スティーブ・ジョブズのレビュー・感想・評価
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ジョブズの内面を深く描いている
ダニー・ボイル監督作品ということと、2013ものとの観比べで鑑賞。
結論、2013ものの勝ち。本作はダニー・ボイル監督だし、構成等々踏まえるとこちらの方がハードで深いため一般的には評価される創りなのだとは思うのだが、個人的にはジョブズの生い立ちも描いた伝記的な創りの方が好きかな。
本作は終始発表会直前をクローズアップしており、ある意味ではジョブズの性格や本音をじゅうぶんに掘り下げているのだが、どうしても室内メインの撮影だけでは物足りなさを感じてしまう。ITに疎くジョブズにあまり傾倒していなかった自分のようなタイプには、どこまでいってものめり込みにくさがつきまとう。
キャストも2013ものの方が良かったかも。とはいえ、ラストシーンは断トツ本作の方が心に刺さり良かったし、差としては結局やっぱり最初に観た方が印象に残りがちと言うことだけなのかも知れない。
For the times they are a-changin’. 時計じかけのAppleは電気父娘の夢を見るか?
Macintosh(1984)、NeXTcube(1988)、iMac (1998)という3つの新製品発表会の舞台裏を描くことで、Appleの創業者スティーブ・ジョブズの人物像に迫る伝記映画。
監督/製作は『トレインスポッティング』『スラムドッグ$ミリオネア』の、オスカー監督ダニー・ボイル。
主人公スティーブ・ジョブズを演じるのは『X-MEN』シリーズや『それでも夜は明ける』のマイケル・ファスベンダー。
ジョブズの”仕事上の妻”、ジョアンナ・ホフマンを演じるのは『タイタニック』『ホリデイ』の、オスカー女優ケイト・ウィンスレット。
「Apple Ⅱ」の開発者でありジョブズの無二の親友、スティーブ・ウォズニアックを演じるのは『カンフー・パンダ』シリーズや『宇宙人ポール』のセス・ローゲン。
娘を巡って争うジョブズの元恋人、クリスアン・ブレナンを演じるのは『トランス・ワールド』『インヒアレント・ヴァイス』のキャサリン・ウォーターストン。
第73回 ゴールデングローブ賞において脚本賞/助演女優賞(ウィンスレット)を受賞!✨
不世出の天才スティーブ・ジョブズ。2011年に膵臓癌で亡くなってから、とにかく沢山の劇映画やドキュメンタリーが作られてきた訳だが、本作もその中の一つ。
ちなみに2013年には全く邦題が同じ伝説映画(監督:ジョシュア・マイケル・スターン、ジョブズを演じたのはアシュトン・カッチャー)が公開されており、ややこしいったらこの上無い。こういう時こそ独自性のある邦題が必要だと思うのだが…。
実業家やIT関係者からは神様の如く尊敬されているジョブズだが、個人的には全くと言って良いほど彼の事を知らない。知っている事といえば…
・いつもおんなじ服を着ている。
・ヨガとか禅が好き。
・同じ名前の相棒がいる。
・ぐうの音も出ないほどの畜生。
ってことくらい。
Apple社についても興味がない。Beatlesのアップル・レコードの方が何倍も馴染みがある。…つっても、このレビューはiPhoneで書いてるんだけどね。
とまぁ、1㎜も知らないに等しい状態でジョブズの伝記映画を鑑賞してみた訳だが、思いの外楽しむことが出来た!最初の方こそ馴染みのない人名や出来事が雪崩のように出てくるので混乱したのだが、それらについては割と丁寧に説明してくれているし、何より情報の整理整頓がキチンと為されているため物語を見失ってしまうような事態にはならない。…まぁそれでも初見でわからんところがあって、後から見返したり調べたりしたんだけどね。
著名人の伝記映画といえば、何者でもなかった若者時代から始まり、だんだんと事を成してゆき、最終的に成功ないしは破滅を迎える、というのがセオリー。
しかし、本作のスタート地点はすでにApple社が家庭用コンピュータ「Apple Ⅱ」により成功を収めた後の1984年。ジョブズとウォズニアックの出会いとか、Apple Ⅱの開発秘話とか、インドへの瞑想旅行とか、アタリ社での下積み修行とか、その辺の盛り上がりそうなエピソードはスパッと省いてしまっています。
また、映画のスタート地点もさることながら、その構成もなかなかに特徴的。脚本術の基本の基として知られる「三幕構成」ですが、本作はその三幕がめっちゃくちゃわかりやすい。第一幕「Macintosh-1984年-」、第二幕「NeXTcube-1988年-」、第三幕「iMac-1998年-」と、ジョブズの人生のターニングポイントとなった3つの商品のお披露目会直前が、同じような時間配分で描かれる。
綺麗に三幕に分かれていたり、意地悪な大金持ちが最後に改心したりと、ディケンズの「クリスマス・カロル」(1843)を意識しているのであろう脚本になっており、伝記映画でありながらただの再現VTRには留まっていない、作家性の見える物語作りには大いに満足することが出来ました。
脚本を担当したアーロン・ソーキンはフィンチャー監督の『ソーシャル・ネットワーク』(2010)でアカデミー賞を獲得している凄腕。彼の手に掛かれば碌でもないIT実業家の半生でもクラシックな趣のある劇映画になってしまうんだから不思議。
ザッカーバーグ、ジョブズと来たんだから、次はもうイーロン・マスクしかないっすよねソーキンさん!
