ツナグ
劇場公開日:2012年10月6日
解説
直木賞作家・辻村深月による同名小説を映画化したヒューマンドラマ。大切な人を亡くした者と死者を一度だけ再会させる仲介人「ツナグ」という職業を通じて、他人の人生に深くかかわっていく青年の葛藤と成長を描く。一見するとごく普通の男子高校生・歩美は、祖母アイ子からツナグを引き継ぐ見習いとして、死者との再会を望むさまざまな人と出会っていく。しかし、死者との再会が救いになるのか、人生は変わるのか、次第に自身の行為に疑問を抱くようになる。映画「麒麟の翼」、NHK連続テレビ小説「梅ちゃん先生」など話題作への出演が続く注目の俳優・松坂桃李が、初の単独主演。祖母アイ子役の樹木希林のほか、佐藤隆太、桐谷美玲、橋本愛、八千草薫、仲代達矢らが共演。監督は「ROOKIES 卒業」の平川雄一朗。
2012年製作/129分/G/日本
配給:東宝
スタッフ・キャスト
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2023年2月7日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
本作は、従来にない仄々とした切ないSFである。亡くなった人と生きている人を再会させる不思議な力を持った、あの世とこの世の橋渡し役・ツナグの物語である。母親と息子、親友同士、そして恋人同士。三組の再会が描かれる。再会は、一度だけ、一人だけ。会えるのは月夜の一晩だけ。三組夫々に夫々の人生があり、再会する理由がある。そのどれもが切なく遣る瀬無い。
ツナグ役の樹木希林の存在感が際立っている。物静か、穏やか、自然体でありながら、慈悲深さを秘めた演技で、現実離れしそうな役どころを巧みな演技で落ち着かせている。そんなツナグの孫役の松坂桃李が若々しく、瑞々しく、真っ直ぐな青年を好演。樹木希林との息もピッタリ。
鑑賞後、感じたのは、生への強い想いである。
死期を知り遺言を残してこの世を去る者もいるが、大多数は、本作のように、伝えたいことを残したまま逝ってしまう。残された者も同様。何故、あの時、しっかりと話をしなかったのか、自分の想いを伝えなかったのか。後悔の涙が溢れる。人の死に涙するのは、悲しいというよりも、そんな感情である。
だからこそ、今を大切に生きたい。狂おしい程に熱く生きたい。そして、後で良いやと先送りせず、今、この時の想いを素直に言葉に乗せて伝えたい。素直に、ありのままを伝えたい。一瞬先に何が待っているかわからない。死は突然に訪れるから。
“今を悔いなく一生懸命に生きる”というメッセージが切々と伝わってくる作品である。
ツッコミどころいっぱいある
まぁ仕方ないけど
何がいいのか全然分からなかった
いい演技なところもあったから星2で
2022年12月15日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD
内容は、使者が用意した面会の場で死者の魂は実体を持つ事が許される。生きた人は現れた死者を目で見る事ができ触る事が出来る。『し死者からのメッセージを伝える伝言スタイルでない事をアピールあくまで面会の仲介役として』面会場所に『死者』がいるかを確認した上で依頼人を連れていく。この『ツナグ』を仕事とする祖母と孫・歩美の関係性の再構築とそれに関わる人々の懺悔・怒り・後悔・嫉妬・喜び・刹那さ等感じされる作品。印象的な言葉は、やはり死者の言葉『土地の権利書の場所は知ってるだろ?本当は、どうしたんだい?!』母親の重みが感じさせられる。『道は凍って無かったよ』若い故の自尊心と後悔が感じられる。『何も残せなくてゴメン!』7年間の呪いが幸せな家族生活の妄想に重なる。本当は子供欲しかったんだろうなぁ。『俺が爺ちゃんになったら婆ちゃん呼んでもらうよ』目の前の人に死んでからでなく生きている内に精一杯の気持ちを伝えたい思いが伝わってくる。それぞれの『ツナグ・死者との面会』印象的な場面は、橋本愛の面会の場面でのオフ台詞が気持ち悪かったと感じたのと冒頭付近のツナグの取説を読んでの異様な書き込みは流石に気付くだろうなぁ。場面ごとで暗転して切り替わる様は本に忠実すぎる表現に困惑してしまいました。今ひとつ考えが及ばないのは、主人公・歩美の両親同時死亡の原因が『ツナグ』を引き継いだ弊害によるものだと理解しました。それでなお結婚に反対された実の父親に許してもらいたくて、死んだ父親に会わせる為に、結果的に無理心中をしてしまった理解は、父には会えたが子供には会えないと何とも切ない。やはり生き残った婆ちゃんを思えばこその妄想なのかは分かりませんし知りようがありません。そう!皆んなが優しさに包まれて涙する作品だった様に感じます。しかし設定だからしようがないが、そんな危ない鏡は人の目につくような所に置くなー!超・危険物管理者責任問題だと感じました。その点が、我儘で強引過ぎる理解に苦しむ所でした。しかし、死者との面会で本当に話したい事は、死者の前でも結局皆んな話したい事は話せず後悔を残す事は、死者を生者と誤解認識する様子は滑稽でした。やはり綺麗な景色を見せられるとそれだけで良い映画だなぁと感じさせられてしまいますし涙の見せ場が過剰だったのが印象的です。『最上のわざ』『人生の秋に』ヘルマン・ホイスヴァルは今作品で知りました。真の故郷に逝く為に。
2022年9月29日
Androidアプリから投稿
松坂桃李扮する渋谷歩美は、祖母から死者と一度だけ再会させることの出来る仕事ツナグを譲り受けた。
八神純子の曲に「1年と10秒の交換」と言う曲があるが、自分の寿命を1年削ってでも10秒でいいから会いたいと言う事だった。死者と会って残された者はすっきり出来るのか否かは分からないが、死者に言えなかった事、出来なくて未練が残った事など色々あろうが、亡くなってでも想いを果たせれば良しと出来ればいい。でも愛し合っていた者たちには先へ進めるために会ってもさらに辛かろう。それをツナグと言う職業にするにはさらに覚悟がいるよね。