テロ,ライブ

劇場公開日:

テロ,ライブ

解説・あらすじ

「チェイサー」「ベルリンファイル」のハ・ジョンウが、電話越しにテロリストとの息詰まる攻防を繰り広げるキャスターに扮したリアルタイム型サスペンス。不祥事を起こし、テレビ局からラジオ局へ左遷された人気アナウンサーのユン・ヨンファは、ラジオ番組の生放送中、正体不明のリスナーからソウル市内の漢江にかかる麻浦大橋を爆破するという脅迫電話を受ける。いたずらだと思い電話を切ると、予告通りに麻浦大橋で爆発事件が発生。相手が本物のテロリストだと確信し、このスクープがテレビ局復帰へのチャンスになるとにらんだヨンファは、犯人との通話の独占生中継を始めるが……。

2013年製作/98分/G/韓国
原題または英題:The Terror Live
配給:ミッドシップ
劇場公開日:2014年8月30日

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映画レビュー

3.5エンタメ性の底に込められた、痛烈なメッセージ性

2025年4月19日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

興奮

驚く

【イントロダクション】
テレビ局のキャスターからラジオ局のパーソナリティーに左遷されたアナウンサーが、自身のラジオ番組に掛かってきたテロリストからの爆破予告をネタに、キャスターとして返り咲こうと、犯人との攻防をテレビ中継する様子を描いたスリラー。
主演に『チェイサー』(2008)のハン・ジョンウ。監督・脚本にキム・ビョンウ。
また、日本では阿部寛主演の『ショウタイムセブン』としてリメイクされ、2025年2月に公開された。

【ストーリー】
テレビ局SNCの元国民的ニュースキャスター、ユン・ヨンファ(ハン・ジョンウ)は、ラジオ局に左遷され、朝のニュース番組のパーソナリティーとして活躍していた。

ある朝、番組中に“パク・ノギュ”と名乗る元建設作業員という男性から、「(SNCのすぐそばに掛かる)麻浦(マポ)大橋を爆破する」という脅迫電話を受ける。ユンはイタズラ電話と判断し、汚い口調で相手を罵って電話を切る。直後、麻浦大橋で大爆発が起こる。

単なるイタズラではなく、テロ事件だと確信したユンは、犯人との通話を独占スクープとして利用し、キャスターとして返り咲く事を画策。スタッフの警察への通報を阻止し、報道局長のチャ・デウン(イ・ギョンヨン)に掛け合って、テレビ中継を取り付ける。

中継が始まり、ユンは犯人の犯行動機を聞き出す。建設作業員として30年勤め上げたという犯人は、1983年の麻浦大橋の建設にも携わっていた。彼は、2年前の世界首脳会議に間に合わせる為、仲間の作業員と共に急ピッチで橋の修繕作業に望んでいたが、その際に3人の作業員が橋から落下し、犠牲になったという。
しかし、警察や消防は首脳会議に掛かりっきりで初動対応が杜撰であった事、政府からの補償が為されなかった事を理由に、今回の事件を起こしたという。

犯人の目的は、大統領をTV出演させ、事故の謝罪をさせるというものだった。上層部や政府は、テロに屈するわけにはいかないと、犯人の要求を拒否する姿勢を示す。しかし、犯人はユンのイヤホンに爆弾を仕掛けていた。自らの命を握られたユンは、犯人の要求を承認させる事を余儀なくされる。

【感想】
事件の発生から解決までを、ほぼリアルタイムで展開し、その殆どが放送室で展開されるというシチュエーション・スリラー。

特に、冒頭のラジオ番組開始から、犯人からの電話予告、橋が爆破されてテロ中継が開始されるまでのテンポ感が素晴らしい。

また、中盤で警察庁長官がイヤホン型爆弾で殺害されて以降、悲劇のエンジンが掛かったかのように、容赦ない展開が連続するという先の読めなさも素晴らしい。橋の倒壊による一般人への被害、犯人が潜伏先として捜査員を誘き寄せる為にJRタワーに仕掛けた爆弾を爆破、それによりSNCビルまでもが倒壊の危機に瀕するというクライマックスまで、限られた空間で物語を展開しつつも、見せ場を作る創意工夫の姿勢にエンタメ魂を見る。

犯人が近くに居ることを悟ったユンが、犯人を誘き寄せる為にゲリラ中継を行うという、もう一つの“テロ、ライブ”が行われる上手さに感心する。
犯人の正体が、パク・ノギュの息子、パク・シヌという種明かしは、中盤の警察庁長官の爆破殺害の際に、彼から「工学科出身の息子がいる」という丁寧な前振りがある為、納得出来る。

特に中盤以降は、賄賂や圧力という上層部の腐敗、政府への不信感、悲劇的なテロ事件を起こそうと変わらない国という皮肉といった、韓国映画ならではの暗い現実に対する痛烈な批判が展開される。ラストでようやく姿を現し、高らかに勝利宣言する大統領の顔が、モニターの破損によって見えないという演出がニクい。

キャスターに返り咲き、別れた妻、イ・ジス記者とヨリを戻す事を夢見ながらも、自身の過去の収賄を暴露され、キャスター復帰も白紙、ジスの事故死によって全てを失ったユンが、「俺にはこれしかない」と語ったシヌの残した爆弾の爆破スイッチを押して自殺するラストは、何とも皮肉。

【総評】
限られた空間、リアルタイム進行という時間制限、そして恐らく製作費によるシチュエーション・スリラー展開を求められる限られた脚本の自由度と、様々な制約の中で、エンターテインメントとして盛り上げる為の創意工夫を感じ取る事が出来る、スリラーの佳作として楽しめる。

作品の根底にあるメッセージの痛烈さも印象的。

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緋里阿 純

4.0リメイクの価値は―――

2025年3月22日
Androidアプリから投稿

阿部寛さん目当てで観た日本版リメイク『ショウタイムセブン』に比べるとだいぶハードな展開
日本版は序盤やあらすじは原作(テロ、ライブ)通りなのだけど、伝えたいテーマの部分を書き換えたられたような印象を受けた

元ニュースキャスター、現ラジオアナウンサーの主人公の番組にかかってきた爆破予告の電話
本気にせず軽くあしらっていると主要な交通網である橋が爆破され、関わりのない人々に危機が迫る・・・

日本版と比べると発電所ではなく橋が爆破されることで、多くの人命が危険にさらされるというのが設定の大きな違い
日本版はマイルドにする制約でもあったのだろうか?

主人公のいるスタジオ内で起こる事件やクライマックスに向かう展開も原作のほうがかなりハード

日本版はメディアとそれに接する我々視聴者について語った物語と受け取ったが、今作はそれよりも大きな「国」や「体制」といったものへの不満を強く感じた

知らなかった原典に触れる機会を与えてくれるという点で、やはりどんなリメイクも歓迎していきたいと改めて思う2作品だった

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作務衣もん

5.0本当に、怖いもの

2025年3月19日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

怖い

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moon-yoko

3.0タイトルなし(ネタバレ)

2025年3月4日
iPhoneアプリから投稿
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こな