ウォズニアック、女房役のジョアンナ、Macintoshのプログラマーだったアンディ、元ペプシのおやっさんスカリー、そして娘のリサ。
基本的にはそれぞれの時代でジョブズとこの5人がやりとり…というか口論を行う、それだけの映画である。構成といいスケール感といい、舞台劇を観ているような気持ちになる小品である。しかし、時代ごとに各人の置かれた立場や関係性は大きく違うわけで、それを順々に見ていくことでジョブズの人間性に迫っていくという手法は大変スマート。サスペンス要素も含まれており、観るものを退屈させない。
また、会話劇ではあるがジョブズは常に忙しなく動き回っているため映画には動きが生じている。登場人物たちに自然なアクションを付けることで会話劇にありがちな停滞感をなくす。この辺りの手腕はさすが名匠ダニー・ボイルといったところでしょうか。
本作が掘り下げるのは、ジョブズとリサの親子関係。ジョブズの最も人間臭い部分にスポットを当てているといえるでしょう。
ただ、ここの描き方には少々違和感もある。父娘の関係が修復される様を見せようとするあまり、母親であるクリスアンの物語が第三幕では完全にオミットされてしまっているのである。ジョブズが良き父親になった一方で、クリスアンは精神的に不安定な女性のまま放り出されしまっており、これはあまりフェアーとは言えない。彼女に対するフォローも必要だったのではないだろうか。
もう一つ気になるのは、ジョブズの妻とその子供の存在がマルっと無視されているという点。ジョブズは1991年にローレン・パウエルと結婚。3人の子供たちに恵まれる。本作ではその辺のことを少しも描いていないため、てっきりジョブズにはリサしか子供はいないのかと勘違いしてしまった。
88年から98年の間に3人も子供が生まれたんだから、そりゃジョブズの子供に対する意識だって変わる。そこを無視してリサとの関係性の変化を描くことは出来ないんじゃないか、と思わん事もない。
また、父娘関係に焦点を当てるがあまり、ウォズニアックとの関係性の描き込みが中途半端になってしまっているように感じられた。結局、彼との確執は最後まで解消されず仕舞いなわけで…。リサとの絆が生まれたから万事OK、とはいかんのではないでしょうか。
別に劇中で仲直りしなくちゃいけない、というわけではない。ただ、不和のままで決着をつけるのであればそれ相応の描写は必要だったのでは?
すごく距離が近づいたかと思いきや、次の瞬間にはバチっと離れる。兄弟にも似たこの2人の関係性はとても印象的なものであり、正直リサとの仲よりもウォズとの仲の方が気になってしまった。あの腕時計のシーンとかすごく良かったのに、なんだかフワッとしたまま終わってしまったのはすごく残念だった。
…あ!俺はリンゴ好きだよウォズ!「オクトパス・ガーデン」は誰がなんと言おうと名曲だよ!
父娘の物語に帰着させた点には少々不満もあるが、一本の映画としてはなかなかに見事。全く知らなかったスティーブ・ジョブズの事を多少なりとも学ぶ事が出来たし、満足の行く鑑賞体験となりました😊
…にしても、ジョブズってプログラマーでもデザイナーでもなかったんすね。ウォズが宮崎駿だとするとジョブズは鈴木敏夫、ウォズが鳥山明だとするとジョブズは鳥嶋和彦ということか。そういやなんか雰囲気もこの人たち似てるな…。
天性のプロデューサーと恐怖政治を敷くサイコパスは紙一重。そんな人間の下では絶対に働きたくないでござる(´・ω・`)
ミッションを持って生きる人が増えそうな作品
スティーブ・ジョブズという偉大なイノベーターの裏側にある、人間的な葛藤や複雑さを探求している作品。ジョブズが抱える家族や友人との関係、そしてビジネスの世界での苦悩がリアルに描かれています。
ただ単に半生を追っていくのでなく、3つの発表会の直前に焦点を当て、...
