜひ見ようね。
ニュータイプとは
見に行って良かった。
最後少し手前のルイーズとシャン上将が晩餐で会話するシーンで思わず涙が出てきた。本来泣くようなシーンではない様に思えたが、時を超えて人が分かり合える。そのシーンに未来を感じた。ガンダムでのアムロとララアがお互いに理解できたのもそういうことだったのか。ララアは、時が見えると言った。ニュータイプになるとは、きっとこういうのではないかと思えた。
想像を超える傑作
評価が分かれているため躊躇していましたが、見にいって正解。私の好みの作品でした。ビルヌーブ監督の芯の通った演出は今回も思う存分に魅せてくれます。
冒頭の娘とのシーンから不思議な感覚に。そして物体の出現からその先へとの展開は語りが少なく、そのおかげで神秘性、えも言われぬ感覚に、ぐいぐいと惹きつけられていきます。胸の鼓動を押さえ、息を殺して見守る、いったい何が起こるのか・・・。これだけで作品の醍醐味を十分に堪能。
そして後半の意外な事実。これを知ったときに散りばめられたピースが一気にはまり鳥肌が立ちそうに。あぁなんて切なくも美しい物語なんだろう。そしてこれを際立たせる詩的な音楽と映像。
想像していたエイリアン物とはまさに一線を画する深みと味わいのある哲学的なSFでした。
いい意味で
難解な映画です。
素晴らしい映画だと思います。
しかし、わかりにくいところはあると思います。
もう少しわかりやすくはできたのではないかなと、、。
あまりの起伏のなさに、寝てしまってる人がいましたが、私はあっという間の2時間でした。
インターステラーとかとは、比べるべくもなく、良質な映画だと思います。
デートで行くような映画ではありません。
エイリアン、やっぱりこんな感じかーという感じでしたね。
“言語で思考が変わる” かぁ。
予告で期待していたのに、あまり評判も良くないものの、やっぱり見たくて観て来ました。
観てよかった!おもしろかったー。
エイリアンの派手なのを想定している人にはがっかりかもしれないが、(隣のおじさんのいびきにイラっとしました)エイミーアダムス、ジェレミーレナーと渋めの俳優で揃え、リアルな演技で魅せてくれた。エイミーアダムス好き。
静かに佇む宇宙船。異質感があり、映像だけでそこにあるべきではないものと浮かび上がっていた。
『言語で思考が変わる』なんかわかる気がする。
ステキだけど、つらい人生が待っている。つらいとわかっていてもそれを選ぶんだって。
いろいろと考えさせられた。
最近のSFは
レビュー
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