スターリングラード(1993)

劇場公開日:1993年11月13日

解説

第二次大戦でヨーロッパにおけるドイツ軍のソ連侵攻の激戦地となったスターリングラードを舞台に、ドイツ軍の若い兵士たちの姿を描く反戦スペクタクル。監督・製作・脚本・撮影は「カティの愛した人」のヨゼフ・フィルスマイヤー。共同製作はハンノー・フスと「Uボート」のギュンター・ロールバッハ。エグゼクティブ・プロデューサーはミヒャエル・クローネとマーク・デーモン、共同脚本はヨハネス・ハイデとユルゲン・ブッシャー、音楽はノルベルト・J・シュナイダーが担当。主演は旧東独の水泳選手出身のトーマス・クレッシュマン、舞台出身のドミニク・ホルヴィッツ、テレビなどで活躍していたヨッヘン・ニッケル、子役出身の俳優としてドイツでは有名なセバスチャン・ルドルフ。他にフィルスマイヤー監督夫人で「秋のミルク」のダーナ・バブロヴァらが共演。

1993年製作/134分/アメリカ・ドイツ合作
原題または英題:Stalingrad
配給:東宝東和
劇場公開日:1993年11月13日

あらすじ

1942年、第二次大戦は4年目に突入し、ドイツ軍はソ連に侵攻、次の軍事目標を工業都市スターリングラードに定めた。士官学校出身ハンス中尉(トーマス・クレッシュマン)、アフリカ戦線で武勲をたてたフリッツ伍長(ドミニク・ホルヴィッツ)、命知らずの軍曹ロロ(ヨッヘン・ニッケル)、新兵のジジ・ミューラー(セバスチャン・ルドルフ)ら若い兵士たちはスターリングラード近郊の前線に到着した。彼らはマスク大尉(カレル・ヘルマネック)率いる第六軍の精鋭部隊に編入させられる。激しい戦いの中で次々と仲間たちは戦死していった。ハンスたちは周りをソ連軍に囲まれ孤立してしまい、4人は援軍を呼ぶため下水道を進むが、途中仲間とはぐれたハンスはソ連の女性兵士イリーナ(ダーナ・バブロヴァ)に出会う。怯える彼女の中に、故郷の恋人の面影を見たハンスは一瞬の不意をつかれ下水の中に叩き落とされるが、フリッツに救われる。ようやく自軍にり着いた彼らにマスク大尉は冷たかった。負傷した仲間を満足に治療してもらえないことに怒ったフリッツはトラブルを起こし、ハンスとフリッツは懲罰部隊の囚人兵として最前線に送られる。マスク大尉の提案で、孤立した第六部隊を救出することに成功すれば、元の階級に復帰できるという条件で、戦車隊に決死の戦いを挑んだハンスたちは多くの味方を失いながらも勝利を収め凱旋する。そんな彼らに憲兵隊のハラー大尉は忠誠の証としてロシア市民を銃殺するよう命令する。ハンスとフリッツは涙を流しながら、引き金を引くしかなかった。ハンスとフリッツ、ミューラーはついに脱走を決意し、残留を決意したロロを残し空港へ急いだ。だが、極寒で飛行機は飛ばず、皆はドイツ駐屯地で小屋暮らしとなる。悲惨な生活を苦にしたハンスが自殺、ついにはフリッツとミューラーもあてもないまま小屋を出て、吹雪の中、最期を遂げるのだった。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

3.5 戦場をリアルに描けば反戦映画になる見本

2025年11月10日
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鑑賞方法:VOD

悲しい

1993年公開、ドイツ映画。

【監督】:ヨゼフ・フィルスマイアー
【脚本】:ヨゼフ・フィルスマイアー、ユルゲン・ブッシャ、ヨハネス・ハイデ

主な配役
【ハンス・ヴィッツラント少尉】:トーマス・クレッチマン
【フリッツ・ライザー伍長】:ドミニク・ホルヴィッツ
【“ロロ”・ロールダー軍曹】:ヨヘン・ニッケル
【ギギ・ミューラー兵卒】:セバスティアン・ルドルフ
【イリーナ】:ダーナ・ヴァヴロヴァ