ただ単に半生を追っていくのでなく、3つの発表会の直前に焦点を当て、そこで交わされる会話から人間性を表現していくとは、なかなか斬新!緊張感と興奮が伝わるスピード感のある映像もさすがです!
偉大な起業家のリアルなストーリーを臨場感をもって鑑賞できました!
偉大な起業家のリアルなストーリーを臨場感をもって鑑賞できました。革新的・先進的であればこ周囲には全くといっていいほど理解されないことは想像できましたが、ジョブズはプライベートも含め想像以上にいろんなハードルを乗り越えながら偉大な業績を残したことがわかりました。リーダーとして、部下をほめる・承認すること、時間を守ることにこだわること、細部までこだわることの重要性を改めて認識しました。
ビジネスマン必見映画
常識に囚われず理想や信念を貫くことは、とても難しいこと。それを為し遂げてしまうのが、さすがスティーブ・ジョブズ。しかし冷徹な一面も、ビジネスの成功のためには仕方ないのかな。
そもそも天才は凡人には理解が難しいので、どうしても人間関係の摩擦が生まれやすいものです。
これはビジネスマン、必見の映画ですね。
理想に邁進するパワーだけは感心する
ほとんどが会話。
そして、プレゼンを直前に控えた時に、あちこちから問題が持ち上がり、強気に指示、命令をする状況ばかり。
過ぎた時間の分だけ、状況はステップアップしていて、iMacの発表前には、劇的に会社の状況が好転している。
でも、彼の周りは問題が山積み。
へこたれずに、一切妥協しようとしない姿勢は多くの敵を作り、周囲の人間は振り回されることにうんざりしている。
これが彼の実像なのだとしたら、とても尊敬できないし、映画としてのカタルシスもない。
ところで、どのくらい忠実に事実を映画にしたのか。
それともほとんどが演出なのか。
最近見た映画に、「女神の見えざる手」というのがあった。ジェシカ・チャスティンが、やり手のロビイストを演じ、全米ライフル協会を敵に回して戦うフィクションで、とても見ごたえのある映画だった。
その映画も、ほとんどが会話の応酬で、ジェシカは敵を作りながらもチームを引っ張り、勝利に向かって突き進む。
実在の人物(故人)を扱った会話劇と、架空の人物(モデルはいるようだが)が主人公の会話劇。構成が似ているのに、映画の印象は大きく違う。
はっきり言って、この映画を見て、ジョブズのことを好きでいられる人が、どれだけいるのか。この映画を見て、彼を目指す人が、どれだけいるのか。彼の成し遂げたことを理解した人が、どれだけいるのか。
はなはだ疑問だ。
2017.12.2
天才に共感できる。
非道徳的な言動が目立つ人となりに問題がある天才というキャラクタはその欠点により人間関係でトラブルを抱える。その時々の葛藤を見事に描いており、見ていて自己投影はできないにしろ一緒にハラハラドキドキできた。人はラベリングして敵味方を分けて考えるほうが楽であるが、皆人間であるのに変わりはない。タイトルが「アップルを作った天才」とか言ったレッテル的なものではなく個人名であるのもこの作品が一個性を持った人間を写したものである証拠だろう。
世界を変えられる男とは、創造力がある男
ストーリは、ありません。
スティーブ・ジョブズが言葉で人を動かす様子を描いています。
スティーブ・ジョブズのセリフに注目すると良いです。
創造性に優れた男は、多くの創造性のない人々を見下し、「バカ」と平気で罵倒し、金も時間も分かち合おうとはしません。
スティーブ・ジョブズは、創造性はないが大学時代からの友人でアップルコンピュータの設立従業員のダニエル・コトキにアップルコンピュータの発起人者株を与えず、浪費家のクリス=アン・ブレナンを嫌い、何もできない娘のリサを嫌い、過去のAppleⅡにこだわるスティーブ・ウォズニアックを評価せず、過去のAppleⅡでお金儲けをするジョン・スカリーを憎悪します。
スティーブ・ジョブズは、新しい製品、サービス、何よりも新しいユーザー体験を創造することに集中するために、新しい製品やサービスを創造しようともしない周囲の人々とことごとく対立します。
日本人的な「お花畑的な」発想で、スティーブ・ジョブズが創造力のない人々達に配慮するべきだと考えるのは間違いです。
何かを得るには、何かを捨てなければなりません。
全てを得ることなどできないのです。
スティーブ・ジョブズは、創造力を得るために、創造力をない人を捨てたということです。
創造力のかけらもない日本人には、全く理解することはできないでしょう。
