ルームのレビュー・感想・評価
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暗いだけじゃなくて本当に面白い映画
こういうあらすじを読んだだけで滅入りそうな映画は避ける方多いと思います。
けど起承転結が本当にちゃんとしてて、かつ映像も美しく見せかたも上手。
暗い映画館で自分が「ルーム」に閉じ込められたような気分になり、凄く感情移入してしまった。
映像もずーっっと暗くて狭くて息苦しいものが続きます。
でも本当に見て良かった!と思える映画なのでぜひ鑑賞していただきたいです。
解決出来ない問題が山積み
あの狭い部屋から解放された後の物語として興味深く鑑賞出来て事件が一件落着でも被害者にソノ家族にとってはこれからが大変で解決出来ない問題の方が多くてハッピーエンドとは言い難い。
そりゃあ残された家族が必ずしも夫婦のままとは限らないし主人公の子供が犯人との!?現実に受け入れられない残酷な状況は否めない。
鑑賞前のネタバレ的な予告や解説のお陰で思ったよりもショッキングな場面に冷静な自分だったのが非常に残念でした。
Like a TV, but real. アカデミー賞納得の演技。感動作
観に行く前は重い映画だろうなっと覚悟を決めていたのですが、そんな事はない感動作でした!多分観る人の年齢や性別によって評価が全く変わってくるタイプの作品です。個人的にはボロ泣きでした。
異様な環境に育っても、そこで生まれ育った子供にとってはそれが全てですので、そこをおかしいとは思わずに適応してしまう。ちょっと違うかもしれないですがネグレクトのある環境の子供はハタから見れば可哀想ですが、子供本人にとってはそれが普通なわけで。ジャックが母親の為にそれはそれで居心地のよかった「ルーム」から踏み出して青空を見たシーンでは何故だか超泣けました。
そして世の中子供の方が柔軟に変化を受け入れ、大人になればなるほど環境の変化についていけなくなるのも事実。変化に少しづつ順応していくジャックに比べ、世間に対応できないジョイの気持ちも痛いほど感じました。その為、ジョイは自殺未遂してしまうのですが、自分だけが回りから置いて行かれた疎外感、子供の為を思っていた事の世間からの否定に耐えられなくなったのでしょう。最後にルームに分かれを告げるシーンで開放された気がします。
アカデミー賞を受賞したブリ―・ラーソンはもちろんの事子役のジェイコブ・トレンブレイ君が素晴らしい演技を見せてくれます。いや、これ本当にすごい才能ですよ。「ジェイソン・ボーン」シリーズで有名なジョアン・アレン、ウィリアム・H・メーシー等脇もがっちり固めてあります。そしてトム・マッカス演じるレオが良いキャラクターしているんですよね~。
重くなりがちなストーリーを子供目線を中心に持ってくる事によって上手くまとめてあります。色んな人に観て欲しい作品です。
後半、幼子の成長に希望を覚えるような作品かとも思えるが、その前には...
後半、幼子の成長に希望を覚えるような作品かとも思えるが、その前には演出上、恰も普通に感じてしまうような異常な環境があるわけで。
私的には"誰も知らない"や"Juno"の様に「演者が違っていたならばひたすら悲惨な物語だっかも」作品に数えられる、脚本とキャストが激マッチした作品。
住めば都
母親にとっては忌々しいばかりの「部屋」に帰りたいという子供の姿が印象的だった。
両手放しの大団円ではないけれど、これから少しずつ外に慣れ、幸せになって欲しいなと思える、あったかい気分で観終えることのできる映画だった。
大脱走。
この映画の山場とも言えるのが中盤の脱走劇。
入念に準備し実行。
それまでの健気な子供が精一杯頑張る。
精一杯よじ登り、ジャンプする。
そしてコケる。
ここで思わず息が止まった方も多いのでは?
そこからの婦人警官の快心の推理力で物語はカタルシスに包まれ、そっと優しく終わる。
終盤の散髪シーンで祖母に愛情を告げるシーンで、何かがどっと溢れた。
命って尊い。
世界は自分の中に存在する
子供はスポンジみたいに全てを吸収するんだなぁと。
知らないことも幸せだけど選択できることが自分の人生を生きることであることを知ってほしい。
ママも子供のままママになってしまい、母親にはなれても、大人?になれてなかったのが辛い気がした。
人は一人では生きられない。世界は自分の中にあっても、世間とは人と繋がらないと生きていけない。
そんな感じをうけた。
誘拐から脱出しても被害者の苦悩は続く
外国では監禁された少女達が発見されたり、日本でも少女が監禁から見つかったり、許されざる犯罪だと思う。最初は親子が監禁から脱出するまでの映画だと思ったが、子供が新しい世界に適応して行くのに、母親は周りのメデアや親たちの反応に傷ついて、自殺しようとする。それを助けたのが子供の髪の毛、母親を助けたい気持ちが痛いように分かり涙がでます。後半はもっと丁寧に描いてもらいたかったが良い作品でした。
ちょうど、監禁されていた女子中学生が自力で逃げ出したニュースと公開...
