紙の月のレビュー・感想・評価
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片鱗
決して面白くない訳ではありません。
でも僕は主人公の行動に全く理解できませんし、たった1万円からそんな事にまでなるのか?!と疑問を持たずにはいられませんでした。
でも最後まで観て「なるほど」とその疑問は解けました。
昔からその片鱗があったのですね。
最後が良かったです。
横領は犯罪
主人公が銀行のお金を横領してしまうお話。
最初は小さな金額だったのに、気づけばものすごい金額を横領していていた!みたいな。
とにかく観てるこっちがハラハラした。おい、それはバレるぞ、早く逃げろよ!的な感じで非常に楽しめた。
主人公が横領がバレないように試行錯誤するシーンには感心した。あぁ、こんなごまかし方があるんだ、とか、最終的には自分でニセのチラシまで作っちゃったりして。
まぁそれなりに面白かったんじゃないかと思います。
偽物と本物
横領して盗んだ金で暮らした幸せ、池松壮亮くんと暮らした幸せは偽物の幸せ
リエが中学生の頃寄付していた少年とあってその大ききくなった少年が「いいよあげるよ(拾ってくれてありがとう)」と言ってくれたリンゴは本物の善意
紙切れの幸せ
制服は人の本性を隠す。
主人公が私服と制服に着替えることで、中身も変わるようでした。
一見優しそうだけれど、自己中で思いやりの欠ける夫。パート上がりの契約社員ということで、職場でもやや立場が弱いのか。常に周囲の顔色を伺い、自身を抑圧している主人公を見ていて、とてもストレスが溜まりました。身分不相応の生活に溺れて麻痺していく姿にもヒヤヒヤしました。法を犯してまで欲しいものなど自分にはないから、全く共感はしません。
お金持ちが使わないで余っているお金を他人が使う…。経済効果はあるかも知れませんが、主人公による独断の「金の分配」は独りよがりの正義です。彼女のお金じゃないのですから。
預金が一体誰の何の目的の資金になっているか、寄付金が実際どう使われているか、その先は不透明である点を上手く浮き彫りにしていました。「ニセモノでもいいのよ、いいじゃない、キレイなんだから。」そうでしょうか?
お金を使うべき人間が、資金繰りに奔走し、お金に使われる状況に。「お金じゃ自由になれない。」やりたいことをやることが幸せであると信じ、それを我慢する理由がお金である限り、自由ではないのでしょう。無理なくやれていることに幸せを見付けない限り、自分自身を自由にすることは出来ません。
いいよ、あげるよ、(拾ってくれてありがとう)と(言ったのか?)貰った青リンゴ。それこそがホンモノの好意であり、それだけがホンモノの善意でした。
隅さんのように重箱の隅をつついてくれる社員が居なければ、銀行になんて預けられません(^_^;)。
動機づけが弱すぎて感動できず
原作未読で映画だけ鑑賞
主人公が横領へ走り続けて行く動機となる抑圧された生活のシーンが少ない為に非常に弱く、充分夫から大事にされている妻としか感じられず、単なるワガママから横領していったとしか感じられませんでひた。欲望をおさえられず横領に走った主人公が逃亡しただけのラストとしか感じられません。よってラストもいまいち。
エッチシーンが不要に長くて、豪遊シーンをもう少し減らしてもう少し主人公の抑圧された背景をふやせば良かったんでは?
夫に抑圧されたと日常という横領の動機付が抜けては話が台無し。
宮沢りえさんが素晴らしい
原作も読んだのですが、人間の依存や欲望、とにかくお金が怖くなる作品です。単に犯罪だけでなく、人間の奥底の感情がうまく表現されています。大好きな作品です!!クライマックスのシーンが素晴らしく涙が溢れました。
何に揺れ動き、何に動じないのか
主人公のキャラが、他のキャラや状況の移り変わりによってどう行動するのかを見せることで、上手く表現していました。
旦那には言いたいことを言えず、生意気な後輩がいても大人しくしてる。一方で不倫相手には一途、客や行内の噂は横領のために利用(でも行き当たりばったり)。
なぜこんな人なのかというと、子どもの頃からこんな子だから・・・、という流れで見せてくれています。
自分の中にもこういう感情はあるんでしょうが、より色濃く抱えてる人はこんな悪い行動をしてしまい得るのかと考えさせられました。
幸福論
多くの嘘や建前で築かれた社会の枠組から堕ちていく姿を美しい宮沢りえが美しく演じる。対比的にその枠組を巧みに折合いをつける大島優子と枠組と付き合い維持することに平穏を求める小林聡美がいずれも好演。美しく描いているからといって、主人公の行動を善意に解釈する余地は与えてはいない。当人の行動原理を俯瞰する上で、こちら側が必要以上に嫌悪感を抱かせないようにしている。最後の宮沢ー小林のやりとりと少女時代の回顧シーンの輻輳からのラストは秀逸。
お金って怖い
初日舞台挨拶付上映で観賞。
宮沢りえさんほどの美人な主婦の方が、DINKSで働いているとそりゃ誘惑が多いでしょう。無関心なご主人がよろしくない。
大学生に豪遊する味を覚えさせお金でつなぎ止めようとしたが、若い女性に乗り換えられる。これも至極当たり前。
この映画の魅力は、全てが発覚してからの小林聡美さん演じる行員とのやりとりと、その後出奔する宮沢さんの姿。
美しかったです。
もとどおり?
