冷たい熱帯魚のレビュー・感想・評価
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日本バイオレンス映画でおそらく常に上位を確立したといえるだろう
園子温さんの構成は凄まじいです。まずこの作品はリアルな人体解体描写があるのとアダルト描写もあります。娘には馬鹿にされ、再建相手と3人で飼育魚店を営んでいる本作主人公。娘の万引きがきっかけで町内でも大きな飼育魚店を営む老店主と知り合ったがために、家庭が崩壊していく物語。でんでんさん演じる狂気に満ちた老店主はかなりのサイコぶりを見せており、その演技は心底震え上がらせるほどでした。特に笑顔で解体している一方で、怒鳴り暴力的に突然変貌する姿は生きた心地がしないほどでした。人生は痛い、世に言う結婚や友情、家族は言ってしまえばどこかに不安や恨みなど少なからずあり、真理を追求してしまうと崩壊してしまう。そこに人間の証ともいえる理性があるわけだが、その理性もただ自分を守ろうとする一種の自己思考なのかもしれない。
いゃ〜終盤になれば若干慣れますが最初は怖かったですね。また一つとても異質な作品でした?
よくわかりません。
胸糞映画を観たく、この作品を観ました。
無駄なグロ、エロ描写。
ストーリーもハラハラしない。
何故、この映画のどこが胸糞なのか。
よくわかりませんでした。
期待し過ぎたからかもしれません。
ラストで、社本が村田と妻を差し、人柄が変わる。社本の本当の姿か。鬱憤か。
村田演じる、でんでんの演技も個人的に幅がなく感じた。
少しグロめのサスペンス 人間の狂気!グロいからR18ではない
凄くグロいわけではない。若干グロいシーンはあるものの、そんなにグロいシーンばかりでもないし、R18指定になったのは、恐らく、生々しい殺しのシーンだったり、人を殺した後に、証拠や、死体を見つからないように上手く消し去る方法(この映画内でいう、ボディーを透明にする)などが含まれているため、極めて犯罪性の高い内容であるため、高校生以外に悪影響でかつ、殺しや犯罪に興味が湧いてしまう、目覚めさせてしまう可能性があるために、最も厳しい年齢制限が付いたものと思われる。すごくグロテスクなわけではない。
内容的には、サスペンス映画が好きな人なら、ハラハラドキドキ感が楽しめていいと思います。ホラーが苦手な人でも見られます。
また、臆病で優しかった主人公が段々と変化していき、悪の道へと誘われ、悪い人間に化してしまい、耐えられなくなって爆発してしまい、豹変してしまう様が非常に興味深い。ある日突然、不意なことから、急に犯罪に巻き込まれてしまう人の辛さ、苦しさが身に染みて伝わってくる。皆さん良い演技してますなぁ
【62点】 抑圧、狂い
エログロと跳ね返してしまえばそれまで
ここに描かれる狂気は決して絵空事ではない
作品と人物とは別もの、作品には罪はありません しかし本作においては、監督にそのような異常な精神構造があったからこそ、このような異常な映画を生み出すことができたのだ そのように思えるのです
傑作です
それも突き抜けた世界的な傑作だと思います
恐ろしいことに、映画が終わったとき、私達はカタルシスを感じてしまうのです
「もし再編集することが可能なら、でんでん演じる男が吹越満演じる男に刺殺され、黒沢あすかが笑っているくだりでエンドロール、という形にしたい」と監督は語ったそうです
つまり、監督はそのカタルシスを観客に与えたのは間違いだったと考えているようです
観客をカタルシスに至る道だけを示して終わるべきだったという意味は何でしょうか?
それは観客を本作を観た後に強い欲求不満に置いて帰らせるべきだったと考えている
そう言うことだと思います
そうすることで、観客をその欲求不満に耐えかねて、やがて猟奇殺人を夢想するように仕向けたい
それが監督の本当の狙いだったように感じるのです
序盤から、観客に主人公に感情移入をさせ、怒りと反撃の感情の圧力をどんどん高めているのは、クライマックスのカタルシスを与えるための計算された伏線であったのです
妻や、娘がともに乳房の大きな女優が配役され、妙に胸もとの広くあいたセクシーさを強調した衣装、主人公を実は愛していない妻、レイプされて喜ぶ妻、再婚するまでは優しい娘だったのが、手のつけられない反抗的な娘に変わってしまう
あざといぐらいです
主人公が攻守入れ替わって徹底的に反撃するクライマックスを敢えてカットして、観客を欲求不満に陥れること
それが本当の監督の狙いであったのなら、その為の伏線もまたあざといとは思われなくなるだろう
そういうことだと思えます
恐ろしい映画です
こんな映画は世界を見渡してもないと断言します
唯一無二です
そら恐ろしい傑作だと思います
つい先日このようなニュースを読みました
「園子温の性加害を出演女優らが告発!「主演にはだいたい手を出した」と豪語する大物監督の“卑劣な要求”」
記事にはこんなことまで、書かれていました
少し引用します
「確かに、すべての監督がそうでないにせよ、少なからず現実に起こっている“異常”な実態があるんです」
そう話すのは、さる映画配給会社の幹部だ。話を続ける。
「今も平気で“俺とヤッたら仕事をやる”と言う映画監督がいます。彼の作る映画は評価が高く、作品に出たがる女優はたくさんいます。それを利用して、彼は当たり前のように女優たちに手を出している。それが、園子温です」
作品と人物とは別もの
監督や役者の不祥事で、作品をお蔵入りにするのは、自分はおかしいと思っています
作品には罪はありません
しかし本作においては、監督にそのような異常な精神構造があったからこそ、このような異常な映画を生み出すことができたのだ
そのように思えるのです
だからといって、優越的な立場を利用して性加害を行ってよいのでしょうか?
