裁かれるは善人のみ
劇場公開日:2015年10月31日
解説
「父、帰る」のアンドレイ・ズビャギンツェフが、ロシア北部の小さな町を舞台に、市井の人々と権力を振りかざす行政の対立を描いた人間ドラマ。2014年・第67回カンヌ国際映画祭で脚本賞、第72回ゴールデングローブ賞で外国語映画賞を受賞し、第87回アカデミー賞の外国語映画賞にもノミネートされた。小さな町で自動車修理工場を営みながら、一族が代々暮らしてきた家で妻子と暮らすコーリャ。再開発のため、土地買収を画策する市長による強行策に、コーリャは旧友の弁護士をモスクワから呼び寄せ、権力に対抗するのだが……。
2014年製作/140分/ロシア
原題:Leviathan
配給:ビターズ・エンド
スタッフ・キャスト
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2018年11月18日
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鑑賞方法:DVD/BD
言いようのない閉塞感、官僚主義、正義、神、荒涼の地などから、ドストエフスキーを思い出してしまいました。正義がどこにもなく救いようのない地域、人々は希望もなくがんじがらめになっている様子がロシアの象徴の様で重苦しい気持ちになりました。
ソリッドで静的かつ、動的な大自然。荒涼だが美しい風景に見いだされるのは、絶対的で圧倒的な力には到底無力だということである。
本作では、権力・宗教・不運などの覆すことのできない不条理がLEVIATHANとして描かれる。一方で、LEVIATHANを想起する鯨の死骸が浜辺に転がっている。これは絶対的な力の腐敗を意味しているのか。
絶望の淵に立たされたとき、あるいは人間の理解を超えた何かに合間見えたとき、拠り所とするのは神だ。理性の世の中が200年以上続き、一般市民の間にも事実のみを信じる志向はかなり浸透してきているのだろう。しかし、ある意味人間の最後の砦である信仰それ自体が腐敗したものだったとしたら、、、絶望の闇の中で我々は一体何を頼りに歩んで行けば良いのだろうか?何を目的に生きれば良いのだろうか?そもそも私は何の為に生きているのか?
腐敗した宗教が「本当の価値が嘘に取って代わられている」と語ったのは、腐敗した権力者たちであったことは、皮肉以外の何者でもない。
絶望の岸壁に立たされたとき、目の前にするのは、誰の力も及ばぬ大自然。それは人間の手に負えるものではない、全てを飲み込み、全てを破壊する、静的だが暴力的なものだ。神をも思わせる圧倒的な力をもち、息をのむほど美しいこの自然は、リリアのように身を捧げてしまいたくなるほどだ。
家のインテリアや風景がとても美しいです。
でも、喜怒哀楽が表情から、本当に読みにくいのが不思議だなあと思います。
人生、色々うまくいかないよね。。
という出来事が、いっぺんにおきるとこうなるのかな、、
という映画でした。
まさに、ヨブ記‼︎‼︎‼︎
映画を観ると、行ったことのない世界や風景がみられるから良いなあと、当たり前のことを最近思います。