スティーブ・ジョブズの創造力は、「非常用出口のサイン」を消灯させるということでも発揮されます。
リサは、Macintoshで抽象画を描き、エッセイを書くという創造力を発揮することでスティーブ・ジョブズと和解します。
スティーブ・ジョブズは、創造力だけで、AppleⅠ、AppleⅡ、Lisa、Macintosh、NeXTcube、NeXTワークステーション、NEXTSTEP、アニメ、iMac、iTunes、iPod、iPhone、iPadを世に送り出し、新しいユーザー体験を提供してきました。
今、世界を席巻している「GAFA」の一つがアップルコンピュータです。
iPodやiPhoneを利用し、創造力を発揮せず、時間を浪費し、創造力のかけらもない日本人が、この映画を鑑賞し、創造力のあるスティーブ・ジョブズのような人々を理解できずに、置いてきぼりにされることで、現状を再確認するためには良い映画です。
スティーブ・ジョブズがMacintoshを発表する前のシーンから始まります。
その後は、スティーブ・ジョブズがiPodについて創造力を膨らませるところまで描かれます。
Macintoshを発表するまでのこと、NeXTcubeを発表するまでのこと、iMacを発表するまでのことを知っていないと、この映画は理解できません。
若い人、コンピュータに詳しくない人、コンピュータに興味がない人には退屈な映画です。
iPhoneなら興味があっても、iPhoneが登場する前で、この映画は終わってしまうので、iPhoneについて期待すると期待外れになります。
スティーブ・ジョブズについて知っている人、知りたい人、コンピュータに詳しい人、自己啓発を得たい人には楽しい映画です。
スティーブ・ジョブズの言葉には、人を高揚させ、人を動かす何かが確かにあります。
スティーブ・ジョブズについて知らない人は、この映画を観てもわからないです。
この映画を観て、スティーブ・ジョブズについて知りたくなった人には、ウォルター・アイザックソン著/井口耕二訳「スティーブ・ジョブスⅠ」と「スティーブ・ジョブスⅡ」講談社を読むと理解できるようになります。
読んでも理解できない部分は、調べる必要があります。
スティーブ・ジョブズのような日本人はいないので、日本人がスティーブ・ジョブズを理解するのは困難です。
スティーブ・ジョブズは、Macintoshを学生、大学や研究所に割引価格で大量に販売するだけでなく、大量に寄付をしています。
スティーブ・ジョブズは、多くの人がMacintoshを使い、創造力を発揮すれば、社会が変わると信じていたからです。
30年以上経過している日本では、今でも学校に教育用PCが採用されていないのが現状です。
世界を変えられない男とは、周囲に反応し、作業をするだけの男です。
アイデアは、掛け合わせ。
・実際の人物にあえて似せないという選択肢
(ジョブズという役を俳優が演じますという演劇風味)
・この点はほかのジョブズ作品と大きく差別化できている
・スティーブ・ジョブズの内面と親娘関係にフォーカスした映画
・これまでのスティーブのプロダクトは、リサからの逃避や、リサのためというのが原動力なのではないかと匂わせている
・テンポ早すぎて登場人物がどういう人なのかわかんないとついていけないぞこれは
・ソーシャルネットワーク風味
・スティーブはゼロから1を作るのではなく、既存のものを掛け合わせて今までになかったものを考え出す達人だった
・それをパッケージの美しさでブランド化することにも注力した
アップルについての知識が必要
スティーブ・ジョブズの半生記だと思っていたが、新作発表会メインだった。アップルの事前知識ゼロでは理解ができない点が多々あり、不完全燃焼。
ただ、テンポよく進むストーリー展開で、退屈することはなかった。
チェンジ・ザ・ワールドは伝わってこない
個人評価:3.4
ジョブズの半生を描くのではなく、新作発表会にスポットをあて、そこで起きた人物との会話のやり取りの描写だけで、ジョブズの価値観や生き方を描く。
説明は最低限しかなく、アップルの歴史を知らないと人間関係や物語の全体像はほとんど分からない作り方。2013年版の同タイトル映画を見てから本作を見るのを強くお勧めする。
映画としては会話劇が全てとなり、ジョブズの性格やストイックさは描けているが、最も肝心なチェンジ・ザ・ワールドの理念が観る側には伝わらず、性格的に難ありのジョブズが前面に出てしまっているのが残念。
ダニー・ボイルが描くジョブズに期待感が強かったが、好きな作品とは言えなかった。
最大の長所が最大の欠点
