裸足の季節
劇場公開日 2016年6月11日
解説
北トルコを舞台に、自由を求めて古い慣習から抜け出そうとする5人姉妹の運命を瑞々しいタッチで描いた青春ドラマ。10年前に事故で両親を亡くし、祖母の家で叔父たちと暮らしている5人姉妹。厳格なしつけや封建的な思想のもとで育てられた彼女たちは自由を手に入れようと奮闘するが、やがて家族が決めた結婚相手にひとりずつ嫁がされていく。トルコ出身の新人女性監督デニズ・ガムゼ・エルギュベンがメガホンをとり、デビュー作ながら卓越した構成力や美しい映像が世界各地の映画祭で高く評価された。第88回アカデミー賞外国語映画賞にノミネート。
2015年製作/94分/G/フランス・トルコ・ドイツ合作
原題:Mustang
配給:ビターズ・エンド
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2021年12月28日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
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ー トルコは、もっと女性の人権が尊重されている国だと思っていた。けれども、今作を見る限りではそれは首都イスタンブールに限られた事であり、田舎ではそうではないようである・・。-
◆感想
1.物語は、美しき5姉妹のヤンチャな末っ子ラーレが、担任の女性教師ディレッキがイスタンブールへ移る別れのシーンから始まる。
2.その後、5姉妹は男の子たちと地中海の海辺で戯れるシーンが映される。普通の青春映画のようである。
3.だが、その姿をみていた年配の女性ペテーキが彼女達を育てている祖母(両親は居ない。)に告げ口した時から、
・クソ服と彼女達が呼んでいる、茶色い服を着させられるわ
・処女検査!をさせられる、ソナイ、セルマ、エジェという5姉妹のお姉さんたち。
- オイオイ、女性の人権をどう考えているんだよ!年頃の娘さんに処女検査って・・。-
4.ソナイ、セルマは時折、夜密かに脱出するが、鉄格子を窓に嵌められ、外に出れない。学校にも行けない・・。
5.イスタンブールで行われるサッカーの国際試合を見たい、ラーレ。姉たちとバスに乗って出かけようとするが・・。
- ここで、彼女達をトラックに乗せる若者セシンが、この後、重要な役割を果たす。そして、イスタンブールのサッカー場では女性達が応援している中で、5人姉妹の姿がTVに映し出され、祖母が行った事・・。-
6.悲劇は突然起きる。自由恋愛を禁止られたエジェの自死。ソナイ、セルマは叔父が決めた結婚に同意するが・・。
<ヌルとラーレは、幼きゆえに、旧弊的な男尊女卑思想が耐えられなかったのであろう。セシンに連れられ、イスタンブールへの脱出を図る。
彼女達の勇気ある、自由を求めての行動には、心打たれる。
そして、ラーレが大好きだった元担任の女性教師ディレッキの家を探し出し、深く抱き合うのである。
資料を見ると、今作の公開は2015年である。
トルコでは、未だ唾棄すべき男尊女卑思想が蔓延しているのであろうか・・。
暗澹たる気持ちになるよ・・。>
2021年5月5日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD
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トルコの田舎町で暮らす5人姉妹の物語。
古い慣習のせいで、自由のない彼女たち。
男子と水遊びしただけで、外出禁止。
厳格な叔父は、監獄のように家を塀や柵で囲い、家の中では良妻養成が始まる。
結婚には純粋でなくてはならないために、処女検査まで行わされ。
肩車が淫らな行為?ふざけんなって言いたくなる。
とにかく、彼女たちの抑圧された姿は見ていて苦しい。
そして、1人、また1人とお嫁に貰われていき…
伝統や慣習の線引きって難しいですね。
これが昔からのこの地域での作法だと、守ることもできるけれど、時代に合わせておかしいところは修正、というか、統一というかを、していかなければならない。
基本的に男装女卑なんですが、婿側にも決定権ないように思いました。
「息子に代わって婚礼」ってなんだよ。
結婚しても見られながらの初夜って…
出血ないから処女じゃない?
必ず出血あるわけじゃないでしょ。
🍒の自分でさえわかるわ。
ただし、これは末っ子ラーレの勇気の物語。
みんなで行ったサッカー観戦(ここのエミネ叔母さんはナイス!)、嫌々ながらよくしてくれたヒーロー・ヤシン、そして、最後のハラハラ脱走計画。
もう、5人で集まることはできないけれど、彼女たちのちょっとちょっとの反抗が、大きな力になることに、こちらが勇気をもらいました。
ハッピーエンドで本当良かった。(次に胸糞映画観る予定というのもありますが、)バッドエンドなら、軽く病んでました笑
人は清くあり続けることはできない。そもそも清いとは?
抑圧されれば、なおさらのこと。
自分の話で申し訳ないが、自分も気づけば性に目覚めていた。誰に言われるでもなく。
これは決してトルコの田舎町だけの話でなく、とても身近な話なんだと感じました。
2018年11月22日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
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ソナイ、セルマ、エジェ、ヌル、ラーレの5人姉妹。男子たちと海で騎馬戦などやっていたことを近所のおばさんが密告したため軟禁状態となった。主に料理ばかりだったが、退屈な毎日。末っ子のラーレ(推定13歳)はサッカー好きなため、女性子供デーとなった試合を観に行きたくてしょうがない。他の姉妹もつまらない日常から抜け出したくて5人そろって家を抜け出し観に行ったのだ。それがきっかけで軟禁状態も厳しくなり、さっさと結婚させちゃえ!ということになった。
2人は決まり嫁に出たが、残された3人のうちエジェにも話が持ち上がり、ひょっとしたことからエジェは銃で自殺。そして、ラーレは1000キロ離れたイスタンブールまで逃げることを計画する。運転を覚え、脱走。そしてバスに乗って逃げおおせたのだった・・・
トルコの古い習慣、封建的な思想と男尊女卑の村。閉塞感ただよう中で殻を打ち破りたい衝動はよく伝わってくる。処女性については余談のような気もした。
2018年9月6日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD
少女達の青春のきらめきと、自由への咆哮が主題。
冒頭の下校のシーンは眩しさに目が眩むような美しさでした。
反骨精神の権化のような姉妹で、胸がスカッとします。
後半にかけての鬱屈した雰囲気も好きです。
進まないストーリーの中で気怠く過ごす姉妹の美しさが目に毒です。
とにかく彼女たちの関係性も含めて、背徳的なまでに美しい姉妹でした。
自由を求める叫びが聞こえる様な映画でした。
たしかに彼女たちは吠えています。
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