最終目的地

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最終目的地

解説

「眺めのいい部屋」「日の名残り」で知られる名匠ジェームズ・アイボリーが、アメリカの作家ピーター・キャメロンの同名小説を映画化したドラマ。南米ウルグアイの人里離れた邸宅に、いまは亡き作家の妻と愛人、娘、兄、そして兄のパートナーの男性が暮らしていた。ある日、作家の伝記を書きたいというアメリカ人青年のオマーが邸宅を訪れるが、妻キャロラインはその申し出を拒否する。一方、兄アダムは遺族として公認を与えるかわりに、オマーにある提案をもちかけ……。亡き作家の兄アダム役にアンソニー・ホプキンス、妻キャロライン役にローラ・リニー。アイボリー監督の「上海の伯爵夫人」(2005)にも出演した真田広之が、アダムのゲイのパートナー役で出演している。

2009年製作/117分/G/アメリカ
原題または英題:The City of Your Final Destination
配給:ツイン
劇場公開日:2012年10月6日

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映画レビュー

4.0上質の会話、音楽、ファッション…至福の二時間

2013年1月24日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

興奮

知的

幸せ

原作を読みながら公開を待っていた作品。真田広之(敬称略)本人の言葉か記憶が定かでないが、「現代劇を演じるのに運転免許が必須であるように、時代劇をやるなら乗馬ができて当然」という、20年以上前にふれた言葉が忘れられない。本作では、そんな彼が軽トラと馬を自在に乗り回す姿を堪能できた。
もちろん、本作の見処はそこだけではない。文学作品と相性のよい、あのアイヴォリー監督の新作、という期待にしっかり応えてくれる。特に今回は、南米ウルグアイを舞台とした現代ものである点が新鮮だった。同監督作品といえば、丈の長いドレスを纏った女性やカフスボタンが袖口で光る男性たちの恋愛模様…といった歴史物の印象が強い。閉じられた環境の中で、ときに伸びやかなきらめきを見せる登場人物たち。ところが本作では、開放的な異国に流れ着いてきた老若男女が、それぞれに孤独を抱え、所在なく過ごしている。濃く美しい緑、瑞々しい水辺、パワフルな砂ぼこり、心に染み込むような音楽。…そんな目新しい素地に、同監督らしい味わい深い会話の応酬が被る。ゆったりとしたリズムで発せられながらも、時に鋭く斬り込んでくる言葉たち。文字を目で追うのとは異なる、映画ならではの至福を存分に味わった。
また、それぞれの個性が光るファッションも忘れ難い。可憐で軽やかな死んだ作家の若き愛人・アーデン、田舎には不釣り合いなセレブ然とした妻・キャロライン、スカーフや帽子など小物遣いに洒落っけが垣間見える兄アダム。物語が進むにつれ、変化が生じていく様子にも心が沸き立つ。服装がその人となりを映す、ということを改めて感じた。
言わずもがなながら、キャスティングは絶妙。バラバラの境遇を持ちながら、どこか同じ匂いがする人々を、名優アンソニー・ホプキンス、ローラ・リニー、シャルロット・ゲンズブールらが、互いの持ち味を引き出しつつ演じている。そしてやっぱり、推しておきたいのは真田の好演。原作ではタイの若者・ピートの年齢をぐっと上げ、それでも実年齢より十歳若い役柄を颯爽と演じている。彼こそキーパーソンと原作を読んだときに感じていたので、真田に息吹を吹き込まれたピートを堪能でき、とても満足した。
本作には、優雅な午後の紅茶よりも、とろりとした琥珀色のお酒の入ったグラスがよく似合う。

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cma

3.0ホプキンスさんと真田広之さんがチュってやっちゃ・・った!!(~ロ~...

2018年10月18日
PCから投稿
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miharyi

4.0ホルヘ・ドレクスレルの音楽

2018年9月23日
Androidアプリから投稿

まったり過ごしたい夜に ぼんやりお酒片手に 見るのに向いている映画

一人の青年が 自殺した作家の伝記を書くために、ウルグアイの彼の遺族の邸宅を 訪れるたことから 起きる波紋の物語

結局、現地人達とは 親密な交わりはなく 彼らだけで固まることになるから、中心人物のいなくなったことで 心の寄り処はない
ただ、なんとなく 固まっていただけ…

脚本家が女性のせいか、妻と愛人、愛人と青年の恋人、妻と青年の恋人、間のやり取りを 面白く感じた
作家の兄アダムと恋人ピートの関係は 何とも思わないが、ホプキンスと真田の組み合わせに ?
アイヴォリーのたっての希望だったらしいが、真田は 何故か、ウルグアイの風土にも合っていない
(ノーブル過ぎるのか?)

ウルグアイの土地に 馴染める者とそうでない者、愛を優先する者とそうでない者、青年の訪問で 価値観の取捨選択が始まり 各々が最終目的地に向かう
人生は 離合集散 なのだ… と、まったり考える
スペインのオペラハウスで 再会したキャロライン(妻)とディアドラ(青年の元恋人)は 呉越同舟の二人か…

死んだ作家の妻 キャロラインを演じる、ローラ・リニーが 複雑で魅力的な、そして田舎では酸欠状態になってしまう(文化的刺激が無いと、駄目)女性を好演している
お洒落の方向も 都会を向いている(笑)
ちなみに 愛人と言い争う場面で 着用しているのは、日本の半纏(印半纏)!
あまりに 自然に、お洒落に着こなしているので 思わず見過ごしてしまうほど…

それぞれが 新たな道を進む時、お互いを思いやり始めるのがいい
「作家」と「その伝記を書く行為」によってもたらされた時間と経験が、共通の思い出に変わり、優しい気持ちになるからだ
(ある意味 同士になった、とも言える)
一見、木偶の坊に思える青年の行動が 時計の針を動かし始める運命の妙味と、俳優達の見せる アンサンブルが気持ちよい

ゆったりと、ウルグアイの景色を背景に流れる ホルヘ・ドレクスレルの音楽に メロメロです

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jarinkochie

4.0運命を変える自問自答

2015年1月27日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

幸せ

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つじ