それでも、愛してる

劇場公開日:

それでも、愛してる

解説

ジョディ・フォスターが「ホーム・フォー・ザ・ホリデー」(1995)以来16年ぶりにメガホンをとった監督第3作。メル・ギブソンを主演に迎え、ビーバーのぬいぐるみを心の支えに苦難を乗り越えようとする男とその家族の姿を描くファミリードラマ。2人の息子にも恵まれ順風満帆な家庭を築いていた玩具会社社長のウォルターと妻のメレディス。しかし、ウォルターがうつ病を発症してしまい、働けなくなってしまう。メレディスは夫の分まで仕事や家事に奮闘するが、ある日、ウォルターが捨てられていたビーバーのぬいぐるみを拾ってきたことから事態が好転していき……。

2011年製作/91分/G/アメリカ
原題または英題:The Beaver
配給:ツイン
劇場公開日:2012年6月23日

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映画レビュー

4.0私にはこの映画を支持する理由がある

2022年9月8日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

おとぎ話をおとぎ話にまとめず、リアルな現実に引き戻した力業の脚本
特殊効果を使えば、「TED」のようにもできたのに、左手のビーバーが勝手に喋るのではなく、ウォルターも喋っているので、ファンタジーを期待する観客に「これは辛うじてリアルをキープしているんだよ」と分からせる
まるで現実に起きた出来事かのように簡潔に、かつエモーショナルに進行

メルの素晴らしい演技
鏡を使った演技は「スパイダーマン」のウィレム・デフォー
自分の左手と戦う「死霊のはらわた」ジム・キャンベルを彷彿
子供との掛け合いは「顔をなくした天使」の雰囲気そのまま
叫び声は拷問を受けるマーティン・リッグス
「マーベリック」の名コンビ再び。ジョディとメル…ま、前回は軽妙なコメディだったが
ジョディはLGBTを公言しつつメルと激しいベッドシーン、やはりエロティックさは感じない
ジョディ監督としてはメルに指示を出したのか自由にやらせたのか
ジェニファー・ローレンスの子役キャリア時代やはり光るものがある
アントン・イェルチンがティーンエイジャーを好演

うつを患った父親は仕事と左手を失い家族との絆を取り返したかのようだ
ゴーストライター稼業を糾弾された息子は痛いしっぺ返しに合うが本当の理解者を得たようだ
兄を失った才媛の美人は皮肉に満ちたスピーチを披露し何かを吹っ切れたようだ
見守るしか手立てのなかった母親はひとときの安らぎを得たようだ

2016.4.3

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うそつきカモメ

3.5ビーバー

2014年10月18日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

楽しい

幸せ

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チヌテ

3.5クマのぬいぐるみじゃないよ、ビーバー人形だよ

2014年3月19日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

知的

幸せ

鬱病を患った玩具会社社長ウォルター。そんな彼を救ったのは、ビーバー人形だった…。

まず主人公を、メル・ギブソンが演じているのが意外。
タフなイメージのあるメルが、鬱に苦しみ、家族や人生に悩む主人公を繊細に演じる。
ひとえにジョディ・フォスターの采配もある。
メルがあの発言でハリウッドから干された時もメルを擁護し、今回監督として(妻役も兼任)、メルから新たな一面を引き出した。
持つべきものは友。

ビーバー人形に救われてから、片時も人形を離さないウォルター。
ちなみにこの映画はファンタジーではない。喋るクマのぬいぐるみの映画みたいに、人形に命が宿っている訳じゃない。
腹話術のように喋る…と言うより、ウォルターが人形を介して、自身を代弁するのだ。
なかなか変な感じもするが、誰にだって自分の本心を言えない時がある。そういう時、代弁して貰った経験もある筈。ウォルターの場合、それがたまたまビーバー人形なだけ。
(人形片手に喋るメルが何だか可愛らしい)

ビーバー人形を手にしてから、鬱も克服し、仕事も復帰、家族との関係も良好。全てが良い方向に。

…ところが見ていたら、妙な違和感を感じた。
まさかジョディ・フォスターが、毒にも薬にもならないファミリー・ムービーを作る訳がない。
もしそうであっても、展開は淡々としているし、何処か冷たさを感じる作風。
予感は的中した。終盤、思わぬ展開へ。

シビアでもある。ドキリともする。
ありのままの自分で居る事、それを受け入れる事は、苦しいかもしれない。
しかし、一番身近に居る家族は、“アナタ”で居て欲しいと願う。
その時こそ本当の意味で、人形を手離す事が出来るのだ。

それにしても、この邦題は…。
原題の“ビーバー”のままでいいと思う。

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近大

3.5家族が頼れなかったからビーバーに頼った

2013年6月20日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

怖い

全体的に照明は暗く、薄寒い雰囲気が漂っています。
明るい意味を持つシーンでも、病的な雰囲気に見える。
青が強い画面。

主人公はゴミ捨て場でビーバーの人形を拾います。彼は、ビーバーに依存するしかなかった。
だって家族は大鬱病をわずらう主人公の世話に飽きてしまって、
家族まで憂鬱になってしまったので『だったら部屋を分けましょう、住む所を分けましょう』ってんで別居します。見放されたようなものです。
別居先に移った主人公は、自殺未遂を繰り返して酒におぼれる。
見放された自分に絶望して、ぼろぼろになって泣きながら。
家族にはもう頼れない、と実感した主人公はひとつの光明を見つけ出します。それがビーバーです。
『人と会話する際にはビーバーを通す』と決めます。腹話術師のように常に人形を帯同する。ビーバーという薄い膜を自分の周りに張りました。社会と直接接しなくてもよくなった主人公は、すこし気が楽になります。ビーバーはとても役に立ち、鬱病になる前のように明るく人と話すことが出来るようになった。ビーバーによって元気になったのです。

ここまでなら、まるでおとぎ話のようですね。しかし、それでハッピーエンドとはいかなかった。
ぬいぐるみに依存する大人は周囲から当然ですが、奇異の眼で見られる。元気になった主人公に喜んでいた妻も、『ビーバーを捨ててほしい』と願います。家族が望むならば……と一端主人公はビーバーと離れようとするのですが……
しかし、ビーバーが突然反抗!まるでビーバーは意志を持った別の人格のように主人公をなじる。
「自分一人で生きていくことが出来るのか?」と。
どうやってもビーバーと離れられない。ビーバーと不可分になっていた主人公は、ついに決断。身を持ってビーバーを切り捨てる。
ビーバーに依存させたのは家族なのに、家族の願いからビーバーを捨てさせる。
う~んこの畜生。

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いずる