苦役列車

劇場公開日:

解説

西村賢太による2010年・第144回芥川賞作を「天然コケッコー」「マイ・バック・ページ」の山下敦弘監督が映画化。昭和の終わりの酒と風俗におぼれる日雇い労働の青年の姿を通して、孤独や窮乏、生きる力について描き出していく。1987年、中卒で19歳の北町貫多は、日当5500円の日雇い労働でその日暮らしの生活を続けていた。生来の素行の悪さと性犯罪者だった父をもつ引け目から友人も恋人もいない貫多だったが、ある出会いによって大きく変化していく。主演は「世界の中心で、愛をさけぶ」「モテキ」の森山未來。貫多が港湾労働で知り合い、貫多に変化をもたらしていく専門学校生・日下部正二に高良健吾が扮する。映画オリジナルのヒロイン・桜井康子役で「AKB48」の前田敦子も出演。

2012年製作/113分/R15+/日本
配給:東映
劇場公開日:2012年7月14日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第36回 日本アカデミー賞(2013年)

ノミネート

優秀主演男優賞 森山未來
優秀助演男優賞 高良健吾
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(C)2012「苦役列車」製作委員会

映画レビュー

4.0塩吹き黒Tシャツの説得力

2012年7月27日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

興奮

のっけから、昭和の匂い。主人公の登場を待つくすんだ町の情景に、素っ気なくクレジットがかぶる。ああ、かつての邦画やテレビドラマのつくりってこうだったな、と思う。その時は最新だったはずのあれこれは、数年たつとあっさり色あせ、古ぼける。そうなると見向きもされない。けれども十年も経てば、「あの頃」を思い出させてくれ懐かしいと再びもてはやされる。…それって、あまりにも安直すぎないか?本当のところ、中身はどうなんだ?と感じることがしばしばある。
本作も、舞台は「かつて」の80年代。主人公・貫太の友人・正二のラガーシャツやスポーツバック、康子のふわふわしたセーターやロングスカートは、確かに当時を彷彿とさせる。
ところが、どうだ。貫太は「今」そのものを生きている。そこらにぬぼーっと立っていそうな存在。きっと、いつ観ても「今」を感じさせるだろう。わしわしと白飯をかきこみ、重い袋を持ち上げる。何より衝撃を受けたのは、彼の黒いTシャツについた白い汚れ。壁でもこすったのか?…と頭をめぐらし、はっとした。白いものは、彼の汗をが乾いてできた塩だ!
汗が塩になるには、汗が乾かない状態が必須。それには、ひっきりなしに汗水流すだけでは足りない。汗を受け止めきれない、吸水が悪く乾きにくい安っぽい布地(最近のドライ機能つき特殊素材ならば起こり得ない!)の服も条件になる。そしてもちろん、貫太は、ろくに洗濯せず、何日も着続け、日々塩を量産しているのだろう。
ダメダメ男の物語をどう結末付けるのか…が途中から気になったが、期待は最後まで裏切られなかった。ドスン!と豪快で軽やかな落下。小説と異なる、映画ならではの幕切れ。鮮やかこの上なかった。
貫太は、今も相変わらず、そこいらをうろついているはず。でもそれは、「一見」に過ぎないのかもしれない。変化は、じわじわと、ある日突然やってくる。

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cma

4.0底辺の人よ労働者諸君よ

2024年8月7日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

笑える

悲しい

父親が性犯罪を犯したおかげで中卒で日雇い労働者になり、風俗好きで、家賃を滞納しているアパートを追出され、自暴自棄になり職場で暴力を振るいクビになり、友達が去っていき、恋人の前田あっちゃんにもフラレて頭突きを食らうというクズ野郎が主人公の映画です。
でも父親が性犯罪者だとそんなに人生が台無しになってしまうんですかね?中卒だとキツい日雇いの肉体労働しかないんですかね?
ちなみにこの映画を観て初めて人足という差別っぽい用語があることを知りました。

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おむぅ

2.0ゲス過ぎる

2024年1月1日
PCから投稿
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プライア

3.0社会の底辺で生きる少年を森山未來が熱演。 日雇い労働で頑張っている...

2023年1月22日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

社会の底辺で生きる少年を森山未來が熱演。
日雇い労働で頑張っているのは好印象だったが、家賃を滞納し、友人、知人に借金までしているのに好きなだけ飲み食いし、風俗店に通いつめているという、なかなかのクズっぷりにはうんざり。
あと、唐突に始まった動物ゲームの馬鹿馬鹿しさ。
前田敦子がほとんど下着姿になって水遊びをするシーンはなかなかの衝撃度だった。

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省二