真夏の方程式

劇場公開日:2013年6月29日

解説・あらすじ

東野圭吾原作、福山雅治が天才物理学者・湯川学を演じる人気シリーズの劇場版第2作。子ども嫌いで有名な湯川が、10歳の少年・恭平と海辺の町で夏を過ごすことになり、事件に巻き込まれていく姿を描く。手つかずの美しい海が残る玻璃ヶ浦で海底資源の開発計画が持ち上がり、その説明会に招かれた湯川は、宿泊先の旅館「緑岩荘」でひとりの少年・恭平と出会う。やがて旅館の近くで男性の変死体が発見され、遺体の身元が「緑岩荘」に宿泊していた元捜査一課の刑事・塚原だということがわかる。地元警察は塚原の死を転落死として処理しようとするが、現地入りした捜査一課の岸谷美砂は、塚原の死に不可解な点があることに気づき、湯川に事件解決への協力を依頼する。吉高由里子、北村一輝らシリーズのレギュラー陣に加え、杏、風吹ジュン、前田吟らが共演。監督は前作「容疑者Xの献身」と同じく西谷弘。

2013年製作/129分/日本
配給:東宝
劇場公開日:2013年6月29日

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(C)2013 フジテレビジョン アミューズ 文藝春秋 FNS27社

映画レビュー

3.0 心に傷が残りすぎです!

2013年7月1日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

怖い

知的

テレビ未視聴、原作未読、映画のみのお付き合いです。
安心安定品質のフジテレビ映画、さすがです。冒頭に伏線を張り巡らし、後半からサクサクと回収。小気味よく楽しめました。海の青さも清々しく、暗くベタベタになりかねない話をぐっと引き上げてくれます。豪華キャストの配し方もなかなか。(個人的には、本作含め最近の西田尚美さんの役回りは魅力が生かされず残念な気がしますが…。)久しぶりの白竜さんはハマりすぎでした! 杏の少女時代を演じた子役さんは、本人かと思うほど面影が重なり、びっくりしました。また、彼らの出会いのきっかけとなる環境保護と資源開発の論争、湯川の「グレーの選択」発言が、善悪をすっきり二分できない人間の性、主役一家が抱える秘密のメタファーとなっている点もうまいなあと感じました。
…とはいえ。
観終えた率直な感想は「…ひどい話」。謎解きとしてはよくできていると思いますが、少年に対する仕打ちがひどすぎます。心の傷が心配です。主人公一家はあんなに互いを慎重に思いやっていたのに、親戚の子への配慮がなさ過ぎるのでは?と思いました。実の親も愛情深いとは思えず、彼の将来が心配です。…もしや、そうして彼は科学にのめり込み、第二の湯川博士になる? ひょっとして、再会して擬似親子に? 「そして父になる」につながっていくのか?…などと取り留めない妄想が膨らむのでした。
「そして父になる」の福山さんに会うのが待ち遠しいです。

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cma

4.0 「ガリレオ」シリーズでは出色の出来

2022年3月30日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会、映画館、TV地上波

2022年9月にシリーズ最新作「沈黙のパレード」が劇場公開を控えているが、現時点では「ガリレオ」シリーズで、この劇場版第2作「真夏の方程式」が最も完成度の高い作品と個人的には感じている。

東野圭吾氏の原作で、福山雅治が天才物理学者・湯川学を演じる人気シリーズ。湯川の口癖は、「実に面白い」。子ども嫌いで有名だが、今作では10歳の少年・恭平と海辺の町で夏を過ごすことになり、事件に巻き込まれていく姿を描く。この恭平との触れ合いが、今までのシリーズでは見たことのない表情を垣間見ることができる。
また、レギュラー陣ともいえる吉高由里子や北村一輝も観る者の目を楽しませてくれるが、今作では杏の芝居が素晴らしいことも特筆しておく。

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共感した! 4件)
大塚史貴

3.5 猟奇的殺人家族

2025年9月25日
iPhoneアプリから投稿
ネタバレ! クリックして本文を読む
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共感した! 0件)
オプオプ

5.0 少年への眼差しが哀しくも愛おしい。

2025年9月21日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

興奮

知的

夏になると、どうしても見直したくなる。夏を舞台にした日本映画屈指の名作だ。やはり「真夏の方程式」が映画としては一番に東野圭吾作品の世界観を表現できているのではと思う。ペットボトルロケットのシーンの美しさは邦画では出色の出来だった。あの瑠璃色の海中の美しさを少年に教えてあげる、偏屈な物理学者の優しさが堪らない。理科好きは当然のこと、理科嫌いでもワクワクする実験装置、それもごく普通に身の回りにあるグッズで可能になるスリリングなアイデア。事件の本筋は東野圭吾作品にありがちな、愛する人を護るための自己献身の物語だが、今回はその犯行の課程でいたいけな少年を犯行の共犯者に仕立ててしまった大人の罪作りが大きなテーマとなっており、これが真夏の太陽と海の輝きと、どす黒い大人の悪意と一寸した思い付きで子どもを事件に巻き込んでしまう軽率さが相まって、何とも切ない想いが胸を締め付ける。「容疑者Xの献身」は小説は面白かったが、映画は困り物だった。小説は単なる自己犠牲の美談だけではではなく、他人に認められない天才が、己の才能に酔って暴走する哀しさを表現していたと思う。最後に何で?と慟哭するのは、単に「なぜ、俺の気持ちを分かってくれないのか?」だけではなく、完璧なはずの作品を、何故ぶち壊してくれたんだ!との悔しさと怒りが込められていたと思う。小説は読み取れたが、映画は堤真一という見目麗しい男にして、醜男の独りよがりの深情けと嫉妬と天才故の自己満足・自己陶酔のカオスが表現出来ていなかったので残念でした。同じように横溝正史の「悪魔の手毬唄」も、映画では単に近親婚を避けるため、が犯行動機として描かれていたが、小説を読めば、犯人のリカが自分も元芸人で、その能力を発揮出来ずに田舎で燻らなければならなかった哀しさを、「見立て殺人」という奇想天外な犯罪を演出して見せる自己満足・自己陶酔の賜物だと読み取れたのだが。映画「沈黙のパレード」も被害少女の叔父の増村のエピソードをあっさりと短くし、ヘリウム風船のガスボンベのミスリードをバサッとカットしたりとちょっと残念でした。その点、この「真夏の方程式」は小説の世界観を変にいじることなく映像化してくれていて、また、夏を舞台にしたこの小説を見事にビジュアル化してくれて、監督に感謝したい。

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羅生門

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