「松本空港」、
バイクで15分のすぐ近所なのです。
飛んでいるのはフジドリームエアラインズの1日5本だけ。
千歳(2)、神戸(2)、福岡の3路線。
開港当初は他に那覇便もありましたが、残念ながら那覇・伊丹・静岡含め、利益が出ずに廃止なんです。
カウンターが開くのも1日3回のみという閑散。
19時にはターミナルビル閉館。
これだけ暇だから映画のロケもへっちゃらという地方空港です。
鑑賞に先立ち、
三谷幸喜の長まわし撮影の第1作目
「Short Cut」を久しぶりに楽しんでみましたが、
せっかくですから第2作の本作も今回初体験してみたわけです。
第1作の「Short Cut」は、中井貴一と鈴木京香のほぼ2人きりの会話劇でした。
山道を歩き続ける2人を、カメラがぐるぐると回り込みながらノーカットで撮り続ける手法で、面白いのは画面には映らないはずのカメラマンが、=その存在がものすごく際立って背後に感じられる異作であった事。
第2作の本作品は、登場人物が桁違いに多く、役者たちの動線と物語の交錯が目まぐるしいために「カメラの存在」のみならず「ノーカットである事」さえ失念してしまう別物としての出来上がりであった事。
100分。
単調にならなかったのは「脚本の組み立て方の職人技」は当然ですが、各出演者が一筆書きのこの映像の流れの中で「自分がカメラの画角の中で今どのように映っているのか」を完璧に把握していたことに依るのだと思います。
動きにはかなりのアドリブもあったでしょうが、
特に画面からのハケや、遠近の奥行き。顔がキレる立ち位置への身の起きどころ等への絶妙なセンス+身体能力には脱帽です。
笑いながら観終わってみれば、皆さまどうでしょうか?
あのちっぽけなターミナルビルのどこに食堂と売店があり、その奥の廊下を左に曲がると特別待合室で、
階段を降りて左手にはカウンター。
外に出ると赤い郵便ポストがあり、右に回り込めば植え込み植栽の「逢引き空間」とか・・(笑)
長野県に来たことのないお方であっても もはや迷いようがありませんね。なんなら事務所に挨拶してからその横の鉄のドアを開けて、ヘリコプターの駐機所に降りてゆくことだって平気の平左です(笑)
県営松本空港にどうぞお出掛け下さい。
もう、目をつぶっていてもフォロアーの皆さま、館内を歩き回れるものと思います。
どこへでも行けますよね。
各所におられるスタッフさんのお顔や雰囲気も把握はバッチリです。
ただ、我を疑い、はたと気がつくのは
竹内結子さんだけがそこにいない寂しさ。
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