ルームのレビュー・感想・評価
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再生の物語
演技・演出ともに素晴らしかった。監禁ものと言っても単なる暗い話でも怖い話でもなかった。
監禁中や脱走時の犯人とのシーンは手に汗握るが、メインはそこではないと思う。
視聴者は、息子ジャックの目を通して世界の見え方が変化してゆく様を体験する(ジャック視線の映像が秀逸)。
監禁小屋内での生活は、もちろん悲惨極まりないが、そればかりでもない。ジャックにとってはこの時点ではここが世界の全てであり、母子二人の仲睦まじい生活は時に微笑ましくさえある。
脱出後、二人に新たな試練が訪れる。母ジョイは、背間の好奇の目にさらされ、失った時間の大きさを思い知らされ、息子に向けられる眼差しにも傷つけられ(実父、マスコミ等(あのインタビューはひどい!))次第に心を病んでゆく。
一方、ジャックは当初は戸惑うものの、やがて母以外の人間にも心を開いてゆく。
前半は母が息子を守り抜き、後半は息子によって母の心が救われる。
ラストシーンで、二人は監禁小屋跡を訪れる。ジャックは部屋のもの一つ一つに別れを告げジョイにも促す。母の背中を押したのだと思う。人は過去をなかったことにはできない。向き合って乗り越えるしかない。
掘り下げ方が…
子役の自然さはスゴイと思ったけど、どうも掘り下げるポイントが新鮮じゃなかった。数年間閉じ込められた人間の苦悩と再生を描くなら、もっと実生活での苦しみを描いた方が良かったんじゃないか?ある意味、セリフでの説明になっている気がする。
やるんだったら、誘拐されたところからドラマをスタートさせて、逃げられない精神的な苦悩、出産からの希望、脱出からの日常生活においてのトラブル…と描いた方が面白くないか?少年の視点で描くにしては脱出してからのエピソードが薄い気がする。
これは凄い
観に行く前から面白そうだとは思っていましたが、想像を超える作品でした。
何より2人の演技が素晴らしかった。
ストーリーとしては、監禁というのが大筋ではありますが、その後にも焦点が当てられていて、二段構成になっています。
監禁中のジェイコブ君の演技も良かったですが、脱出後はさらに良かったです。本当に外を見たことがないのでは?と錯覚するほどの演技力でした。
間違いなく今年一番の作品です。
大人と子どもの見ている世界は違う 世界は広くて大きいんだ って事を...
大人と子どもの見ている世界は違う
世界は広くて大きいんだ
って事を実感していく
だから時間が足らないって言葉響いた
大人は、「急いで、早く」って
そうだよー、言っちゃう
子どもは色んな事を吸収していって
適応していくんだ
辛い思い出だけどそれが全てだった
最後、さよならするとこ!!
号泣。。
親はなくとも
特殊な環境下で育った子供の成長物語
ルームという狭い世界から出た子供、もちろん周囲は心配するし、本人も適応できていなかった・・・すぐには。
どんどん適応していく姿には、最初、外のことなんか知りたくないといって泣いていた面影はもはやない。
むしろ母親のほうが適応できなかった。が、そんな母親を理解し、応援する姿には、ただただ凄いと感心させられる。
”大人”にお勧めする作品です。
結構現実的な話でしたね
時々本当に起こる何年間監禁されてましたもの。
その部屋から助けられたとき、幸せが待っているはずなのに。。。
冷静に考えると「そりゃ周りの見る目があるよね」ってなりますね。
ただ、映画なのでそこは劇的に感動的にするのかと思っていたら、そのまんまお母さんは病んじゃうから「あらっ」ってなりました。
子供の方は適応力が早くここも現実的だなぁと思います。
子役がすごく可愛くて話自体も面白かったけど、感動はしなかったですね。
感動したくて観に行った作品だったのでそこは残念でした。
構成がうまい
監禁されている状態からどうやって脱出するのかというストーリーで終わらせるのではなく、むしろその後のケアについてまでしっかり描かれた作品でした。この2段構えによりまったく飽きることなく、画面にくぎ付け。
前半の監禁シーンでは精神的・肉体的な痛みが見えてくる。しかし辛い中にも希望を描く細やかさ。しかし、後半では周囲との関わりによって変わってゆく心情が痛い。希望の中に辛さが描かれる。当事者目線をしっかり捉えたストーリー展開は絶妙で、母と子の果たして何が幸せの形なのかを問いかけた秀作です。母子の演技の素晴らしさ、カメラワークも見事でした。
子役の子が可愛い映画
7年間監禁されていた母親が、ましてや自殺未遂した後、あのルームに戻るときに普通に立って、byeなんて言えるわけがない。立ち直りに向かう過程が早すぎで、現実味がなく感じた。それでも、部屋の外はテレビの空間だと教えて育ててきたという設定や、子役の子の演技と可愛さには賞賛!鑑賞者の心を動かすには十分だったと思う。母親の描きかたが難しいところだとは思うが、7年間の監禁の歴史や重みがあまり感じられなく、薄っぺらい物語に感じてしまった。
子役の子が素晴らしい!外の世界に徐々に馴染んでいく感じ。自由になっ...
