鉄くず拾いの物語

劇場公開日:

鉄くず拾いの物語

解説

アカデミー外国語映画賞受賞作「ノー・マンズ・ランド」のダニス・タノビッチ監督が、ボスニア・ヘルツェゴビナに住むロマ民族の女性が体験した実話をもとに、ドキュメンタリータッチで描いたヒューマンドラマ。2011年末、ロマ民族の女性セナダが保険証を持っていないために手術を受けられないという新聞記事を見たタノビッチ監督が、その現状を世間に訴えようと、演技経験のない当事者たちを主演に迎え、わずか9日間で撮り上げた。13年・第63回ベルリン国際映画祭では、セナダの夫で本人役を演じたナジフ・ムジチが主演男優賞に輝いたほか、審査員特別賞、エキュメニカル賞特別賞も受賞した。

2013年製作/74分/ボスニア・ヘルツェゴビナ・フランス・スロベニア合作
原題または英題:Epizoda u zivotu beraca zeljeza
配給:ビターズ・エンド
劇場公開日:2014年1月11日

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

受賞歴

第63回 ベルリン国際映画祭(2013年)

受賞

審査員グランプリ(銀熊賞) ダニス・タノビッチ
最優秀男優賞(銀熊賞) ナジフ・ムジチ
詳細情報を表示

関連ニュース

関連ニュースをもっと読む

映画評論

フォトギャラリー

映画レビュー

0.5鉄くずの様な映画だ

2023年7月6日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 0件)
マサシ

3.5【ボスニア・ヘルツェゴヴィナに暮らす被差別民族ロマの、貧しい一家に起きた事をドキュメンタリータッチ描き出した作品。】

2022年8月24日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

知的

難しい

■ボスニア・ヘルツェゴヴィナで貧しくも幸福に暮らすロマの一家。
 夫のナジフ(本人)の仕事は、鉄くず拾い。
 一日働いても、稼ぎは僅か。
 だが、妻・セナダ(本人)と二人の幼い娘と細やかな幸福の中、暮らしている。
 ある日、妊娠中の妻・セナダは激しい腹痛に襲われ病院に行く。
 夫のナジフは医師から今すぐに手術をしなければ危険な状態だと告げられるが、保険証を持っていない彼らは手術代980マルク(約7万円)が支払えず…。

◆感想

・今作は、ヨーロッパで歴史的に遊牧民として暮らして来たロマ(かつては、ジプシーと呼ばれていた)の厳しい現実を映し出している。

・一日掛かって、廃車を解体して、解体業者に持ち込んでも、稼ぎは10数マルク。
健康保険証もない。

・ボスニア・ヘルツェゴヴィナ紛争に駆り出されても、彼らには恩賞金は一切出ない。

<今作はそんな厳しい生活の中、流産した妻を助けるために自らの車を解体し、助ける夫の姿が描かれている。又、彼を助ける同じくロマと思われる近隣の人々の姿も心を打つ。

 だが、暗澹たる気持ちになったのは、今作で本人役で出演したナジフ氏が、映画の成功により仲間から疎外され、希望したドイツへの亡命も叶わず、僅か48歳で亡くなったという事実である。
 死因は不明とされているが・・。
 ロマの民が、ヨーロッパで生きる厳しさが、そのような事実からも伝わってくる作品でもある。>

コメントする 1件)
共感した! 3件)
NOBU

4.0胸をえぐられる

2019年5月16日
PCから投稿

悲しい

ドキュメント、と言っていい。
貧困に喘ぐ実在の家族を追った胸をえぐられるような作品。
他国の話だけでは済まされない。
鑑賞日:2015.1.11

コメントする (0件)
共感した! 0件)
miharyi

3.5ボスニアヘルツェゴビナの冬

2018年6月14日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:TV地上波

難しい

幸せ

・車を解体して鉄材を売って日銭を得る父ナジフ、保険証がなく流産が発覚しても費用が高すぎて手術を受けられず家で寝込んでしまう母セナダ
・兵役を勤めても生活保証がない父が漏らした「戦争に行ってたときの方がよかった」の一言に様々な感情が含まれてた
・娘の二人姉妹がどんなときも遊び回ってる、弟カシムは呼ぶとすぐに手を貸してくれる、車を進んで貸してくれた近所のひとたちなど明るいシーンもある
・ドキュメンタリー多と思うほど家族のやり取りが自然だったが、当事者が演じたものだと知り納得
・貧困だがその時出来ることを淡々とこなす父の後ろ姿が印象的
・・・

コメントする (0件)
共感した! 0件)
mimiccu