ルームのレビュー・感想・評価
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映画の良さって・・・
ストーリーも役者の演技も良いけど、映画を見るという行為に対しての満足感がなかった。発想や目の付け所はいいんだけど、見た後に「だから何?」って言いたくなるような、物足りなさや釈然としないものを感じる。
監督は『FRANK』のレニー・アブラハムソンと聞いてなんとなく納得。なんか苦手なんだよなぁ、この監督。上手く言葉にできないのが悔しい。何だろうなー、何がいけないんだろう。
物語の良さと映画の良さって別物だよな・・・と思う作品でした。
話の設定を見たときに1つの部屋の中でずっと住み続け、生き続けられる...
話の設定を見たときに1つの部屋の中でずっと住み続け、生き続けられるのかと想像しただけで考えられなかった
その中で生まれ育ったジャックがすごい純粋で
子供を使って脱出しようと思うところがすごい
母子の再会のとき感動!涙でる!
テレビのインタビューのときの子供の幸せを考えたら病院とか孤児院の前に捨てる方がよかったのでは、確かにとも思うけど、大事な子供をそんなすぐに捨てるなんてかんがえられないし、どっちが幸せかなんてはっきり言って分かんない
ルームは見ててつらく苦しいときが多いけどそれでもこの映画を見たことはこの先ずっといいと思う
ニュースのその先
僕らがテレビで見るニュースでは犯人が捕まりました。そこまでしか分からないけど、被害者やその家族がそこから再生して行くことの大変さと、事件の解決などないと言う事が丁寧に描かれていたと思う。
狭い部屋での生活。そこから抜け出して、幸せなはずが何か居心地が悪い。
自分は被害者のはずなのに子どもにとって間違った選択をしたかのように責められ、自分の気持ちを分かって貰える人もおらず、両親は離婚し現実を受け止められず…と、犯人が捕まって「あぁ良かった…」なんて簡単に片付く問題じゃないんだなと、これからニュースの見方が変わるような映画だった。
7年も監禁され狼狽する母親の気持ちはとても分かる、あんなに地獄のような生活だったにも関わらず、息子と2人だけの方が幸せに感じだしたのではないだろうか?
命を絶とうとした事も自分勝手とは思わなかった。
全編暗いトーンだけど、息子の純真さが救ってくれる。子どもの純粋無垢な心に救われ、少しずつ適応して行く力強さに心が温かくなった。
子どもにとっては場所ではなく親と一緒にいる事が大切と言う演出も親としては確かにそうかもなと思った。
演技もとてもリアルでちょっとした仕草も本当に初めて世界を知ったかのようで素晴らしかった。
ラストカットには部屋から出て想像の世界から現実へ2人で前に進もうという意味が込められてると思うのだけど、それと同時に再生への困難な道を暗示してるようにも思えた。
「急いで、早くやって」「もっとペースを上げて」
映画「ルーム」(レニー・アブラハムソン監督)から。
生まれてから5年間、一度も監禁された「へや」(Room)から
出たことがない男の子が、なんとか脱出し外の世界に触れた。
その驚きは、私たちが何気なく生活をしている世界を、
とても冷静に観ている気がした。
「へや」はとても狭く「自由」という言葉は知らずに育ったが、
その分、いろいろ考える時間がたっぷりあったのだろう。
彼は、初めて目にした、外の「世界」をこう表現している。
「いろいろなことがドンドン起きて止まらない。
『世界』は、明るさや暑さがずっと同じじゃなくて・・
目に見えない菌が、フワフワしてる。」と。
さらに「『世界』はとても広いところだ。だから、時間が少ない。
バターみたいに薄くのびてるから、みんなこう言う。
『急いで、早くやって』『もっとペースを上げて』」。
私たちが、何の疑いもなく生活している「世界」は、
本当に「忙しい」。
のんびり過ごそうものなら、何を言われるかわからないけど、
せっかく、この作品の彼の台詞で気付いたのだから、
たまには「時間って長いな」と感じることをしたいな。
こどもって本当に真っ白。
子供がいる人が見たら間違いなく胸がしめつけられると思います。
5歳の子供のピュアで柔軟な事……。
何も知らない子供の方が、真っ白な絵の具の如く『世界』に溶け込んでゆけるわけで。
対する母親は、大人になりきれないまま成長し心なき周囲の言葉に傷つき、知らぬ間の両親の離婚に打ちひしがれる。
つらいよね、きっとつらいよね。
親にしか分からない感情を見事に演じきる主演ブリー・ラーソンに痺れます。
最後にジャックが取る行動に涙しました。
世界はこんなにも大きく、時折壁にぶつかる事はあるし周りに認められない事もあるけれど
自分の幸せは自分で選び、自分の力で前に進んでいくものなのだと教えられます。
子役くんの演技が素晴らしい 部屋から出てハッピーエンドでハイおしま...
