海街diaryのレビュー・感想・評価
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温かみがあるも、ちょっと物足りない?
結構、複雑で不幸な生い立ちが絡んでいて、誰もがそれを抱え、悩みながら、生きていくわけですが、全然重くない。登場人物たちもそれを口にはするものの、深刻さがあまり伝わらない。あっさりしていて、穏やかで、温かくて。。それが良いか物足りないかは、見る人次第かな~
もったいね〜〜
いつもキレてる綾瀬はるかがいて、ずっと酒飲んでる長澤まさみがいて、不思議な夏帆ちゃんがいて…ってどんな家だよ最高かよって、ただそれだけの映画でした。
何かが足りない…
人物の気持ちが全くわからないし移入できない、無駄に豪華なんだけどそれがストーリーを粗くさせてるようにも思える。
人間の悪の部分は描かれてないし。
会話にも違和感しか無い。リアリティがない。これならコメディに走った方が良かったんじゃないのって思える
ただ、長澤まさみのトントンと夏帆ちゃんのメニュー選びはめちゃくちゃ可愛かったです。
鎌倉の四季
葬式や近所付き合いを通して、家族内の心の機微を描く様が、現代版小津作品のようでした。
誰しも大人や親に、ある程度振り回されて育ってきていることをしみじみ感じました。
不倫・離婚など不健全な家庭環境が、パートナー選択に影響していることも暗示されていますが、鎌倉の穏やかな風景に包まれて、悲観的ではありません。
鎌倉の春夏秋冬に例えるなら、辛い環境を耐え忍んで新芽を出してきた四女が春、色っぽい次女が夏、食欲旺盛な三女が秋、我慢強く厳しい長女が冬…かな。
●広瀬すずのみずみずしさ。
広瀬ずずが全開だ。末はヘプバーンか、原節子か。さわやかで、まっすぐだ。
3人姉妹も、もちろん好演。しっかり者の綾瀬はるか。奔放な長澤まさみ。そして夏帆のしなやかさ。
んでまた、自然に食事のシーンがある映画ってのはよい。
何気ない朝飯やら、梅酒作りやら。家族の歴史がそこにある。
このへんは是枝作品の好きなとこだ。
4.4
思った以上に感動した。
ちょっと複雑な事実上四姉妹の話。特に山もなく谷もなく、終始平坦な物語。
何気ない普段の会話とか生活シーンが自然で、穏やかな感じがよかった。
そんな感じで日々のちょっとしたエピソードを並べたような映画。
最初キャストをみたとき結構な役者が沢山いて、なんかしつこくないかなと思ったけど全くそんなことはなかった。
恋人や親、そしてもちろん姉妹など、人との繋がりをテーマにした作品だと思う。
四姉妹の中では綾瀬はるかがダントツでタイプなのだが、映画の中のキャラとしては、三女のちかが好みでした。
とても微笑ましくて良かったのだが、すこし育ちが良すぎる気がした。
前から評判は聞いていたし、観たいと思っていたので今回観られてよかった。
ほんわかする
眩しい程の美女4姉妹。
何気ない会話や食事シーンから家族の仲の良さが伝わってきます。
仕方のない母親だと、どうしても長女が必要以上にしっかりしてしまうのかな。
演技も自然で、見ると暖かくなる作品です。
思い出補正
日常生活を通して人と人のつながりを描いた作品だと思う。
四姉妹がおかれた家庭環境はちょっと特殊だけれど。
日常の小さな幸せと、生きていくうえで避けられない悲しみ。
人と関わるうえで生じる葛藤とか、悩み。
厄介だけど愛おしい家族。
きっとリアルな世界ではもっと汚い部分が見えてしまうんだろうけど、そこは映画ならでは。綺麗な映像で見せてくれる部分が、思い出補正のような感覚を覚えた作品でした。
全体を通して大きな盛り上がりはないものの、しみじみと感動させてくれる良い作品です。
これが是枝作品か!
