あなたを抱きしめる日まで

ALLTIME BEST

劇場公開日:2014年3月15日

解説・あらすじ

イギリスでベストセラーとなったマーティン・シックススミスによるノンフィクションを映画化し、50年前に生き別れた息子を探し続けた女性の姿を、「クィーン」のスティーブン・フリアーズ監督、名優ジュディ・デンチ主演で描いた。1952年、アイルランド。18歳で未婚の母となったフィロメナは親から強制的に修道院に入れられ、3歳になった息子のアンソニーはアメリカに養子に出されてしまう。それから50年後、イギリスで娘のジェーンとともに暮らしていたフィロメナは、手離した父親違いの息子の存在をジェーンに明かす。ジェーンが偶然知り合ったジャーナリストのマーティン・シックススミスとともに息子探しの旅に出たフィロメナは、アメリカの地で思いもよらぬ事実を知ることになる。「24アワー・パーティ・ピープル」などで知られる英俳優スティーブ・クーガンが企画を立ち上げ、脚本やプロデューサーを務めたほか、原作著者でもあるシックススミス役を演じている。

2013年製作/98分/G/イギリス・アメリカ・フランス合作
原題または英題:Philomena
配給:ファントム・フィルム
劇場公開日:2014年3月15日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第71回 ゴールデングローブ賞(2014年)

ノミネート

最優秀作品賞(ドラマ)  
最優秀主演女優賞(ドラマ) ジュディ・デンチ
最優秀脚本賞 スティーブ・クーガン ジェフ・ポープ
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(C)2012 PHILOMENA LIMED, PATHE PRODUTIONS, BRITISH FILM INSTITUTE AND BRITISH BROADCASTING CORPORATION. ALL RESERVED.

映画レビュー

4.0 重たいテーマなのに、この映画は少しユーモアに描く。主人公のフィロミ...

2025年9月5日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

重たいテーマなのに、この映画は少しユーモアに描く。主人公のフィロミナ・リーが実際にそうだったのか分からないが、良く喋り 娘思いで、自身の罪を認め(罪は無いと思うのだが)、誰も訴えるつもりは無くて、そして神を信じている。
話しがトントン拍子に進むのがいい。
出だしが早くて、全体の尺も短い。
人物紹介と時代背景をサラッと描き、12分後にはフィロミナとシックススミスが合う。
そこからは過去パートの回想や説明と、2人の旅が始まる。
正反対の2人のロードムービーでも有り、真実の探求である。イギリス→アイルランド→アメリカ。
今では素晴らしい国になったアイルランドは1995年くらいまでは、酷い部分もあったらしい。カトリックの厳しすぎる決まりで、結婚前の妊娠は許されなかった。

壁に貼られた写真の中に、場違いな雰囲気の女優ジェーン・ラッセルがいる。彼女は熱心なキリスト教徒で、養子縁組の支援活動も行っていたらしい(←Wikiより)。この映画ではロスクレア 聖心修道院から子供をを買った事になっている。真実は知らないが当時アイルランドから孤児を買っていたアメリカ人には悪意は無かったかも知れない。しかし法律的には犯罪で、今も多くのアイルランド人の養子とその母親がお互いを捜し続けているのは事実。

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ナイン・わんわん

4.0 3.9

2025年5月13日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

知的

意外な展開が引きつける
既に何事も悟った者と人並みの感情を出す者との組合せが面白い

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トシ

4.0 ジュディ・デンチの間の取り方に真実を見た

2025年5月10日
スマートフォンから投稿

子供を探す母親役に
ジュディ・デンチ
やはり上手い

長い苦しみ、許し
刻まれた深みがある

重いだけでは映画は沈む
浮力を持たせる記者
彼の軽快さと洞察力
それが加わり魅力倍増

実話の映画化
許しがあって
人は前に進む

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星組

4.0 赦すこと、赦さないこと

2025年5月9日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

知的

 言ってみれば息子捜しの母親とジャーナリストによるロードムービー。最初は互いに受入れられなかった凸凹コンビがアイルランドからアメリカへと旅をして、2人とも宗教面や天職、さらにはLGBTQについての認識が成長するという典型的なパターン。しかし、フィロミナの言葉を借りれば、100万人に1人の割合での奇異な体験をする物語・・・しかも実話。

 もっとも注目されるべきはカトリック教会。ジャーナリストのマーティンは昔は信じていたと言っているほど理解はあるが信仰心はない状態。フィロミナが私生児を産んだというだけで4年間の過酷な労働を強いられ、しかも息子を引き離され行方知れずとなったことに憤りを覚えるほどだった。その批判精神が仕事を引き受けた動機でもあったわけだ。

 アメリカに渡った2人は息子が10数年前に死んでしまったことを知る。しかもブッシュ、レーガン時代に法律の顧問を担当するほど偉い仕事に就いていたことも知る。それでも息子が母のこと、故郷のアイルランドのことを慕っていたかどうかを確認したい。記事にならないのなら自腹でアメリカに残るとも説得したフィロミナ。彼女に説得される形で、元同僚、元恋人を訪ねることになったのだ。

 息子の写真にはケルトハープのバッジが・・・まさに一周回って故郷のアイルランド、しかも親子の縁を裂いた教会に埋葬されたという。教会が金のために養子縁組したという悪。シスターヒルデは罪はイエスが判断するのだと強硬手段。そして、成長したフィロミナの「赦す(forgive)という言葉がずしりと響く。

 娘ジェーンの心情が最初だけしか出てこなかったり、周囲の反応もわからなかったりと、ロードムービーの特徴の一つなんだろうけど、ちょっと不満も残る。50年間誰にも喋らなかったというフィロミナの精神的苦痛も彼女の明け透けな性格によって吹き飛んでしまっているし、どことなく悲しくはならない悲劇だったと言えようか。

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kossy