Huluにて鑑賞。
お話の展開は予告編のとおりですが、宮沢りえちゃんの演技がさすがすぎて、見ていてハラハラ、つらさやイタさが伝わりすぎてきてみているのがつらいほど。
どんどん堕ちてゆく様は圧巻です。
宮沢りえちゃん、小林聡美さんの演技が素晴らしい。
泣いた!!めっちゃ好き
何が凄いとかよくわかんないけれど、見終わったあと、ぐわぁーーーー!!ってきて、どばーーーーーってきたのよ!!んで、今まで生きてて良かったーーー!!って思いました(笑)
ぐわぁーーーーってきてどばーーーーーーっときたので、カメラワークがどうこう演出が〜〜なんてあんまり覚えてないのですが、
主人公がおそらくサイコパス。映画的なサイコパスじゃなくて近所にサイコパスがいたら多分こんな感じ。
たまに、友達でも一緒に飲みに行ったりとかして悩み聞いてて途中までは共感出来るんだけど、途中からエスカレートしていって
「あ〜あるあ…いや!ねーよ!!」
みたいな事をしでかす人っていますよね?
どうかと思うんだが、あまりにもぶっ飛びすぎて楽しいので、毎度その友達を飲みに誘う。
こんな感覚に似ている。
主人公がぱーーーーっと自我を解放するのと一緒に見てる自分も何かが解放されてる気がするので見ていて気持ちいいです。
主人公が普通の人がこうなっちゃったという演出なら多分開放感よりも罪悪感を観客に強く植え付けていったと思う。
よりこと同様なかなか解放出来ない、そんな発想もないのが普通ですからね。
予告どおりというか…
だいぶ前に劇場で見ましたがレビュー。
テレビCM等で予告を見て気になり、かなり期待して鑑賞しました。
予告では、主人公が若い男に貢いで銀行の金を横領、最後は走って逃げるシーン…
話の流れそのものというか、予告がまんまストーリーだったので。
そこからまたひとひねりあるのかなーと思っていたので、え?という感じで終わっちゃいました。
多分人生で初めて鑑賞後に損したなーと思った映画です。
役者さんの演技はもちろんよかったですし、
今でも印象に残ってるシーンは多いです。
犯行シーンは見ててハラハラしました。
映画を見るときどこに重きを置くかによって、楽しめるかどうか決まる作品かなー。
原作やドラマ版とは別物と思えば
映像表現や音楽の合わせ方はさすがだなと思いましたし、宮沢りえさんの美しくも苦しく変化して行く演技は良かったです。
ただ、いかんせん私は原作者ファンなので、原作者が作品を通じて描いていた、主人公の同級生の視点を交えた女性特有の生きづらさや純真さと裏返しの脆さ、誰かの役に立たなければ何者にもなれない、ここではないどこかに行って自分ではない何者かになりたい、、、という女性の持つ焦燥感のようなものはあまり描かれていなかったかなと思いました。旦那の何気ない発言に少しずつ磨り減ってていく描写とかも軽かったように思います。NHKのドラマ版が良かったから尚更そう感じたのかも。
ともあれ逆に言えば、そのへんの複雑なところをそぎおとしたことで、男性や原作者ファンじゃない方にも分かりやすく楽しめる映画になっているのかなとも感じました。
罪悪感という調味料をたっぷり使ったフルコース。 ちょっと調味料多す...
罪悪感という調味料をたっぷり使ったフルコース。
ちょっと調味料多すぎで消したくなるくらいでした。
お金の怖さを伝える映でもあります。
「返せば本当に元通り?」(小林聡美)が印象深い。
意外に良かった宮沢りえ・・
直木賞作家の角田光代のベストセラー小説が原作。小説も読んだし、NHKのテレビドラマも観た。映画は意外に主演の宮沢りえが熱演だった。ストーリーは、銀行員の女が年下の男に横領した金を貢いで、夫にも銀行にもバレるというものだが、女性なら誰しも陥りそうな問題だと感じた。人間の内面をえぐるような作品で、果たして宮沢りえに演じられるだろうかと思ったが、心配は無用だった(笑)とにかく考えさせられる作品・・2014年の邦画。
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