ちょうど、監禁されていた女子中学生が自力で逃げ出したニュースと公開が重なった。
男が女(多くの場合、少女)を監禁する事件は、昔からどの国でも起きているようだ。
そして、誰もが気になるけれど触れてはいけないと思っているのが、解放された被害者のその後の生活だ。
本作はそこにスポットをあてて、興味本意ではなく、母として生きていこうとする強い女性の姿を描き出している。
娘の生還を喜びながらも、犯人に生まされた子供を素直に孫として受け入れられない父親。
娘がいなかった7年間に、妻と別れて家を出ている。
娘が子供をつれて戻った家には、妻(母)が新しいパートナーと暮らしている。
娘とその息子、別れた父と母、母の恋人。
複雑な関係と複雑な事情の5人が囲む食卓で、「子供の顔を見て」と、娘に迫られる父親。
この食卓のシーンには心が痛む。
言われれば言われるほど、孫を直視できない。
複雑な表情で見守る妻(母)の恋人は、いわゆる好い人なのだが、そこにいる誰とも血縁がない唯一の存在で、だから冷静に寛容に事態を受け入れている。
彼は恐らく、男として父親の心境も理解でき、娘の悲痛な訴えも理解しているのだろう。
幼い少年は、母と祖父の確執は理解できないだろうが、自分が要因になっていることは知っている。
このシーンでは、事件がこの一族全員を不幸に陥れたことを示している。
さて、映画は終盤で主人公が固い決心でマスコミのインタビューを受け、これを契機に母子が現状を乗り越えて幸せな生活に辿り着いたことを示唆する。
しかし、インタビュアーの質問こそが我々が訊きたい下世話な質問であることは事実だ。
あの少年は、いつか自分の数奇な出生の事実を知ることになるはずだ。
だとすると、本当のその後はどうなったのだろうか…
本作観賞後、関連性はない是枝監督の「誰も知らない」を思い出した。
キーワードは「母の愛情」。
本作の主人公は、過酷な状況下で産み育てた息子に限りない愛情を注いでいる。
「誰も知らない」でYOUが演じる母親は、子供たちを置き去りにして男に走った、とんでもない母親なのだが、子供たちと一緒にいる場面では母親の愛情を感じさせた。
そもそも3人の子供は世間に隠した子なのだから、この時点で母親失格なのだが、学校に行かせられない子供たちに勉強を教えている場面では、子供たちを愛している良い母親だった。
このシーンを観たとき、果たして普通の母親たちがこんなに子供たちに愛情を注いでいるだろうか…と感じたものだ。
本作で、監禁部屋の中で息子を教育している主人公の姿に、「誰も知らない」の母親の姿が、重なった。
だが、この2作品の母親は同じではない。
責任を放棄した母親と、子供を守り抜こうとする母親なのだから…。
●終わりが始まり。
物語はそこで終わりじゃないんだよね。実際には。なかなか考えさせられる。
すこし気になったのは、大事な子供を危険な目に合わせるかなとか、男もなぜ自宅に埋めんのかとか。
しかし、特異な環境に生きてきた子供の視点が素晴らしい。見るモノ、すべて生まれて初めて。脱出劇はホントによくやった。でかした!と褒めてあげたくなる。
母親を取り巻く環境もリアルだ。残酷なまでに時間が経っている。だが彼女の時間は止まったまま。仕事とはいえ、マスコミの質問がエグい。壊れても仕方ない。
脱出劇がメインと思いきや、そこは通過点。心の傷の深さよ。
お父さんの態度、酷いんだけど何かわかる
始めの監禁は特に印象に残ってない。
脱出してからの方が、素晴らしいと感じた。
極限状態を経験したのは母と子だけではなく、
その両親もまた苦しんでいたということ。
何も無ければ分からないが、家族も微妙なバランスで
成立しているのかも
実の父親は、あまり良い役では無いが
あんな態度を取ることに、何となくわかるって感じた。
帰る際には、清々しい気分になった映画でした。
実話だったらよかった
前半「部屋」から抜け出すまでヒヤヒヤした。あの狭い部屋で生き方を模索し、7年間生き抜いた彼女は只者ではない。
脱出後彼女の友達は「普通」に人生を過ごしていたのだろう。彼女はそれに負い目を感じて病んでしまったのかもしれない。
しかし7年間の差などあっという間に縮まる。部屋から出てこの世界の素晴らしさに気が付いた彼女は今後いろいろなことを経験し7年間のハンデを埋めようと頑張るだろう。
これだけ世界は広いのに休日にボォと何もしない人は本当に何なんだろうか。学校へ行っているのに勉強しない人は何なんだろうか。人生何もしなくていいのか。
演出は僕好みだし(「ものすごくうるさくて、ありえないほどちかい」っぽい)、演技に迫力があった。ただ結局フィクションであるというところで大幅に説得力を落としている。そこが非常に残念。
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