監督の一人とプロデューサーのトークショー付き観賞会で視聴。
「東北記録映画三部作」の最終章に位置付けられた映画。
1、2章と違い震災の話・画は一切出てこない。1、2章を撮っている時に、民話語り部を撮る話が現地から持ちかけられ、偶然・必然的にこの作品が最終章という位置づけになったそうな。
語り部たちの語る民話と、その語り部の半生・民話との関わりについてのインタビューで構成されている。
初め硬かった語り部たちが、だんだんと柔らかくなってくる。特に玲子さんの上品な年輪を重ねた艶っぽさ。ああ年をとるのも良いもんだと思う。
小野先生を中心に語り部4人の、場面によってはもっとたくさんに方々の、炬燵を、テーブルを囲みながらの二人もしくは数人での会話を撮っているはずなのに、時に真正面に映画を観ている私達に相対して語られる。
えっ、どうやって撮っているの?カメラはどこにあるの?そんな不思議な空間。
監督から種明かしをされれば、そうか、面白い、なるほど、そういう手があったか。
そして合間に挟まれる景色の美しさ。
正直、語りは方言で、わかったようなわからなかったような。
でも何故だろう、何か浮遊していた自分の魂が、過去・現在・未来に繋がり、地に足が付いた気分にさせられる。
東北は、日本は、今までだってたくさんの災害他に飲みこまれ、翻弄されてきたけれど、ああ、昔からの営みと景色はずっと続いてきたし、続いていくんだなあ、としみじみと感じいる。
大地からエネルギーを頂き、自分も大気に放出している気分。
自分達が欲しい話・画だけを搾取するようにとっていく報道番組とかでありがちなものではない。監督達が人の中に入り、関係を紡ぎ出した中で生まれ、丁寧に作られた作品。
※見る人を選ぶ映画です。
じわるか、飽きるか、見る人次第。