オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ インタビュー: スタイリッシュなバンパイアを演じたティルダ・スウィントンが語るジム・ジャームッシュとの仕事

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オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ

劇場公開日 2013年12月20日
2013年12月17日更新
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スタイリッシュなバンパイアを演じたティルダ・スウィントンが語る
ジム・ジャームッシュとの仕事

スレンダーな長身に、透き通るような肌とブロンドの短髪がなおさら中性的な雰囲気をたたえたティルダ・スウィントン。目の前にする彼女は「オルランド」時代と変わらぬ惚れ惚れするほどのオーラを放ちながらも、自然体の魅力を漂わせている。常人とは異なる根っからのアーティストとは、彼女のような人を指すのだろう。もともと英国実験映画の雄デレク・ジャーマンとのコラボレーションでキャリアをスタートさせ、最近では「ムーンライズ・キングダム」や「スノーピアサー」などのハリウッド映画に出る一方、自身のアート・インスタレーションを各地で発表するなど、その活躍の領域を広げている。「ブロークン・フラワーズ」で初タッグを組んだジム・ジャームッシュの新作「オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ」で現代に生きるスタイリッシュなバンパイアを演じた彼女に話を聞いた。(取材・文/佐藤久理子)

——この映画はメランコリックでありながらユーモラスでもあり、まさにジム・ジャームッシュらしい映画と言えると思います。あなたは「ブロークン・フラワーズ」「リミッツ・オブ・コントロール」に続きジャームッシュとはこれが3度目のコラボレーションで、本作の企画に関しても7年前から聞いていらしたそうですね。ジャームッシュ監督の特徴をどんな風に捕らえていますか。

「わたしの場合、往々にして長い年月のなかで同じ人と仕事をし続けることが多い。そういうやり方が好きなの。でも予算が集まらないことが少なくない(笑)。今回もそうだったわ。でも長い時間を掛けることの利点は、実際撮影になったとき、そのキャラクターは自分の血肉となっているということ。だからとてもナチュラルに演じられる。ジムの映画特有のゆったりしたリズムにも自然に馴染んでいた。あなたが“とてもジャームッシュらしい映画”というのは素晴らしい褒め言葉だし、わたしも彼の映画の一ファンとしてまさにその通りだと思う。彼はこの映画でいっさい妥協をしていない。7年掛かろうが、17年掛かろうが、彼はこの映画を自分の好きなように完成させたでしょう。彼のようなフィルムメーカーと一緒に仕事をする場合、ある種の忍耐が必要になる。でも彼はそれに値する監督だし、それによって彼特有のフィーリング、映像、音楽などが一体となった作品が出来上がるの」

——この映画は現代社会において生きづらいアーティストのメタファーだと思いますか。

「それはとても興味深い意見だわ。優れたアートワークはみんな多かれ少なかれ社会のメタファーだと思うけれど、偉大なアーティストとその作品はつねに“不死身”という意味で比較できると思う。本作においてアダムはまさにジム自身よ。一般的には、今日の社会においてアーティストが妥協を余儀なくされるのは、残念ながら珍しいことではないと思う」

——あなたにとってのバンパイアのイメージとは? これまでのバンパイア映画で好きなものはありますか。

「今すぐには思いつかないけれど……。じつは『トワイライト』シリーズも『トゥルー・ブラッド』シリーズも見たことがないの。わたしはなまけ者なのよ(笑)。奇遇にもわたしはつねに、この映画のようなアーティストのバンパイアを見たいと思っていた。わたしたちがこれまで知るバンパイアというのはだいたい、やりたいこともないようなキャラクターだったでしょう(笑)? 多くの時間、退屈にしているような。それにイヴをわたしが好きな理由は、彼女はとても陽気で情熱的なバンパイアだということ。それが彼女をつねにリフレッシュさせている。もちろんアダムに対する愛もその理由のひとつだわ。この映画は、世界から疎外されたアーティストにとっていかに他の魂と結びつくことが大切かを描いていると思う。アダムの魂はイヴが現れると救われる。それが、彼らの愛が永遠に続く理由だと思う」

——今日、あなたのキャリアはこうしたアート・フィルムとスタジオ系の大作と、とてもバランスが取れているように思えます。

「そうね、わたし自身はそんなにスタジオ映画をやっている印象はないのだけど(笑)。スタジオ映画をやるときは、わたしがすごく一緒に仕事をしたいと思う監督のときだけ。たとえば最近もポン・ジュノの『スノーピアサー』」に出たけれど、とてもエキサティングな経験だった。早く本編を見たくて仕方がないと思えたわ」

——あなたはデビッド・ボウイと旧知の仲で、最近も彼のPVに出ていましたが、彼もやはり「ハンガー」というバンパイア映画に出演していますね。この映画を見たとき、わたしはなぜかボウイのことを彷佛させられました。

「ものごとは不思議な巡り合わせで繰り返されるのよ(笑)。じつはわたし自身も最近、彼のことを思い出したの。というのも、彼と共演したPVの「The Stars (Are Out Tonight)」という曲もまた、不死について歌っているから。彼にはぜひこの映画を見てもらいたいわ」

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