35年目のラブレター : 特集
結婚35年目、読み書きができない夫が最愛の妻にラブレ
ターを書いた――感動実話に試写でとんでもない絶賛の
嵐→噂を聞きつけた映画.comが実際に観てきたら…“全
員に見てほしい”良作だった/忖度なし正直レビュー
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笑福亭鶴瓶が主演し、原田知世、重岡大毅、上白石萌音と共演した「35年目のラブレター」(3月7日公開)。同作は全国各地で多数の試写会が行われており、観客からは想像以上にとんでもない数の“絶賛の声”が飛び出していました。
ひと足先に観た観客の“声”にひきつけられて、良作を探し求める映画.com編集部も、早速鑑賞することに。描かれるのは、ある夫婦の“感動の実話”――。
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これから、作品に抱いた“思い”を忖度なしで率直に伝えていきます。が、最初にひとつだけ。正直、観る前はやや身構えていたものの、それでもなお、どうしようもなく感動させられることに……だから、可能な限り多くの人に届いてほしい、そう強く感じた映画でした。
【実際に見た映画.comユーザーは、とにかく絶賛】
「感動の言葉じゃ足りない」「人生で一番泣いた映画」
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映画.comの感想の前に、試写会で鑑賞した人々の“声”をご紹介しましょう(作品の概要とあらすじは、予告編をチェックしてみてください)。
●まずは、感情をとことん揺さぶられて、涙、涙、涙……の感想!
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「普段恋愛映画は観ないし、そもそも映画で泣く事も少ないけど、本作は純粋に大号泣」
「本当に号泣だったし、感動したって言葉だけじゃ物足りないくらいに良かった」
「最初から泣いててあっと言う間に終演 100億点」
「人生で一番泣いた映画になりました」
●次は賞賛が集まった俳優陣の演技について! 西畑夫婦の“絆”を体現→「素晴らしかった!」
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「優しい皎子さんとちょっと子供っぽいけどお茶目で笑顔が素敵でかわいい保さん。鶴瓶さんと原田さん、重岡くんと萌音ちゃんこの二組のご夫婦が本当にピッタリ」
「萌音ちゃんの皎子さんから知世さんの皎子さんになることが違和感なさすぎて素晴らしかった!雰囲気も何もかもおんなじ人間だった!完全に!」
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●泣ける“だけ”じゃない! 心をあったかく包み込む“ストーリー”にハマった人、続出
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「文字を書いて人に伝えることの大切さを改めて感じました。何度も推敲して文章を書いたことは今まで一度もなかったので、一度きちんと向き合って文章を書きたいと思わされました」
「観ただけで優しい気持ちになれる、誰かを想いたい、大切にしたい そう思える素敵な作品」
「感動をやたらと押し付けるわけではなくじわっと心に沁みる作品でした」
「私の周りの全てに『ありがとうさん』って伝えたくなりました」
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本作を鑑賞して紡がれた“感想”はこれだけではありません。全国各地に感動の輪がどんどんと広がっている最中なので、ここでは紹介しきれないほど。鑑賞した人々の“生の声”をもっともっと知りたい方は、以下のリンクで確認してみてください。
【正直レビュー】映画.com編集部が実際に観てみた!
「『物語』として完璧」「『観る』だけでは終わらない」
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全国各地から届いた“声”を読み込んでいると、かなり多かったのが「公開されたら、また観に行く」という“声”。既に“リピーター宣言”をする人が出るほどの映画的魅力――どれだけ良作なのか? 自分も感動できるのか? めちゃくちゃ気になりますよね?
ということで、その真価を確かめるべく、2名の映画.com編集部メンバーが作品を鑑賞! 忖度なしの正直な“感想”をお届けします!!
