ビニールハウス

劇場公開日:

解説

貧困や孤独、介護など現代の韓国が抱える社会問題に根ざした物語が展開するサスペンス。正規の住宅を失った低所得者層が、農業施設であるビニールハウスで暮らす事例などをベースに描く。主演は人気ドラマ「SKYキャッスル 上流階級の妻たち」のキム・ソヒョン。

貧困のためビニールハウスに暮らすムンジョンは、少年院にいる息子と再び新居で暮らすことを夢見ていた。その資金を稼ぐため、盲目の老人テガンと、その妻で重い認知症を患うファオクの訪問介護士として働いている。ある日、ファオクが風呂場で突然暴れ出し、ムンジョンと揉み合う際に床に後頭部を打ちつけ、そのまま亡くなってしまう。ムンジョンは認知症の自身の母親をファオクの身代わりに据えることで、息子と一緒に暮らす未来を守ろうとするが……。

ムンジョン役のソヒョンのほか、ドラマ「キング・ザ・ランド」のベテラン俳優ヤン・ジェソン、ドラマ「ザ・グローリー 輝かしき復讐」のアン・ソヨらが顔をそろえる。監督は本作が長編監督デビューとなるイ・ソルヒ。

2022年製作/100分/G/韓国
原題:Greenhouse
配給:ミモザフィルムズ
劇場公開日:2024年3月15日

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映画レビュー

4.0物語のけん引力は今年屈指。しかし介護や認知症などの描写については一考を要する一作

2024年4月21日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

セリーヌ・ソン監督は長編映画初監督作品である『パスト ライブス』でいきなりアカデミー賞作品賞、脚本賞の有力候補に名を連ね、イ・ソルヒ監督も本作が初の監督、脚本作品です。今年は才気煥発な若手監督のための年なのかも。

ソルヒ監督の語り口は鋭利かつ周到で、冒頭からあっという間にムンジョン(キム・ソヒョン)と彼女の周辺で起きる状況に目を奪われ、そのまま結末になだれ込みます。体感で一時間ほどに感じたあたりで、もう一波乱起きるのかな、と思ったらそのままエンドクレジット。幕切れの切れ味も鋭く、ちょっと唖然としたほどでした。ソルヒ監督は間違いなく、卓越したストーリーテラーですね。

本作では、『パラサイト』(2019)にも通じる、社会格差と貧困、介護の問題など、現代の韓国における深刻な社会問題を取り入れています。その一方、見方によっては、こうした直視すべき現実を、物語を盛り上げるための要素として「道具化」しているようにも見えます。あまりにも語り方が巧みであるが故に、技巧的な側面が際立ってしまっているとも言えます。監督のインタビューでの発言を読むと、監督にそのような意図はないことは明らかなのですが、このあたり、作品が省略した要素を行間を読み取っていきたいところ。

『パラサイト』は、たとえそれが幻想であったとしても一縷の希望をつなぐような結末でしたが、本作に関しては正直言って救いを見出すことが非常に困難です…。すごい作品を観た、という感触は得ても、そこに爽快感や楽しさは伴わないかもしれない、という点については鑑賞前に留意しておいた方がいいかも。

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yui

3.0救いがない・・・

2024年4月19日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

認知症患者が2名登場しますが、結果的に2人とも悲惨な最後を迎えて、関わった介助者も不幸になりましたね。
認知症や重度の要介護者を題材にした映画はなるべく見るようにしていますが、ハッピーエンドで終わる映画はほぼないですね。

「最強の2人」のようなお金持ちの介護をして財産を譲り受ける話や、少年の障害者が徐々に心を開いていくお話はありますが、一般的なお年寄りの認知症患者と関わって、幸せになる話は作り話でも見たことがない。

日本も徐々に「プラン75」のような世界になって行かざるを得ないのかも・・・と不安に思いますね。
少なくともこの映画のような結末だと「プラン75」のように安楽死させる世界の方がマシに思えます。

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ジュンヤ

1.5社会問題を通して人の幸せを問うた作品

2024年4月17日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

なんともやるせない気持ちになる作品でした。

認知症〜介護、高齢化社会、貧困格差、自らが抱える病気・・・などなど、
非常に重たい内容ですし、ラストもこれで幸せなのか!?という終わり方な気がします。

最初の事故が起きた際に、主人公が選んだ選択が
その後のストーリーを決定づけたと思いますし、それが全ての始まりだったと思います。

重たい中にも、ちょっとしたユーモアも感じましたが
苦笑いにしかなりませんでしたね。

俳優も頑張っていましたけれど、ちょっと大袈裟な演技な感がありました。

う〜ん、微妙。

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ひでちゃぴん

4.5仕事の不始末、様々な障がい者との関係、そして『バーニング』

2024年4月17日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

寝られる

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てつ