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映画「ビル・エヴァンス タイム・リメンバード」 ビル・エヴァンス タイム・リメンバード
劇場公開日:2019年4月27日
解説
アメリカのジャズ・ピアニスト、ビル・エバンスの生涯を追ったドキュメンタリー。数々の名演、名盤を残し、薬物依存により51歳の若さで生涯を閉じたビル・エバンス。1958年にマイルス・デイビスのバンドに加入し「カインド・オブ・ブルー」を制作した当時の様子や、ドラマーのポール・モチアンとベーシストのスコット・ラファロをメンバーに迎えた歴史的名盤「ワルツ・フォー・デビイ」の制作経緯、そして肉親たちから見たエバンスの素顔や、エバンス自身の音楽への思いなど、これまで未公開だった数々の証言、エバンスの演奏シーンなど貴重なアーカイブで構成。また、ジャック・ディジョネット、ジョン・ヘンドリックス、トニー・ベネットら同時代に活躍したジャズマンや、本編の制作中に亡くなったポール・モチアン、ジム・ホール、ボブ・ブルックマイヤー、ビリー・テイラーらも登場。エバンスが駆け抜けた51年をさまざまな角度から読み解いていく。
2015年製作/84分/アメリカ
原題:Bill Evans/Time Remembered
配給:オンリー・ハーツ
スタッフ・キャスト
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2023年2月7日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館
髭を蓄え、カラフルなスーツを着た、ヒッピー風のカジュアルな出で立ちのビル・エヴァンスの晩年の姿をこの映画で初めて知った。若かりし頃の銀行員のような七三分けで首だけ下を向いて鍵盤を見続けているビル・エヴァンスのイメージがあまりに強く、そのギャップに当惑した。
銀行員からヒッピーに変貌したのは、多くのジャズミュージシャンと同じように、薬、女、死の影が絶え間なく襲ってくる波乱に満ちた彼の人生ゆえだった。
40分置きに注射するほどの薬物中毒、浮気が原因で内縁の妻が自殺、その2ヶ月後に浮気相手と結婚、統合失調症になり自殺した最愛の兄、天才ゆえか、人間性は破綻したかようで、そこに悲劇が積み重なり、最後には自分自身も51歳で人生の幕を閉じる。
「美と真実だけを追求し、他は忘れろ」死の少し前にトニー・ベネットと交わした会話の中でビル・エヴァンスが発した言葉は、芸術家というのは作品がすべてであるという力強いメッセージとして記憶に刻んでおきたい。
ジャズなんだろうけど、ジャズに聴こえない。じゃあクラシックかと聞かれると、また違う。
何だろう?ジャンルに収まりきらない。
そこがビル・エヴァンスの最も魅力的なところなんだろう。
初めて映像で彼の演奏シーン観ました。寡黙。そして姿勢がいい。
優雅、エレガント、美しい。
ジャズボーリスト、ジョン・ヘンドリックスがそう讃えていた。
印象的だったのは、エヴァンスが1音も間違えたことがない。ただの1度もね。と共演者が語っていたこと。
エヴァンスは心象風景を音で描いている。
私が最も美しいと感じたのは、1958年の『Everybody Digs Bill Evans』に収められている
「Peace Piece」。
どこまでも静かな地平線に、ポーン、ポーンとピアノの1音1音が響く。時には旋律が混ざり合い、時には潮が引いていくような…。
そんな風に私には聴こえる。
小難しいジャズのうんちくは解らないが。
知っているのは、エヴァンスは小さい頃からクラシックの教育を受けた。
セロニアス・モンクは独学。
それだけ。
あとナゼ黒人ばかりのジャズにポツンと白人がいるのか?ずっと疑問だった。
ジャケットにパリッとしたシャツ。タイ。黒メガネ。
ポートレートに写る時のカチッとしたスタイルが、サマになっている。
ジャケ写を見ながらいつも思っていた。
ピアノを弾きながらのくわえ煙草が最高に絵になる。
ドラマーのポール・モチアンが映画に出てくる俳優のような風貌(スキンにサングラス、ファッショナブル)イケオジだったのが印象的。
2019年12月17日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
この映画をみて初めてわかったビルエバンズのピアノがエレガントだという意味が。彼は小さい頃、ラフマニノフやストラビンスキーなどを聞いて育っている、小さい頃の親の影響はいつまでも心に残るし、ましてや、親と子供は同じような趣味を持っていることがある。エバンスの曲からはクラッシクの気品が漂っている。曲は好きだなあ。
ヌリ・ビルゲ・ジェイラン監督の『雪の轍』『読まれなかった小説』『昔々アナトリアで』の三本を続けて見た後だったので、エヴァンスの音は心にしみこんだ。彼の生涯にはあまり、感心しなかったが、早速彼の曲をもっと聞いてみようと思った。
作曲家のジョージ・ラッセルの録音に参加してから、1956年に最初のアルバム『New Jazz Conceptions』をだした。1958年にはマイルス・デイヴィスのトリオやオールスターなどに参加している。私にとってはこの時期(米国社会は「人種分離法」の時代ー有色人種と白人は同じホテルにも泊まれない(映画グリーンブックを参考に)。そして1964年7月2日に公民権が制定され、ひとまず法の上での人種差別はなしされる )のビルエバンスの心の中や米国での演奏活動に興味がある。しかし、この映画ではあまり触れていない。
マイルスデイビスもジョンコルトレーンもキャノンボール(?)も黒人で、トリオの一人ビルエバンスが白人。米国ツアーに出かけるいるとき(どこをツアーしているかしれない)ビデオでは、黒人の音楽のなかで、なぜ白人の彼がいるという言葉にも『マイルスがエヴァンスを演奏させてたい。』といったらしい。マイルスが認めているということは全ての人も理解しろということだ。
マイルスも彼のことを『白人のピアノ演奏家』といっていたらしいが、マイルスにとってもエバンスのエレガントな音色が必要だったと思う。
黒人は差別されていると考えるようだが、こういう状態では、白人も差別されているので、ビルエバンスは黒人だったら生きやすいのにと思ったのに違いないが??
ビデオではビルエバンスの曲「Blue in Green」をマイルスの曲だとしてしていると。当時は著作権の問題もうるさくなかったろうし、もう古すぎて問題視されないだろう。兄のハリー(は統合失調症で自殺)の娘デビーのために作った曲がエヴァンスでもっとも有名だと聞いた。
。
2019年9月22日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
ビル・エヴァンス 知ってます?
もし、お好きなら、ぜひご覧ください。
この映画でしか見られない貴重なインタヴューだけでも、その価値があります。
名前を聞いたことがある、ジャズに興味がある、という方。
試しにどうぞ。もしかしたら、一生聴き続けることになる音楽体験になるかもしれない。
そうならなくても、激怒はしないはず。少なくとも、寝られる。
高校時代、FM放送で聴いたチャールス・ミンガスから私のジャズ体験は始まった。
ビル・エヴァンスにのめり込んだことはないけれど、有名どころは一通り聞たし、スコット・ラファロ入りのトリオは、折に触れ繰り返し聴いてきた。
この映画は私にとって、ビル・エヴァンスの再発見だった。
エピソードを知ったから聴き方が変わるのは邪道かも知れない。
でも、正直に言って、私はそうしたし、映画も数回見た。
ビル・エヴァンスの音楽と、この映画に会えてよかったと思っている。
ジャズに全く興味がない人がこの映画を見たらどうなるだろう。
寝るかな?途中で出ちゃうかな?
もしかしたら、私が直立猿人から受けたような電撃を、経験する人もいるのかな。