今まで是枝監督作品を避けてきたところがあったのですが
話題作ということで遅ればせながら鑑賞。
素直に素敵な映画でした。
細かいことは置いておいて、姉妹の関係性。
兄弟っていいな..と。
こちらが心配になってしまうほどしっかりキッチリしている長女。
好き放題やっているものの実は誰よりも姉想いな次女。
のほほんとしたムードメーカー三女。
そしてその三人と家族になっていく四女。
個人的には三女千佳がすずに
「私はお父さんとの思い出がほとんどないから、いつかお父さんのことを聞かせてね」という場面に心奪われました。
劇中では一番すずの身近にいたのが千佳。
自分の方がすずより先に生まれているものの、父親との思い出はすずの方が多い。
この関係性の中でも、すずを可愛がり大切にする千佳の心の優しさはたまらないものがありました。
またすずと接していく過程で、千佳が末っ子から姉へと変わってい行く姿が素晴らしかったです。
長女幸、次女佳乃もそれぞれの形ですずを大切にし、家族になっていこうとする姿、素敵でした。
優しい映画
何気ないのに、すーっと染み入る作品。
全編通して自然な空気感であり続ける4姉妹。脇を固める役者達も素晴らしい。
広瀬すずが、凄すぎて、周りの中学生とのギャップが出過ぎてしまうけど、あのレベルでは仕方が無い。
是枝作品・・
人気コミックの実写映画化で是枝監督の作品。腹違いの妹を含めて4姉妹で鎌倉の一軒家で過ごす物語。出ていった母親役に大竹しのぶ。しっかり者の長女役に綾瀬はるか。是枝監督の家族やその日常生活の捉え方の感性に今後も注目したい・・2015年の映画。
両親が女性の交際に与える影響
随分昔に不倫して出て行った父親が亡くなり、出て行った後に父親が築いた家庭で産まれた腹違いの妹は既に母親も亡くしているため、父親が連れ子同士再婚した継母しか身寄りがなくなり、姉三人と一緒に暮らす事になるという話。姉三人の母親も、父親の不倫が原因で早くに出て行って、北海道で新たな暮らしをしている。勝手で生活にだらしない感じが全面に出た母親。
家庭のごたごたの記憶がハッキリあり、母親を慰めたり、両親が出て行った後は妹2人を背負ってきた、長女の張り詰めた生き方が泣ける。仕事でも家庭でも困った人は放っておけず、しっかり向き合い信頼される存在。ところが、歴史は繰り返し、不倫の餌食になっている。
次女は長女と反対に、向き合うより逃避して精神を軽く保つタイプで、もう少し姉のサポートをしろよと言いたくなるくらいがさつで奔放だが、華もあり仕事には真面目なタイプにも関わらず、こちらもまたヒモ男に引っかかっていた。
三女は家庭のいざこざの頃、幼かったため、精神にもたらす影響は薄く見え、気の良いタイプだが、姉に育てられたようなものだからか、所作や好みなどから、躾が行き届いていない事が伺える。男性の好みも少し人と違う感じで、個性的な頼りない男とうまくいっている。
更に、両親とはどちらとも死別の末っ子すずは、まっすぐ社交的に見えるが、継母との家庭も経験しているためか、順応性が異常に高い。母親が既婚者から奪った家庭で産まれた自分の存在を肯定して良いのか苦しんでいる。
家庭が精神や人生に強く影響し、多くは繰り返してしまう事を、深く感じさせられた。女の子の場合、信頼する男性の質まで変わり、無意識に大切にされない方を選択してしまう。
個人的には、次女と三女には全く感情移入できなかった一方、長女とすずの性格や思考回路は台詞になくとも痛いほどよくわかり、泣かされた。つい自分の感情は引っ込めて後回しにして、多くを背負ってしまうところが長女と末っ子でとても良く似ている。作品には出てこない父親だが、この2人が最も父親に近いのではないかと推測できた。また、母親は三姉妹の母親よりもすずの母親の方が魅力的だったのではと推測でき、だからこそすずは、姉三人に父母の話をよりしづらいのではと感じた。自分が幸せであればあるほど、罪悪感を感じてしまう。
そして、人生で3人の女性と家庭を築いた父親は、家庭が変わっても、好きな景色や釣りの趣味や、しらすトーストなど前の家庭までの事も引き続き取り入れていた様子が、異母姉妹が出会ったおかげで明らかになっていく。家庭は守らなかったが、優しい人だったのだろう。
風吹ジュンとリリーフランキーが家庭の変化を長年見守り4姉妹それぞれを理解していて、とても温かかった。良い人ほど早く死んでしまうって本当なんだろうなと思った。
是枝作品は家族の奥深さを淡々と、心の機微を精緻に描いていて、とても好き。綾瀬はるかも広瀬すずも、良い役を得ていた印象。長澤まさみの演技がもう少し良ければ、次女の人物像ももっと引き立ったのかな?と少し思った。
