巨人 大隈重信
劇場公開日:1963年11月2日
解説
「妖僧」の八尋不二が脚本を執筆、「舞妓と暗殺者」の三隅研次が監督した伝記もの。撮影は「ぐれん隊純情派」の小林節雄。
1963年製作/103分/日本
配給:大映
劇場公開日:1963年11月2日
ストーリー
明治元年三月二十三日天皇に謁見する為、皇居に向っていた英国公使パークスの行列に二人の暴漢が襲いかかった。時を同じくして、長崎で国禁のキリシタン四千名を処刑しようとしたところ、教徒が外国公館に訴え列国は強硬な抗議をしてきた。誕生間もない新政府の命とりにもなりかねないこの二つの事件。この難局に、大隈重信は伊藤博文、井上馨の推挙によりあたることとなった。大隈三十一歳の時である。パークスの頑強な談判の前に“法律は他国の圧迫によって改められるべきでない”と論破する大隈の言は若輩ながら見事であった。事件の落着をみた翌年、大蔵、民部を兼任することになり妻綾子をめとった。しかし、大隈の欧米流の考えについてゆけない重臣達は事あるごとに彼の失脚を狙っていた。首席参議になった大隈は、藩閥政治の弊害を破り、憲法をつくり、国会を開設しようと奔走したが、これを敵視する政府をはじめ、親友伊藤までが、彼の罷免を決定した。これを知った世論は、大隈側についた。かくて政府は国民感情を鎮める為、政商保護を取消し、明治二十三年には国会を開設するという公約を発表した。これを時と大隈は野に下り、立憲改進党を組織し、早稲田専門学校を創立した。あらゆる苦難をのりこえた大隈の新事業も、時を経るにつれその真意はくまれた。明治二十一年、再び政界に入り不平等条約改正に着手した大隈の前に、反対派の声がはばんだ外国人判事に裁判権を持たしたという事に意を曲げているのだ。しかし信念を曲げない大隈の言論は、天皇の御裁可を戴き新条約は成立した。これをよしとしない右翼、玄洋社の壮士来島恒喜に大隈は狙はれ片足を失ったが、明治三十五年、早大創立二十周年の祝詞は、巨人大隈を讃えていた。
スタッフ・キャスト
-
大隈重信宇津井健
-
伊藤博文内藤武敏
-
井上馨藤巻潤
-
黒田清隆小池朝雄
-
山県有朋高松英郎
-
西郷従道石井竜一
-
三井子瀧花久子
-
綾子坪内ミキ子
-
三条実美春本富士夫
-
岩倉具視伊東光一
-
東久世通禧中条静夫
-
木戸孝允北城寿太郎
-
大久保利通佐々木孝丸
-
畑剛造石黒達也
-
北畠治房杉田康
-
副島種臣原田玄
-
田中早川雄三
-
お玉渋沢詩子
-
留吉小山内淳
-
八王郎三角八郎
-
お八重三条魔子
-
小野梓神山繁
-
矢野文雄北原義郎
-
犬養毅千波丈太郎
-
尾崎行雄風間圭二郎
-
高田早苗長田健二
-
天野為之遠藤哲平
-
藤田一郎守田学
-
大石(学生)川畑愛光
-
川上(学生)森矢雄二
-
広井(学生)当銀長次郎
-
長尾(学生)石黒三郎
-
都留(密偵)仲村隆
-
後藤象二郎藤山浩二
-
中井弘根上淳
-
松方正義夏木章
-
福地源一郎小原利之
-
小松帯刀片山明彦
-
渋沢栄一本郷功次郎
-
福沢諭吉船越英二
-
山階宮花布辰男
-
サトウ岡田眞澄
-
来島恒喜工藤堅太郎
-
近江屋星ひかる
-
玄洋社々員横山明
-
玄洋社々員荒木康夫
-
玄洋社々員森一夫
-
高木(医官)大山健二
-
佐藤細川啓一
-
江藤新平武江義雄
-
板垣退助津田駿二
-
大木喬任山中雄司
-
本願寺の坊主大塚弘
-
宮家の門衛大辻伺郎
-
坂下門の門衛大庭健次朗
-
明治天皇(十六才)北川隆