新製品プレゼン前に、ジョブズへ面会にくる人々とのやりとりが軸。そこで繰り広げられる会話により明らかになるジョブズの人格や確執。アップルの予備知識がないと置いてけぼりになるかもしれない。 即興劇を見ているようでもあった。
私は編集、DTPオペレーターも経験したが、Macを使ったことがない。 幸運にも今までの職場でもすべてウィンドウズ。勿論iPhoneも使ったことはない。ここまで年月が過ぎたからには、面倒くさくてAndroidから乗り換えることはないだろう。
今でこそクラウドでデータを一元管理でき、2つに圧倒的な差はない(と思える)時代だが、当時敬遠したのは、とにもかくにもウォズニアックの言うところの、互換性のないクローズドシステムだったから。特にパソコンに詳しかった訳ではないが、iMac登場のときは既にWindowsを使用していたし、メモリもCPUもアップグレードできない制限のあるPCは何となくやだよ、と一顧だにしなかった。
完璧な物を与えさせすればユーザーは満足する、というジョブズの言葉の通り、直感的に使えるお洒落な端末は爆発的ヒット。
失礼な言い方をすれば、PC黎明期に、それって何するものなの?必要なの?と情報に疎かった人々を一気に掌握した(特に日本では)。スマホの話でいえば、私の身の回りでもやはりIT関連機器に疎い人がiPhoneユーザーに多く、SDカード取り付けるやり方がわからないからAndroidは嫌、そもそもSIMってなに?と聞いてくる人は両手で数えるほどいる。勿論「ルートを取る」なんて言葉は通じない。どんなに高かろうが、大手キャリアで提供するiPhone以外考えられないようだ。
というように、アップル社は「アップルを使う人とそれ以外」というカテゴリを作ったのは確かだ。アップルを毛嫌いしているわけではないが、それでも抵抗感があるのは、やはりスティーブ・ジョブズの人格を当時から見聞きしているからだろう。
アップル社の端末を見ると「無知な奴は俺の言うとおり、これを使っておけば問題ないんだ、ばかめ」とジョブズの小馬鹿にするような声が聞こえてくるようで嫌なのだ。ウォズニアックを代表する技術者に対する、ジョブズの姿勢からもそれは感じる。
「プログラムもかけない」経営者のビジョンは技術者がいなければ叶わなかったし、技術者たちも大きなビジョンがなければ技術を生かす場がない。
一蓮托生の関係なのに、「たった一言、apple Ⅱに関わった技術者に謝辞を」と求めるウォズニアックに、ジョブズはノーといって譲らない。
こういう生き方しかできなかったのだろうか。こういう生き方だからこそ、革新的な物が出来上がったとも言えるのかもしれないが。製品も人格も、最大の長所が最大の欠点だな、と思う。
娘との関係は知らなかったので新鮮なエピソードだったが、2人の関係よりも、技術者の心情を慮ると彼らに同情せざるをえない気持ちになった。
人格と才能は共存できるか
ラストシーンはいい。さすが監督。
スペリオールで連載してた漫画「スティーブス」を読んでいたから分かったものの、何も知らないとなんだかよくわからないのでは。
事なきまでの傲岸不遜
驚き。
意外に面白かった。
オムニバスのような、スピーディーな展開。
Appleが、なぜあれほど熱狂されたのかは、この映画を観ても謎のまま。偉大なるコンセプターなのだろうが、見事なまでの傲岸不遜なだけに、ただのわがまま野郎なのでは、という思いが拭えないまま、舞台は続く。
それだからこそ、ラストの「僕は、出来損ないだから」が不意に胸をうつ。
いやあ、繰り返しますが、意外にいい映画でした。
横の親子連れは、「iMacって何?って感じだけど辛うじて着いて行けた」とのこと。言われてみれば、そうだね。もう、ずっと昔のことになったんだね。
みんなの評価を見てみた。
会話満載、セリフの洪水。
成功や熱狂ではなく、背景や経緯の説明もなく、発表会の日に絞り込んだ脚本の大胆さ。
言われてみれば、確かにその通り。違和感なかったのは、背景となる時代を一緒に生きてきたからなんだろうな。
アカデミーは、脚本賞、演出賞、主演男優賞かな?
確かにジョブズかも
自伝とか一通り読んだものとして。
確かに姿は全然似てないのですが、映画を観ていたらジョブズに見えてきました。
自伝やテレビ雑誌などから得た情報とマッチする限り、スティーブ・ジョブズってこういう人だったんだろうなと思えてきて仕方なかったです。
一気に観れた感じで面白かったです。
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