●筆者紹介
●相手のことを“丸ごと”愛していく こんな関係を誰かと構築することができたら何があっても“幸せ”
人が恋に落ちるのは、きっとその相手のいいところを知り、そこに惹かれていくから。では、人に愛おしさを感じる時は? それは、相手の少しダメな部分を知っても、それすらも許してしまえる時なんだと思います。
今作の保と皎子も、お互いの人柄や笑顔に惹かれあっていきます。この部分も素敵だと思うのですが、保がネズミが苦手だったり、皎子がたこ焼きで不貞腐れたり――そんな中でも確実に愛を育んでいくのが、画面から伝わってくるんです。
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そして、保が読み書きができないとわかった瞬間も、皎子は戸惑いながらも“この人を支えていこう”と決心する。その姿にシビれました。「こんな関係を誰かと構築することができたら、何があっても幸せだろうな」と思っちゃうほどです。
●人はいつからだって「勉強」ができる 学ぶことの尊さを再認識し“勇気”も貰いました
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少し脱線しますが、2024年秋ドラマで一番好きだったのが「宙わたる教室」でした。このドラマでは定時制高校を題材に学び直しの機会を得た人々を描いていました。“学ぶことの尊さ”と“知ることの楽しさ”に視聴を通じて胸を熱くしていました。
「35年目のラブレター」で描かれるのは「夜間中学」。学びの再チャンスを与えてくれる「夜間中学」という制度自体を初めて知りました。教育を受けられることは当たり前――そんな風に考えていた私には、保のような境遇が衝撃的でした。
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60歳を超えてから新しいことを学ぶ――これは想像を超えるほど過酷だと思います。でも、保は目標に向かって、どんなに長い年月がかかっても根気よく学んでいきます。この姿、いやいやながらも勉強に取り組んでいた小学生の私に見せてあげたい。こんなにも人は学ぶことに真摯になれるのかと。今からでも目標をもって何かに取り組んでみたい、そんな勇気をもらうことができました。
●これが実話!? あまりにも「物語」として完璧すぎる 2人が“実在している”→これだけでも感動だった
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何よりも驚いたのが、これが実話だということ。「物語」として完璧。ある瞬間に実話だということを知って、あまりにも驚いてしまって、一瞬涙が引っ込んでしまったほど(勿論、その後は“涙再開”)。
読み書きができない夫を支え続けた妻。そんな妻に感謝の言葉を常にかけつつ、ラブレターを書くために一から学び直す夫。そんなフィクションの中にしかいないような素晴らしい2人が“実在している”――これだけでも感動です。
そして、愛と悔しさを原動力に、どんな苦労も乗り越えようとする“人の強さ”をリアルに感じとることができました。人と人がつながっていく中で、自分の思いを言葉に紡ぐこと。それを人に伝えることの大切さを、心の底から実感した映画です。
●筆者紹介
●書いては消し、書いてはまた消し、でも少しずつ前へ、前へ――直筆の手紙に人生を封じ込めることの難しさと愛おしさを実感
本作を観終わった後、すぐさまこう思ったんです。「手紙を一筆したためてみよう」と。そう、この映画には“人を行動に移す”力がありました。保さん同様、まずは妻へ――と鉛筆を持って、紙に向かう。でも、一向に筆が進まない。PCやスマホに搭載されたキーボードで“言葉”を瞬間的に、そしてライトに消費してきた弊害に思わず頭を抱えました。
だからこそ、保さんの「書いては消す」という姿が印象に残ったんです。“35年分の感謝”を伝える――胸の内に蓄積された“言葉”を取捨選択し、しかも数枚の手紙という限られたスペースのなかで最適解を見つけていく。リライトの度に、皎子さんへの“蓄積された愛”の膨大さに打ち震えてしまったんです。
手紙は、過去の思いと出来事を「現在に綴る」行為。これが物語に呼応していく構成も本当に上手くて――。過去の思い出と今の出来事が並行して描かれ、やがて映画的表現で奇跡的に交わっていく。この飛躍にもグッときました。
●西畑夫妻のキャスティングが天才的ですね、これは……!! 1972年に生まれた“夫婦の空気感”が、2007年でも変わらないという凄さ
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キャスティングの妙にも唸りまくり。キャスト発表時に「あまり似ていない?」と思った自分を恥じています……だって、それほどの“ハマリ具合”だったから。
重岡大毅&上白石萌音がはつらつと、そして情感たっぷりに構築した“若き西畑夫妻”の空気感を、笑福亭鶴瓶&原田知世が真摯に、そして柔らかに受けて、自身のモノとしている。彼らの笑い顔や泣き顔、相手のことを“想う顔”――しっかりと見てください。確かに同じ人生を歩んでいることがわかるはずですから。
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しかも、西畑夫妻を取り囲む人々もこれまた良くて……ただの脇役ではなく、西畑夫妻のかけがえのない人生に“溶け込んでいる”点が、本当に、本当に素晴らしかった。
●この映画、大切な思いを「書く」だけでなく、相手が綴った言葉を「読む」ことの素晴らしさも思い起こさせてくれたんです
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そして、この映画は「書く」ことだけにフォーカスするのではなく、相手の“思い”を「読む」ことの美しさも描かれています。この要素が抜群に良くて、胸が締め付けられ、層のように折り重なっていった“感動”が一気に決壊。
普段の会話からは窺い知ることができない、その人物の心の奥底に秘められたもの――“裏側”の思いを知ることで、“表側”の愛がさらに、深まっていく。手書き文字の受け渡しというプリミティブな方法だからこそ“真心”が伝わっていくという“当たり前”を再認識しました。
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この原稿を書き終わった頃、僕は再びペンを握ると思います。白紙に向き合って、頭を掻きむしりながら“言葉”を紡ぐ。そして「返事」を待ち望む。改めて「観る」だけでは終わらなくなってしまう作品だと思いました。
【結論】試写会に溢れかえっていた“多くの人に見てほしい”という声――映画.com編集部も同じ気持ちになりました “あなた”の心を豊かにする映画が劇場で待ってます
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以上、「身構えていたけど、感動に抗えなかった」というレビューをお届けしました。ちなみに、試写会に参加した人々は、こんなことも語っていました。それは「多くの人に見てほしい」ということ。
実際に作品を鑑賞した映画.com編集部メンバーも、いまでは同様の思いです。それほどまでに高い“作品力”。すっかり本作のファンになってしまい、周囲の人たちに「良作だから絶対に見てほしい」と伝え回っています。
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