子役の子が素晴らしい!外の世界に徐々に馴染んでいく感じ。自由になってからの母子の苦悩、想像を絶する。
あと、出てくる動物も印象に残った。
おじいちゃんの行動は理解できなかった。
好きではない
最初のシーンから、狭い部屋のシーンより始まり息苦しくなりました。
只々、犯人に対する憎悪がこみ上げてきますが、逮捕されても
その後は、触れられず、親子と祖父母との生活が淡々と進みます。
そして少し、事件の呪縛から溶けかけた所で、映画は終わります。
この映画から得られるものは、拉致されないよう気を付けること位でしょうか。映画なら、もっと魅せるシーンがあっても良いのでは、ないでしょうか。
子役君が最高!!
息を飲むような、二人だけの世界。
彼女は、可愛い息子に、ルームの、世界を、当たり前のように、楽しませて成長させたのだと。
彼女が、再び奮い起ったのも、やはり、息子の為だったのでしょう。
葉っぱには、若葉も、枯れ葉も、有ることを、頭の良い彼に、教えてあげたかったのか?
いろんな、意味で、怖い話でした。
そして、息子君の知りたい気持ちや、新しい物を、感じる喜び、そして、何より、唯一無二の母親への愛を、あの年で演じてたなんて、なんて、凄い子役君なのでしょう。
私が、一番、涙したシーンは、おばあちゃんのことも、大好きと、言ったシーンでした。
彼は、母親以外の誰かも、愛せる心に育ってました。
今年一番作品でした。
ルーム
2016年18本目の映画鑑賞。
7年間もひとつの部屋に監禁されているジョイと、
その間に生まれ、
部屋の中しか知らない5歳のジャックが辿る予測不能の運命が描かれてます。
映画は前半のインサイドと後半のアウトサイドの2部構成になってます。
チラシを見る限り、サスペンス映画だとは思ってませんでした。
チラシの背景をよく見ると、
外に見えて部屋の中になってます。
なるほど。
どうやってこの部屋から脱出するのか?
想像を超える方法での脱出でした。
ジャックの数少ない言葉で、
監禁された場所を見つけるのは凄い。
脱出してハッピーエンドだと思っていたら、
前半よりも大変な展開でした。
ウイリアム・H・メイシーをもっと見たかった。
とにかく涙が止まらない映画です。
生まれ育った所から出ていく
出ていってから、それがどれだけ異様な所だったのかわかる。
でも誰にも話せない、わかってもらえないから、悲しませてしまうから。
子どもの強さ、柔らかさ、智慧が、自然によく描かれていた。子どもの母は、母であることで少なくともこの5年間生き延びてきた。
監禁されることがなければ、まだ大学生?
解放後の混乱は母を苦しめる。
ラストシーンは、過去の手放し。
しかし、演出、演技に観ている側の想像に委ねられている部分が多く、感動ではなく疲れが残った。
事件の最中と事件後の日常生活を淡々と
命懸けの脱出や犯人との対決に挑む被害者や、ずっと泣き崩れて暮らしてきた家族や友人などは出ないので、ドラマチックな展開が好みの人には向かない。
女性が7年間監禁されるという大事件の最中、被害者の女性は生きるため子供のために日常生活を続けた。被害者の家族は悲しくても日常生活を送るしかない。突然事件が解決しても、新しい日常生活のために被害者や家族たちは苦しんでいく。事件を理解できない息子にとっては、日常生活が定義から変わってしまう。
被害者の父、母、義父の孫に対する態度の違い、マスコミの正論だけどデリカシーの無い質問などが印象的。 暗い話だけど、ジャックがとても可愛かった。それだけが救い。
後からジワジワ来る
自分に置き換えたり、子を持つ親の気持ちで観たりと、色々な感情移入ができる。絶望的な環境の中でも、親子の微笑ましい日常生活があり、悲しみばかりではない。外の世界に出てからも、一貫した息子・ジャックの純粋な心に、母親始め大人たちも救われる。観終わってしばらくたってからも、心に残る作品。
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