子役くんの演技が素晴らしい
部屋から出てハッピーエンドでハイおしまいな話だと思っていたんですが、その後 閉じ込められていた2人の日常が描かれて、監禁されていたが故の弊害(主に自分たちが監禁されていた間に親が離婚していたこと、息子くんの世界に対する理解が通常と少し違って受け入れるのに時間がかかったり、TVのインタビューによって自分が息子にとって良くない選択をしたのではないかというママの葛藤など)がリアルに描かれていてとても良い映画だと思いました。
「子供が1歳になれば、親もまた(親として)1歳 」みたいなニュアンスの言葉がありますがまさにそれだと思いました。
親子で一緒に成長し支え合い生きている。息子くんにとっての拠り所がママであるように、ママの拠り所も息子くんにある。
きっとこれから先もあの2人には乗り越えなきゃならない問題が出てくるだろうけど、2人の力で乗り越えていくのだろうなと思います。
冒頭でも言いましたが、息子くんの演技が素晴らしい。 脚本や監督さんも素晴らしい点だと思いますが、5歳という自分の意思を持っていて考えて行動できるけれどまだまだ子供という部分がとてもリアルで感銘を受けました。
もう一ついいなと思ったのは、部屋に別れを告げることです。2人が部屋から物理的に解放されてからも どこかであの部屋のことが忘れられないという描写や心境が感じ取れていました。2人でとにかくいろんなことにチャレンジしようと決めて楽しそうに過ごしていたけれど、ふとあの部屋を思い出す。そして あの部屋を訪れる。
たぶん チャレンジの一環でありけじめなんだと私は思ったんですが、監禁されていたところとはいえ 頭の中で部屋での思い出が美化(とまではいかないかも)されていたことが「部屋は縮んだの?」というセリフから感じ取れて 、実際に部屋に訪れたことで現実を受け入れて過去と別れを告げる。
あのシーンを見てきっとこの2人は大丈夫だと思えました。
重かった……。
劇場に行く機会がなく、DVDにて鑑賞。
軽い気持ちでの鑑賞でしたが、重かったですね。
5歳の誕生日をママと一緒に祝い、“ママ”としか知らなかったジャックは、その時にママの名前はジョイだと知らされる。
実は7年前に拉致され、5年前にここでジャックを産んだのだと。
真実を打ち明け、ここから脱出することを試みる。
初めは失敗したものの、2度目の決行で ジャックを「部屋」から脱出させることに成功する。
外の、広い世界を初めて知ったジャックの戸惑いがメインと思いきや、ママのジョイのその後のトラウマによる葛藤が、観ていて苦しかったです。
息子を愛しているけれど、なぜ自分がこんなに苦しい目にあっているのか…
産まれたあとで、何故息子だけを救おうとは思わなかったのか…。
それは、息子のジャックが彼女の唯一の心の拠り所であり、生きていく全てだったからだろうと思った。
ジョイの実の父親は、レイプされて産まれた子供を受け入れることが出来ず、その場を去るが、母親は全てを受け入れたことで、ジャックの心を溶かすことができた。
ジョイもまた、ジャックの ママを思う心に再起を誓う。
最後は、監禁されていた「部屋」に2人で行って、ジャックが部屋にある物に一つづつ別れを告げるシーンで終わる。
ジョイにとっては、苦しい場所だが ジャックにとってはママとの思い出の場所。
でも、それらとの別れが正しいことを彼は知った。
ここで 冒頭、ジャックが部屋の物に挨拶するシーンから始まった意味が解った。
本当に胸が苦しくなる作品だった。
始めチョロチョロ中ぱっぱな感じでヒヤヒヤしながら見ましたが全体的に...
始めチョロチョロ中ぱっぱな感じでヒヤヒヤしながら見ましたが全体的に優しい視点でかかれていて、リアルではないですがお話として気持ちよく見終えて良い作品でした。
少年の中性的魅力が凄いw
再生への道は重くのしかかる
誘拐の衝撃に終始しない姿勢が素晴らしい。部屋で産み落とされた我が子が天使のごとく母親を導く展開の上手さ。本来守られるべき存在が、一個人として描かれ、親と周囲の大人を導き、苦しみから解き放つ。また良いものを観せてもらった。
7年間監禁された母と5年間部屋しか世界を知らない息子 葛藤や苦しみ...
