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映画「チキンとプラム あるバイオリン弾き、最後の夢」 チキンとプラム あるバイオリン弾き、最後の夢 劇場公開日 2012年11月10日
解説 自作のコミック「ペルセポリス」を自ら映画化した仏在住のアーティスト、マルジャン・サトラピが、再び自身のコミックを映画化した初の実写映画。原作は2005年のアングレーム国際漫画祭最優秀作品賞を受賞した「鶏のプラム煮」。1958年テヘランを舞台に、楽器を壊され絶望したバイオリン奏者が、死を決意した最後の8日間で人生と叶わなかった愛を振り返るノスタルジックなラブストーリー。「潜水服は蝶の夢を見る」のマチュー・アマルリックが主人公の天才音楽家ナセル・アリを演じ、「ブルーベルベット」のイザベラ・ロッセリーニ、「クリスマス・ストーリー」のキアラ・マストロヤンニらが共演。
2011年製作/92分/PG12/フランス・ドイツ・ベルギー合作 原題:Poulet aux prunes 配給:ギャガ
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2022年3月8日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
ー 天才ヴァイオリニスト、ナセル(マチュー・アマレリック)が思い返す人生と悲恋を、独特のビジュアルセンスで紡ぎ出した作品。 ◆感想 ・パンド・デ・シネを劇中に挿入しながら、天才ヴァイオリニスト、ナセルが本当は小さな頃からナセルが好きだったファランギースを妻にしながらも、愛せずに彼女に大切なヴァイオリンを壊されてしまう過程を時系列を逆にしながら描く。 ・物語は、彼が人生を悲観して自室に閉じこもり死に至る8日間を主に描く。 ・ファランギースが、ナセルが好きだった”鶏のプラム煮”を作るが、ナセルは背を向け食べようとはしない。 - 歯車が狂ってしまった哀しき夫婦。- ・ナセルが若き頃、恋に落ちたイラーヌを演じた若きゴルシフテ・ファラハニの美しき事、限りなし。 - 老いた彼女が、ナセルと偶然町で出会った際に、”知りません・・”と言った後に流す涙。 そして、ナセルの葬儀に人知れず立ち会う姿・・。ー <人生は糾える縄の如し。 あの時に、もう少し素直になっていれば・・。 もっと頑張って反対する父親を説得して、愛する人を妻にしていれば・・。 ナセルもファランギースもイラーヌの姿も、哀しい。 不思議な風合の、人形劇の様な哀しくも愛しき作品である。>
2019年11月23日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD
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どこに感動要素があるのか分からなかった。人生賛歌という感じもしなかった。 楽器を失ったことで死を選び、ベッドで死ぬまでの8日間を描いた話。何か行動を起こすわけでもなく人生を振り返る。 フランス映画っぽさとテヘランという異国情緒とが不思議な雰囲気を醸し出している。 幼い頃の兄弟2人の学校での容赦ない扱いの差だったり、子供2人のその後の姿だったり、死を司るアズラエルの話であったり、独特のドライな雰囲気があった。 いくら愛していたといってもバイオリンを壊し、たかが楽器と言った妻の行動は許せないなと思った。
2019年8月25日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
それにしても 「男の子のおもちやを壊す」のはご法度です。 男の子の宝物を壊したり勝手に捨てたり、これは一生許せない心のしこりになります。言葉のあやではなく一生癒えない失望と敵意だけがPTSD として残るんですよ! 僕は古い真空管ラジオを家人から「ゴミだと思った」と捨てられてしまったんですが。 ナセル・アリにとっては「ヴァイオリン」と「思い出」は命。 それは大切な宝物で、命の支えだったのです。 「たかが楽器」、この妻の一言で楽器だけでなく夫婦仲も修復不可能になりました。 「仕事より夢より私を愛して」と夫に要求するのは結婚生活における最大の禁句なんですがねー。 おとぎ話仕立ての悲恋物語でした。 パリ在住のイラン人女性漫画家が原作者。女性なのにここまで男の心を見破るとは、アーティスト恐るべし。 あるある感がふんだんで笑えたりもしますが、おとぎ話って真理契機を秘めていますから心に残るのですね。 他レビューにもありましたが妻や子供をほったらかしのこの男を責めるのはナンセンスです。理屈や常識のお話ではありません。 だれも納得は出来ない人生の不条理。しかし「これが人生なのだよ」と語るのがおとぎ話。 エンディング、 彼のヴァイオリンがラジオから流れて涙するイラーヌ。泣けます。 イラーヌ役のゴルシフテ・ファラニの関連作を調べてみようかと思ったがやめました。 美しい彼女の思い出だけを壊さずに僕もそっと心のうちに秘めておきたいと願うほどの出逢いです。 バーグマンの娘、マストロヤンニとドヌーブの愛娘、そしてこの煌めく銀幕の恋人イラーヌ。 壮々たる出演者。 ジャスミンの押し花が切ないね。
2019年6月9日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
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フランス映画はあまり得意ではないけれどタイトルに惹かれて何となくみました。我が儘なバイオリン弾きが家族の甲斐性もなく破壊的な生き方をしているなぁと思って観ていました。 死を覚悟してからも、真剣なのに滑稽でたまらなく愛しい主人公。寓話的なお話に逸れながら、話が逸脱することなく、主人公の世界観を超越して活かしている作品の見所にただただ感心するばかり。 最終的に美しい彼女との儚い恋の物語を知り、芸術家としての命は、その恋と共に合ったのだと知って切なくなりました。 奥さんも可哀相。子ども、弟も可哀相。誰一人悪い人はいない。主人公自身も愛されていたはずなのに、自分の願いは叶わなかった、というドラマティックな悲恋のストーリー。 チキンとプラム煮の甘酸っぱい味が心に広がるような感覚。それぞれの存在感と世界観と物語のシュールさ、見事に融合。心に残る作品となりました。
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