◆独ソ戦の縮図を描く

ドイツ、ソ連あわせて4000万人近い犠牲を出した地獄絵図。

・ドイツの快進撃から始まり、
・戦線の膠着、
・一進一退の戦い、
・ドイツ軍に蔓延した厭戦ムード(士気低下)+ソ連軍による大反撃+冬将軍到来、

そして、ドイツ軍の潰走。。。

『スターリングラード』の名を借りて、
独ソ戦におけるドイツ軍の変遷を、
数名の役者をメインキャストに描いた作品。

覚えきれないほどの登場人物や、
複雑怪奇な編制を気にすることなく、
ミリタリーに興味のない人にも
分かりやすく仕上げている。

本作に賛否あることは承知しているが、
わたしは「是」としたい。

◆主役は戦闘工兵

ドイツ第6軍に属する戦闘工兵の物語。

「工兵」というと、橋をかけたり、破壊したり、地雷を仕掛けたり、除去したり、
そんなイメージだが、
ドイツの戦闘工兵は、それに加え、市街戦では火炎放射器を扱うなど最前線に立つ花形部隊だった。

そんな彼らが、、、
ということで本作は成り立っていて、かつ、
前段の勲章授与シーンあたりは、「前フリ」となっている。

◆戦闘、懲罰、戦闘、脱走

・スターリングラードの壮絶な市街戦
・決死の脱出
・懲罰部隊行き
・ソ連軍機甲部隊との死闘
・脱走

と展開していく。

味方の中に敵がいて、敵の中に味方がいる。

◆極寒の地

凍てつく寒さを描いた作品というと、
『八甲田山』を思い出すが、
本作も負けていない。

観ているだけで凍傷になりそうだ。

◆まとめ

ソ連軍の戦車、おそらく、KVⅠ(カーベー・ワン)やT34が、雪原に展開したドイツ軍を蹂躙するシーンは恐ろしい。

歩兵を踏みつぶすために重戦車が信地旋回したり、
逆にドイツ兵が、地面から吸着地雷をセットしたり、観ていて生きた心地がしない。

もし、自分があの戦場にいたら、と想像するだけで怖いし、生き残る自信はゼロだ。

戦場をリアルに描けば反戦映画になる見本、と言える作品。
☆3.5

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Haihai

4.0 正統派戦争映画

2025年8月26日
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鑑賞方法:VOD

この映画を見て戦争へ舵を切る人はいないと信じたい。戦争の負の側面を嫌というほど見せつけられる映画でした。

主人公のウィッツランド少尉がビジュアルも性格もかっこよかった。正義感が強く、信念を曲げない姿に誰もが心を奪われるはずです。

対するハラー大尉が憎たらしい。散々冷酷非道を尽くしていました。最後は溜飲が下がりましたが。

捕虜の少年や敵の女兵士、味方の誤射、それを慰める者、妻の浮気、自暴自棄で自殺など。彼らが血の通った人間であり、戦争などやめさせて国へ帰してやりたいと何度も思いました。

素晴らしい反戦映画。

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SING SING

4.5 スケールの大きい作品

2024年12月26日
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泣ける

悲しい

同名のジュード・ロウ主演のアクション映画より、遥かに名作だった。
観る前の想像と違ったのは、戦闘シーンは短いとまでは言えないが、少なくともこの映画の中心じゃ無かった。
映像表現としても時代的に出来る事に制約があるので、戦闘シーンに期待して見る映画では無い。

メインは敗戦間際〜降伏に至る迄の混沌とした状況や悲惨さだった。
作風としては、「ヒトラー 〜最期の12日間〜」や「ひまわり」の戦争パートがやや近い雰囲気があると思う。
多数のエキストラや戦車、馬車などをふんだんに使った作品で、スケールが大きかった。
全体的なトーンは重いので気楽に観られる映画では無いが、観るべき戦争映画の一つだった。

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cubon

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