7年間監禁された母と5年間部屋しか世界を知らない息子
葛藤や苦しみがいっぱい
脱出のときにはハラハラ、助かってって思った。
警官の女の人すごい。
もう1人の警官の運転手黙ってろ。笑
そうか。戻りたいか。
とにかく息子が可愛くて可愛くて。
部屋を出てからの、時間が流れてしまった、突き詰めてくる現実に苦しくなる母親。
ジャックにとっては、いつも優しかった母親との優しい時間が流れてた部屋が故郷になってしまっているのだ。だから、戻りたい。
そこがどうしようもなく切ない。
この親子が、外の世界で少しでも幸せな時間を過ごせますように。
監禁7年目、5歳になる息子の父親は犯人。
この題材なら、エンタメ的に美味しいのは悲惨な監禁生活と、そこからのドラマティックな脱出劇だろう。完全にスリラーの題材だと思う。でも、この作品はそこを目指さない。監禁中の描写も犯人より母子の生活に重点が置かれている。その部屋が世界のすべてだと教えられて育った5歳の子どもを丁寧にリアルに描いていく。
これが後半に効いてくる。脱出を決意した母親は、本当は部屋の外にも世界が広がっていることをわが子に教える。そんなちゃぶ台返しを、子どもは簡単に受け入れられない。当然、脱出後の生活の困難が後半の主題になってくる。だから、脱出までの展開は意外に早い。精神的には、脱出後の方がキツいくらいだった。
それでも、子どもにとってあの「部屋」が母とふたりだけの悪くない思い出になっている感じや、周囲の心ある大人たちに触れて世界を少しずつ受け入れていく様子にはグっときた。あの子役の演技たるや。ちなみに、観終えてから、フリッツル事件について検索してみたんだけど、正直やめておけばよかった。闇が濃すぎる。
脱出成功時は泣けてしまったのに
冒頭から狭いルームでの生活が“何か"伝えてくれる。
犬の散歩してるおっさんが反応しなかったらと思うとヒヤヒヤしてしまった。
しかし、解放されてからがこの映画の始まり。
被害者である若い母親と加害者の息子ジャック。
祖父、祖母と祖母のパートナー…娘が誘拐されこの様な結果で戻って来れても複雑過ぎる心境に揃って戸惑いを隠せない。
しかし、徐々に落ち着き取り戻して行く生活。
ラスト、ジャックがルームにやってくる。
彼にとって世界であったルーム。
「縮んだの?」彼の成長と本当の世界が広がった事を感じさせて映画は終わる。
暗く厳しい部分は控えめにしてくれたお陰で見易かった。
母親の苦しむ部分は自殺未遂を起こした為、作中には出てこないし、ワイドショー的下世話な部分が大嫌いな自分には良かった。
”リアルな世界” とは何か
「部屋」は、彼にとって「世界」のすべてだった。ジャックにとって、外の世界は宇宙だ。初めて本物の「空」を見た時の彼は、驚きと希望で満ちており、見ている側にも高揚感を抱かせる。
「こんなに世界って美しいんだ」そんな気持ちにさせてくれる映画だと思う。
ブリ―・ラーソン演じる女性の心の葛藤もリアルだ。「部屋」では、「母親」であることで保たれていた心が、「部屋」から出ることで、彼女は「母親」であり、性的虐待、監禁を強いられたひとりの被害者、「女性」であった。そして、彼女の両親にとって彼女の子供は「娘を犯した男の子供」でもある。
「部屋」から出たら、おしまい、なんてならないところが、まさにリアル。現実社会に生きる葛藤、葛藤に打ち勝つ希望を見事に描いた作品だったと思う。
その作戦でいくか
脱出モノ、母と子とくれば母親の気概を見せつけてくれるのかと想定するが、そんな安易な発想は見事に吹き飛ばしてくれる。ここにあるのは神経質な実存的な母親像。決して感じ良くない。愛情も欲するし、被害者意識も膨らむ、外面も気にするし、子供を気遣う余裕もなし。周りの設定や対応も実にリアル。母子に完全にフィットするような救済策を持ち合わせている訳でもない。大きなトラウマから時間をかけて立ち直っていく母子の姿を優しく見守る。最後のRoomに別れを伝えるシーンは名シーン。最初にはった伏線を見事に回収してくれる。
“ルーム”だけじゃない、この広い“世界”はあなたの為にある
評判に違わぬ傑作だった。
アカデミー賞の傾向からして作品賞は無かったが、最も心に残る作品である事は間違いない。
現時点で今年の洋画ベスト候補だ。
何の予備知識もナシに本作を見たらその異常な設定に困惑するだろう。
地下室のような狭い部屋に、若い母親と幼い息子の二人だけ。
母親ジョイは高校生の頃に男に誘拐され以来7年間も監禁、5歳になった息子ジャックはこの部屋で産まれた。
冒頭から緊張感を孕み、すぐ引き込まれた。
二人にとってこの“部屋”が“世界”。
ジャックは外の“世界”は“宇宙”と信じている。
この“部屋”以外のものは本物じゃない。
外を知るジョイには“部屋”の暮らしは苦痛だが、ジャックにとってはこの“部屋”が全て。
…が、あいつが居る。時折やって来るあいつが。
暴力的な一面を表すあいつから息子を守る為、遂に“部屋”からの脱出を決意、決行する。
ある物語からヒントを得た脱出作戦はスリリング。
実際見てハラハラして欲しいので詳細は伏せるが、キーはジャック。
(それから、女性警官の名推理がスゲェ…!)
