走れ、絶望に追いつかれない速さで

劇場公開日:

解説

「愛の小さな歴史」に続き、今作で2年連続の東京国際映画祭出品となった中川龍太郎監督の自伝的作品。漣と青春時代を共有した親友の薫が死に、薫が描き遺した絵には中学時代の同級生「斉木環奈」の姿があった。親友の死を受け入れられない漣は、薫にとって大切な存在であり続けた環奈に薫の死を知らせるため、彼女の元へ向かう決意をする。主人公・漣役に「ほとりの朔子」「桐島、部活やめるってよ」の太賀。中川監督の前作「愛の小さな歴史」から引き続いての出演となる小林竜樹、「ドライブイン蒲生」「愛を語れば変態ですか」の黒川芽以らが脇を固める。

2015年製作/83分/日本
配給:Tokyo New Cinema
劇場公開日:2016年6月4日

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(C)「走れ、絶望に追いつかれない速さで」製作委員会

映画レビュー

4.0よかった

2023年2月11日
PCから投稿

年齢的には24歳頃の働き始めた頃の話。一人の死をテーマにしつつも、その年齢の特有の葛藤が描かれている。映像も美しく、民宿のご飯や銭湯、田舎の風景など主人公を癒やす要素がたくさんあった。

シンプルかついい映画だと思った。

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asa89

3.5【絶望に呑み込まれてしまった親友の死を受け入れられない男が、親友の故郷を訪れ、再生して行く姿を描いたロードムービー。人間の細やかな善性と生の喜びを表現した作品でもある。】

2022年12月20日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

知的

幸せ

ー 今作を観ると、中川龍太郎監督は初期から”喪失から再生”と言うテーマに拘っていたのかな、と思った作品。-

■青春時代を共に過ごした親友・薫の死を、1年経っても受け入れられずにいる漣(太賀)。
 薫が遺した絵には中学時代の同級生の女性の姿があった。
 その女性に薫の死を知らせようと決意した漣は、彼女がいる薫の故郷に薫の元彼女、理沙子
(黒川芽以)と向かう。
 だが理沙子は、富山で一泊した後に”矢張り帰る”と言って去る。
 独りで、中学時代の同級生の女性に会いに行った蓮だが・・。

◆感想<Caution!  内容に触れています。>

・仲野太賀は、太賀と名乗っていた頃から、好きな俳優であるが、今作を観て、その感を強くした。

・漣が、親友・薫の死に納得できずに、鬱屈した日々を過ごす中、一周忌に彼の両親から手渡された一人の女性の絵。
 彼は、薫の死の理由を知るためか、親友の元彼女、理沙子と、富山を訪れる。
 だが、理沙子は去り、漣は一人でスナックで働く中学時代の同級生の女性を訪れるが、その素っ気ない態度と言葉に、店を後にする。
 翌日、薫が死んだ岩壁で泣き崩れる蓮が、地元の老人に肩を叩かれ、食事を振舞われるシーン。

■このシーンは、今作の白眉のシーンであろう。
 老人のさり気無い優しさと、涙を流しながら食事を掻きこむ蓮を演じる太賀の姿。
 そして、彼は全てを吹っ切り、仕事場に戻るのである。
 今まで、漣に厳しかった先輩が見せるさり気無い優しさも良い。

<尺が短く、観る側に解釈を委ねる映画であるが、ラスト、漣がハンググライダーで、太陽に向かって宙を舞う姿は、生の喜びを表している、と私は思った。
 人間の細やかな善性を表現した作品であるとも思う。>

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NOBU

3.5重そうなタイトルだったので覚悟して観た。 生命力に溢れた激しくもや...

oさん
2021年9月1日
PCから投稿

重そうなタイトルだったので覚悟して観た。
生命力に溢れた激しくもやわらかい作品だった。絶望に追いつかれないように走って生きている人や、受け入れて過ごす人、たくさんいる。絶望とどう向き合ったって生きていたらいい。
作中何度か映し出される主人公の食事シーン。職場の先輩と食べる時は基本的に惰性で食べている感じがしたけど、すき焼きのシーンは色んな想いが溢れかえっていてすごく人間味があった。
監督は生きることと親友が大好きなんだろうな、と思う。

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o

4.0おそらく友人の死が招いただろう主人公の心の閉塞感を、 Amazon...

2020年11月20日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

おそらく友人の死が招いただろう主人公の心の閉塞感を、
AmazonPrimeあと3日で配信終了だったので、観ました。

大まかに言うと、親友の死に自分の心の閉塞感を原因を求めている主人公が、
彼の生前の足跡を辿りながら、やがて自分の心にもトンネルを見出すみたいな、
そんな感じのストーリーだったと思う。
監督の実体験が如実に作品に出ていると言う事だ。

個人的に印象に残ったのが、このタイトル通りのセリフより、
亡くなった親友の初恋の相手が発した

『自分の問題は自分で解決してもらっていいかな?』

という言葉が主人公を動かしたような気がする。
あのシーンから一気に主人公演じる太賀が、自らの足で歩み始めたような。。。
巧く書けないが。

全体として、大衆的なドラマチック映画ではないので、凄く抽象的で静かに過ぎていくが、
そこにある映像美や演出は秀逸。特に仲野太賀さんだからこそこういう葛藤が描けるのではないかと思った。

中川龍太郎監督、今まで3作品観たが、独特の視点でなかなか良い映画作る。
これからも期待。

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じーたら

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