見慣れた景色がたくさん出てきて、自分の幼い頃や青春の想い出が、溢れるほど記憶に蘇った。
着替えること 「監督 小津安二郎」蓮實重彦 風
映画の主たる舞台は鎌倉である。執拗とも言えるくらいに描かれる3度の法要。これらの意味するところは後述する。
登場する四姉妹は、法要の場面はもちろんのこと、仕事、転校、サッカー、花火など、その場面が変わるたびに衣装を替える。それはまるで監督の是枝裕和が、人気女優たちのコスプレを楽しむ観客を試しているかのようだ。
実際に是枝は、彼女たちの着替えを非常に強く意識して本作を撮っている。
まず冒頭、長澤まさみが恋人のベッドから抜け出して朝帰りをするシークエンスは、印象的な着替えのシーンの為にあるといっていい。長澤の伸びやかな四肢が印象的なそのシーンは、人は着替えることで別の人間に変わっていくことができるという、この映画の宣言である。
長女と次女の諍いと修復も衣装のやり取りによって表される。
新しく購入した白いカーデガンを勝手に着たと綾瀬はるかが長澤に文句を言ったり、「勝負服」であるブルーのノースリーブを、仲直りの印に綾瀬が長澤に譲ったりする。
性格の正反対な長澤と綾瀬の関係も、その衣装の交換によって表されているのだ。
そして、ずいぶんと昔に家を出たきりの父の葬儀での喪服。鎌倉にいた3姉妹は喪服を着て葬儀会場に現れるが、山形の広瀬すずだけ中学校の制服を着ている。中学生だから喪服を持っていないので代用として制服を着用しているという、どこにでもある葬儀の風景である。
だが、この衣装の違いが意味するところは非常に重要で、映画におけるこの4姉妹の、腹違いの末っ子の立ち位置を象徴しているのだ。この中で唯一の未成年者で、誰かしらの後見がないと生きていくことが困難な者の記号として、広瀬はここで中学校の制服を身に纏っているのだ。
この法要における制服の着用は、祖母の法事、風吹ジュンの葬儀においても三度繰り返される。それほどまでに、法要での制服に込められた意味を、是枝は強調したいのだ。
ところで、「鎌倉」、「葬式」というキーワードが小津安二郎を意識していることは明らかである。会葬者の中で、何らかの事情で喪服を着用していない者は、小津の作品にも登場する。
「東京物語」の終盤。尾道で行われる東山千恵子の葬儀では、東京から来た子供たちは義理の娘である原節子も含めて、皆が黒い喪服を身に着けている。それに対し、大阪から来た末っ子の大坂志郎だけは白いシャツを着ている。
若いから喪服など持ち合わせていなかったのか、それとも危篤の知らせを聞いても、まさか葬儀になるとは思わず、喪服を準備してこなかったのか理由は分からない。ただ、映画の終盤になって登場するこの大阪に離れて暮らす三男坊を、小津はこの物語の外部者として扱っているのだ。
物語におけるよそ者を登場させることによって、次男の嫁である原がその血縁関係を超えてこの物語の内部の人物であり、東京に暮らす長男、長女と同列に並ぶ彼女の立ち位置を強調することに成功している。
話を「海街 Diary」の戻すと、広瀬の着る制服は、他の3人とは異なる存在であることを示す重要な記号である。母親が違うこと、まだ子供なので大人の庇護が必要な存在であることは、綾瀬、長澤、夏帆の三人とは異なる点である。そのために広瀬は自分の存在を肯定することができない。
このような異なることによる自己否定を乗り越えて、4姉妹一人一人が自己を肯定する瞬間を、映画はやはり彼女たちの衣装によってはっきりと示している。
広瀬が海上での花火見物から家に帰ってきた時に、他の三人が揃って浴衣を着て待っていたシーンである。友人と花火大会を見に行く広瀬に、綾瀬は浴衣を着せて送り出す。広瀬が帰宅すると、3人の姉たちも皆浴衣を着ていて、家の庭で線香花火を始めるのだ。
この浴衣を着た四人が、しゃがんで花火を持っているシーンは、この4姉妹が今まさに一つの家族となったことを謳いあげている。
実は、衣装が同じになることによって、その場所へ受け入れられることは、広瀬のサッカーチームのユニフォームによって前もって示されている。チームメイトとして認められた彼女は、そのチームのユニフォームに袖を通すことが許されるのだ。
四人の若い女性が新しい自分の居場所を見つけていく静かで温かい家族の再生の物語が、見方によっては扇情的な人気女優の着替えシーンの繰り返しによって紡がれている。是枝の醒めた目のなせる業であろう。
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