実際にあった事件を基に作られた本作。
その基の“フリッツル事件”は調べてみるとかなりエグいが、本作は監禁生活~脱出のキワモノ的サスペンスではない。
“その後”こそがメインだ。
遂に救出された二人。
待ち望んだ外の“世界”。
しかし…
ジョイにとって監禁されていた空白の7年間は大きかった。
“部屋”しか知らないジャックにとって“世界”は広すぎた。
この“世界”は自分が居ていい場所なのか、自分はこれからどう生きていけばいいのか、どう再会した家族や失われた時間と向き合えばいいのか…。
“世界”は二人にとって“部屋”以上に生きにくい場所…。
我々の知らない長期監禁被害者の実態を突き付ける。
前半の息が詰まりそうな限定空間、後半は静かに深くじっくりと…レニー・エイブラハムソンが卓越した演出力を発揮。
そして、本作の“命”であるブリー・ラーソンとジェイコブ・トレンブレイ。
この二人にはどんなに言葉を並べても足りないので、ただ一言だけ。
その演技に心打たれた。
監禁生活中のTV取材を受けたジョイに、インタビュアーが投げ掛けた言葉が痛かった。
あまりにも酷い辛辣な意見だったからじゃない、一理ある意見だったからだ。
確かに、他に最善策はあったかもしれない。
幼い子供に母親の存在は不可欠だが、本当に子供の事を思ったら、監禁男に頼み込んで子供だけでも安全な場所へ手放す事も出来たかもしれない。
実際ジャックは狭い“部屋”でずっと暮らした為に、内向的な性格になり、またジョイも外の“世界”の嘘を信じこませ、ジャックはそれを信じた。そして打ち明けられた時、ジャックは激しく混乱した。
それがこの歳の子供にどんな影響を及ぼすか。
しかし、母と息子の二人三脚だったからこそ、監禁生活を耐えられたのも事実だ。
息子が居たから母は強くなれた。希望を持てた。
監禁中も時々喧嘩はするが、本音でぶつかり合えるほど二人の絆は強く、固い。
それを引き離す事が出来るか。
それがあるから、この“世界”でも…。
“世界”は広い。怖いほど、広い。
この“世界”でずっと生きている我々でさえ“世界”を受け止められないのだから、ましてや小さなジャックにとっては押し潰されそうなほどだ。
でも、
空ってこんなに青い。
空気ってこんなに気持ちいい。
雨に濡れるとこんなにびしょびしょになる。
雪ってこんなに冷たい。
太陽ってこんなに眩しくて、暖かい。
海って、自然って、こんなに美しい。
動物ってこんなに温もりを感じる。
人って面倒臭いけど、優しさを感じる。
社会って大変だけど、ここで生きていかなきゃいけない。
“世界”は怖いほど広いけど、それ以上に、驚きと発見と楽しさ、素晴らしさ…何もかもが満ち溢れている。
その全てが、あなたの為にある。
子どもの生命力
ジャックがおばあちゃんに、アイラブユーという場面で泣いた。子どもの適応力、生命力。友達もできて、友達とサッカーをしたりして遊べるようになる。あの部屋にいたときは、友達という概念すらなかっただろうに。大人たちはその傷を癒すのにもっとたくさんの時間とトリートメントを要する。そんな大人たちも、子どもの生命力に大いに力をもらうのだと感じた。とにかくやるせない映画。
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