情熱の詩人啄木
劇場公開日:1962年3月4日
解説
「五人の突撃隊」の星川清司のシナリオを、「明日を呼ぶ港」の島耕二が監督した文芸もの。撮影は「家庭の事情」の小原譲治。
1962年製作/80分/日本
配給:大映
劇場公開日:1962年3月4日
ストーリー
明治三十六年、石川啄木十八歳。盛岡市内の下宿を追われるほど、困窮はその極に達していたが、良き恋人節子を得、更に新文芸誌「小天地」の発行を計画する啄木の意気は軒昂たるものがあった。岩野泡鳴、与謝野寛、小山内薫、正宗白鳥、網島梁川等、三十数名の執筆を得、中央の文壇をそっくり盛岡にもつくるのだと、啄木は、旺盛な創作意欲を見せていた。明治三十九年、啄木二十一歳。期待された「小天地」は、好評に拘らず、経済的な理由から、僅か一号にしてつぶれた。生活に追われた啄木は、故郷渋民村に帰り、小学校の教員となった。だが、父一貞の宝徳寺復帰に関しては、村民一派の執拗な迫害にあった。明治四十年、啄木二十二歳。相変らず貧窮はつづいた。父一貞は口減らしのため家出した。推敲を重ねた小説は完成したが、出版社の採用するところとはならなかった。学校において啄木の教育は自由奔放を極めた。子供達は啄木を慕ってはいたが、校長一派は啄木を敵視、果ては辞任の止むなきにいたった。送別の日、生徒らは、校長達の阻止にも負けず啄木作の歌を全員で合唱。啄木を送った。明治四十五年。啄木二十七歳。渋民村を追われた啄木は、単身北海道に渡った。転々とつづいた放浪の生活と長年の貧困は啄木の体をむしばみ、東京にて遂に病の床に伏す身となった。そして--桜も散りかけた春も晩い四月十三日の朝、この無限の情熱と才能を秘めた詩人は、変らぬ貧困の裡に息をひきとった。遺体の胸には死の寸前友人牧田春月の手で届けられた詩集「一握の砂」の校正刷りがのせられてあった。その巻頭には長年の理解者であり、またとない友人であった金井一明に捧げられた啄木の献辞がみられた。東海の小島の磯の白砂にわれ泣きぬれて蟹とたはむるいのちなき砂のかなしさよさらさらと握れば指のあひだより落つ
スタッフ・キャスト
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石川啄木本郷功次郎
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妻節子中村玉緒
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金井一明宇津井健
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中沢浩一郎片山明彦
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北見明子岸正子
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父一貞織田政雄
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母かつ瀧花久子
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妹光子渚まゆみ
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小山仲村隆
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小山のの父信作原田玄
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遠藤校長見明凡太朗
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妻リツ町田博子
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桜井助役星ひかる
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大仙和尚山口健
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田島訓導遠藤哲平
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寺男留吉南方伸夫
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鍛冶屋の定さん津田駿二
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馬方三次郎小山内淳
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父兄A橋本力
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雑貨屋のおかみさん松村若代
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巡査米沢富士雄
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郵便配達夫小杉光史
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村人女一半谷光子
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村人女二竹里光子
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村人女三響令子
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村人男一中田勉
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村人男二高見貫
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編集長杉森麟
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下宿の主人此木透
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忠造二年生新沢輝一
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権太二年生石井義雄
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新太郎二年生石井浩
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雪乃二年生日下部美帆
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加助二年生速見進
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三太二年生長谷川俊之