桐島、部活やめるってよのレビュー・感想・評価
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よく分からないけど泣いた。
誰もが経験する高校生活、そこで巻き起こる日常•スクールカーストに支配された世界を見事に描いていた。
それを様々な登場人物の視点から描くことで見る人の誰もが感情移入しやすい工夫がされていた。
そして原作の作者のスクールカーストにおける立ち位置はおそらく前田(映画部の監督)なのだろう。
スクールカースト内における『ギーク』とか『ナード』と呼ばれる集団が『ジョック』と呼ばれるイケイケグループに刃向かうというのは映画の世界では割とよくあるテーマ。なぜなら映画を作成するスタッフの多くがギークやナードの出身だから。
「金曜日」で始まる多くのチャプターが、一つのクラス内の空間を多角的に描写する。そしてそれらを一つの点に集めるところで物語は最高潮に。
各々のフラストレーションが沸点に達し、爆発する。
表面的な付き合いしかしないヤツはその化けの皮を剥がされる。
信念を持って頑張ってるヤツは、今までほとんど話したことがなくても理解し合う。
そう、そのシーンが屋上でのゾンビのシーン。
オーケストラのBGMも相まってなぜか涙腺が崩壊した。
結局、表題の桐島はいずこへ。
高校内のつまらないいざこざなどまるでおかまいなしに、そしてぽっかりと空いた桐島の存在を心配する友人達をよそに、本人は次のステップへ行ってしまったということか。
余韻を多く残す終わり方だった。
誰のための映画か
あまりにも残酷で希望に溢れた、人生への解答
この映画を観た感想として「意味がわからない」と答える人がいる。
正直言ってわからない人にはわからないと思うし、きっとわかる必要もないんじゃないかな。わからないって幸せなことだと思う。こう書くと嫌味ったらしく聞こえて嫌なんだけど、これは紛れもない本心。きっとそういう人のほうが人生を謳歌してると思う。
この映画を観て刺さるものがあった人。きっとその人は劇中の誰かに自分自身を見出した人。そしてそれは同時に、自分が抱えている劣等感とか惨めさを自分で否定できないまま今を迎えた人なのだと思う。無力感、倦怠感。人生とは何なのか。この映画が与えてくれるものはそんな問いに対するひとつの解答である。
衝撃、という言葉がこれほどふさわしい映画はない。
永遠に語り継がれるであろう、日本映画史のマスターピース。
高校という特別な場所
かなり前に公開されてて、最初は変なチャラい映画なんだろうなーって思ってたけど、いろいろなところで絶賛されてるのを聞いて、見たくなってた映画。
高校という場所での微妙なバランスがリアルに出てた。
力があって、自分の好き勝手にできる人、自分をあまり出さずにそれが心地よい人、誰かの前では大声で笑っても、誰かの前では知らんぷりしてる。
そんなことって今もあるけど、高校時代ってほんとにそれが多かったなって思う。
今は見た目とか部活がどうこうよりも、仕事できるとか慣れてるとかが、その人の立ち位置になってるけど、高校とかはほんとに見た目がいいとか、仲間がどうかとかがその人のグループ決めてたなぁ。
私はやっぱり吹奏楽部の子が一番印象に残った。
モテモテ男のことが好きでも、絶対に言い出せなくて、ひそかに見てる+どこかで知らせたいみたいな。
なんか、こう書いてるともう一度見たいなーって言う気持ちになってきた。
うたまるさんが言ってた、この映画のテーマ「結局何か自分が打ち込めることがあることが一番強い」っていうのをもう一度考えながら、見てみたい。
1人の人間が大きなものを動かす
『桐島、部活やめるってよ』
よくわからん
学生のスクールカースト、揺らぎやすいアイデンティティをリアルに描くことで若者の閉塞感、虚無感を表現
みたいなのがやりたいのかなあって思ったんですけど、
それ以上に何も感じられませんでした。
桐島が最後まで出てこなくてビックリ!
っていうのも、「ゴドーを待つ」のオマージュでゴドー=ゴッド、桐島=キリスト
だったとしても、そんなギミックは映画の面白さとは関係ないと思います。
それよりも、野球の先輩や神木隆之介が
「いまいるところがほんのちょっとだけど
自分の理想としているところと地続きな感じがするときがある」という旨の発言の方がずっとずっとグッときます。
それ以外はただただ
紋切り型の若者像を見せられてるみたいで退屈です。
ふーん…
すごいミステリアス。桐島はそもそも本当に存在したのか、、、
「桐島」っていう名前がタイトルには入っているのに桐島は最後まで出てこない。今か今かと待っていたけれど結局出てこなかった!最後に神木隆之介と階段ですれ違ったのが桐島だったのかな?