良い映画を撮るためには何でも許されるのでしょうか?
その為には監督の要求には理不尽なことでも、性被害をうけても従うべきなのでしょうか?
そんな事を許すくらいなら、そんな映画なんか無くていいと思います
せっかくの傑作がそのような行為によって、撮られていると思うだけで胸糞が悪いのです
本作の肉体を「透明」にする作業のシーンよりももっともっと胸糞が悪いとは思いませんか?
園子温監督のファンです
自殺サークル、紀子の食卓、愛のむきだし、そして本作
どれも傑作です
心の底から世界でも屈指の才能のある監督であると思っています
それでもそう思います
全員狂ってていい!
やっと観られた
狂気!
こんなにグロいとは思ってなかった。
いつか見ようと思って先延ばしにしていた。
どんな話なのかも調べもせずに鑑賞。
普通にカップラーメン食べながら見てたんだけど、序盤から嘔吐のシーンがあり、おや?と
勘繰る。(←いつも、このパターン)
あの、働いていた若い女の子たちは
どんな使い方をされていたのか?
きっとエロいことに違いない…なんて
思っていたら、グロいシーンたくさん出てきて、これは苦手な人には無理だ〜と思ってみていた。なんだか、見ているこちらもおかしくなるような出来事ばかりで、正直胸糞わるいが、
結局最後まで見れちゃった。
まず、思うのが、なぜ警察に行かない?ってこと。怖くて行けないということなのかな。洗脳なのか。
結局なんで、でんでんはあんなに殺人を繰り返していたのだろう。短気なだけ?金がほしいから?
30人も周りで行方不明になっていたら
警察もなにか掴めてそうだけど。
グロにわりと強いけど、解体シーンとかはちょっときつい。なんだかズシーンとくる。
終わったあと、我が子の寝顔見たら
スーッとそれが抜けた。
やっぱ我が子はかわいい。笑
某事件が題材と聞いて。
謎のハッピーエンド感。
おとぎ話
凄まじい作品だった。
どこか、おとぎ話ならいいなぁと考えるのだけど、現実とは切り離せない部分に、この作品の核があるようにも思う。
「人生ってな痛いんだよお」
主人公が最後に放つ言葉だ。
何事にも簡単な事はない。いや…簡単なプロセスには簡単な結果しか訪れない。そんな事を呆然と考える。
娘の前で、首を掻き切る主人公。
「やっと死にやがった、クソジジイ」
娘は父親を蹴りながら高らかに笑う。
見開かれた虚ろな眼からは、主人公の心情は読み取れない。今際の際に彼は何を想っていたのだろうか?
全部手遅れだった。
楽な方、簡単な方を選んだ報いなのだろうか?
その自死も、やはり簡単な方なのかもしれない。
見せ方というか、求心力というか…。
暴力と性と血と狂気と。
よくまぁこんな脚本を思いつくなと惚れ惚れする。
息も絶え絶えな時に呟くでんでんさんの台詞とか、ブチ切れた後の家族の食卓とか。
それだけではないのだけれど、その暴力と性の隙間に挟み込まれる本性のようなアレコレが、人として業を想起させる。
役者陣は皆さま熱演で…でんでんさんと吹越さんは絶品だった。
スピード感がとにかく凄い。
でんでんさんの口調もそうだけど、シーンもカットもガンガン飛ぶ。一旦乗ったら、下ろしてもらえないジェットコースターのようだった。
…僕らは何を誤解していたのだろうか?
世の中には楽しくて面白い事ばかりがある訳ない。
極端ではあるが、コレすらも人の営みの側面だ。
なんか、平和ボケした頭をハンマーでぶん殴られたような気がする。
上手にコラージュされた文明の中身なんてこんなもんだ。見ないように振る舞っていても、すぐ隣ではこんな日常もあるんだよ。
何を呑気に構えてるんだ、と。
それをちゃんと認識し、自分も同類だと立ち位置を確かめてから、まずは立てよ、と。
そう言えば、ラストに歩く吹越さん歩き方が異様だったな。あんなに直立に立てるもんなんだなぁと、そんな事思ったの思い出した。
疲れるだろうなぁと予想していた本作。
大変、疲れたのだけれど、コレを避けて通るようではたかだか知れてると、そんな事も思えた。
色んな意味で、見るべき作品だった。
■追記
レビューを見返す機会があり、ふと去来した感想を書き留めておく。
結構な残酷描写はあるものの、それらはコケ脅しや映画の文法に則ったものではなく、必然だったり必要性の方が強かったのではないかと思う。
やり過ぎでもなく、やらな過ぎでもない。
装飾でもなくスパイスでもない。
なんちゅうか、場所も行為も全てはキャラクターに由来するようだった。「こんな奴がこんな事をする為に必要なアレコレ」そんな所から起因した発想のように思う。伏線の集大成というか…つまる所、人物への造詣が異常な深度だったように思う。
たぶんなら、それこそが園監督の真骨頂なのだろうなとボンヤリ考える。
だから、商業ベースで撮った「新宿スワン」は面白く思えなかったのだなと、変な所で得心を得た。
冷静に見るとドタバタコメディ
人の言いなりになるって嫌だなぁ!!
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