警察日記 ブタ箱は満員

劇場公開日:

解説

伊藤永之介の「警察日記」を、川崎俊祐・青山民雄が脚色し、「ガラスの中の少女(1960)」の若杉光夫が監督した明朗編。撮影も同じく「ガラスの中の少女(1960)」の井上莞。

1961年製作/65分/日本
配給:日活
劇場公開日:1961年3月27日

ストーリー

東北の山野に春がやって来た。緑の山々に囲まれた小さな町--尾花山町の警察は急に忙しくなってくる。上は署長の栗林、下は平巡査の花川まで総勢八人の警察官が人口数千のこの町一帯の治安を維持しているのだ。珍事件の続発である。例えば--能なし亭主の与助は、女房シゲ子に家を追い出されるや鉄橋からザンブリと身投げ、助役の川越が飛びこんで助けるが、その川越をユスるという厚顔ぶりの与助や、春の陽気に浮かれた自称宇宙人の出現、インチキ宗教の教祖、留置場はいつも満員である。そんな時、集団就職したはずのヨシエたちがションボリ帰って来た。「給料千円で御飯も少し、朝から晩まで働かされるのよ……」と同級生の花川巡査に訴えるヨシエの小さい肩には負い切れぬほど父親の借金がのしかかっていた。父の勘次郎は大酒のみで、父祖伝来の田圃だけを守っているがその田圃も借金で人手に渡ろうとしていた。帰って来たヨシエも幼い弟のためにある決意を固めていた。一方、栗橋署長は毎晩のように町長と宴会である。部下の林主任は続発する下着盗難事件に老練の竹田巡査を派遣することにした。痴漢防止に張りこんだ竹田巡査は、暗やみで泣いている勘次郎の子供タキチとトメオをみつけた。話を聞いて一大事である、ヨシエがどうやら人身売買の手にかかったらしい。竹田からの連絡で花川がトラックの急行便で列車を追いかけた。無事ヨシエを連れもどした花川は勘次郎を召喚、ヨシエの一部始終を聞かせた。勘次郎は初めて自分の非を悟り更生を誓った。翌日署員一同の暖かい見送りを受けて勘次郎一家が帰っていった後、栗橋署長がファイトをみなぎらせた表情でとびこんで来た。「町長一派の逮捕令状が出た。さあ、この町も汚職のないきれいな町になるぞ」町長の内懐に食いこんで彼らの汚職の実態を探っていた署長のホームランである。栗橋署長から、童顔の花川巡査まで、小さなこの町のために一生懸命である。

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