一人の人間がいなくなるだけで周りの人間があんなに混乱して、どんどん変わっていくなんて不思議。山本美月の連れの女子だけは最後まで変わんなかったのかな。あのキャスティングは神がかってる。普通よりちょっと可愛いか可愛くないかくらいの女子がクラス一番の女子に媚び売って必死でスクールカースト上位をキープしながら、時々それを自覚して呆然となる的な。
神木隆之介がバレー部キャプテンに食ってかかるシーンと、橋本愛が友達の代わりにひっぱたくシーンかっこよかった。
東出昌大イケメンだなー。でも棒読み感。そういうキャラだからいいのか。
それにしても桐島、出てこなかったなー。本当に存在したのかな。高校生が信じがちな都市伝説の類か?と途中で思った。だってみんな一人の人間に引っ張られすぎだし、ありえないくらい右往左往してるんだもん。どんだけ桐島に依存した学園生活だよって感じ。
曜日ごとに何カットにも分かれてるっていう映画の演出、すごいよかった。金曜と火曜の重厚感、土曜のあっという間感。
大後寿々花、神木隆之介の淡い恋が実らないところも、切ないけどリアリティがあっていいな。橋本愛カップルみたいに付き合っていることを周りにバラさないカップルって本物な感じがする。アピールしまくるカップルは、人が見てないところでの綻びを修復しきれなくて破綻して行くんだよな。私もそのパターン。
思ったより私は学園ものが嫌いじゃないらしいという結論。
文句無しのNo.1青春群像劇
ついに出会ってしまった、生涯の最高傑作です。終わった後に呆然とし、そして、何度も何度も観たくなる。すごい。
決して派手さもない。でも、それがまさにリアル。ヒリヒリします。
素晴らしいのは、あくまでも舞台は学校(放課後の街のシーンは出てくるけど)であること。
たまに必要不可欠な時にだけ登場する教師以外の大人が1人も出てこないこと。
これは、あくまでも高校生活の世界の中心は学校であることの表れなのかな、と。
個人的に好きなのは、映画部の二人の友情だけが、この映画の中で唯一の本物だということ。スクールカーストの下位に居るけど、こういう部分で真の勝ち組。
逆にカーストの上位に居る子達の空虚さがじわりと浮き彫りになる。東出くんは、演技が拙いけど、逆にそれがヒロキの空虚さを表しているようで、いい味出してた。
後、沙奈役の松岡茉優ちゃん、上手過ぎ。
この子は多分これから伸びてくるはずだ。
ラストシーンの何ともいえない余韻は、いつ観ても心地が良い。そして、いつの間にか涙が頬を伝う。なんで泣いてるのかもわからないけど、なんか感動してしまう。
不思議な青春群像劇です。文句なし!
主人公はだれ?
てっきり「桐島」が主役と思いきや、ラストまで1度も出て来ませんでした
斬新な映画です
どこの学校にもヒーロー的、アイドル的な存在の生徒がひとりやふたりはいるはずです
そのヒーローが突然姿を消したことから生徒たちは騒ぎ始め、人間関係に微妙な変化をもたらします
「桐島」と直接関係がない生徒までも影響を受けます
「桐島」は生徒たちにとって絶対的ヒーローです
学校という狭い世界の中で生徒が右往左往する姿に現役高校生は「あるある」、私のようにかつての古い高校生も、当時と空気感は違えど「そうだったな」と懐かしく思えることでしょう
様々なキャラクターの高校生が登場します
きっと誰もが誰かに自分を重ね合わせて鑑賞することと思います
「桐島」が不在である以上(一応神木隆之介さん演じる前田が主人公なのでしょうが)、主人公は観ている人が自分で決めることが出来る映画です
今この時代の中で見ておくべき作品
劇場公開中から話題だったにも拘らずパッケージ化されたから見たのだが、「これは映画館で見ておけば良かった」というのが観賞直後の率直な感想。
原作未読なのでどれほど原作が優れているのかはわからないが、映画単体として捉えて、この作品は2012年前後の世代を代表するような作品になるだろうと思う。
どの時代にも、その時代にだからこそ見ておくべき、その時代に見るからこそ価値のある、そういう作品がある。僕が若い頃ならば『竜二』や『ヒポクラテスたち』のように、その時代の若者の生々しさを切り取ったような作品。もちろん、そこは虚構の世界ではあるのだけども、妙に生々しく感じるもの……、それが『桐島、部活やめるってよ』という映画で全編にわたって醸し出されている。実際の今の高校生達の評価はわからないのだが、多分間違いなく、今の若者の生活のなかに漂っているだろう空気感を見事に描いているという事を、見ている大人たちに伝えている。
すっかり中年になってしまった僕が、あと10年先にこの映画を思い出して感慨深いものがあるかと言えば、ちょっと違う気がする。また、20年後の若者がこの映画を見て誰もが敏感に何かを感じるかと言えば、それも違うと思う。
ただ、今この時代を切り取ったという意味では、この時代のなかで鑑賞され、この時代だからこそきちんと評価されるべき作品ではないだろうか。
食わず嫌いでスルーしていたことを後悔した。
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