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ー 原作は既読だったが、読後感の悪さと当時は貴重な休みの日は子供達と遊ぶことを優先していたので、興味が湧かない映画は未観賞だった。
だが、この作品自体はいつか観ようとは思っていた。-
■昭和の時代、ある廃屋で質屋店主キリハラが鋏で背中を刺され殺害される。事件は店主と不倫関係にあったと噂された女(山下容莉枝)が”ガス自殺した”事で一応解決する。
が、被害者の息子亮司と容疑者の娘・雪穂の様子が引っ掛かった刑事の笹垣(船越英一郎)は、単独で捜査を継続する。
その後、雪穂(堀北真希)は裕福な家に貰われ美しく成長するが、なぜか彼女の周りで不可解な事件が次々と起きる、
一方、亮司(高良健吾)は、常に雪穂を守るが如く、笹垣を突き合っていた女から手に入れた毒薬で殺そうとする。
◆感想<Caution!完全に内容に触れています。未観賞の方はここまででお願いします。>
・記憶違いかもしれないが、小説とは一部設定が違う部分がある気がしたが、映画化されるとはそういうモノだと思っているので、観賞続行。
・序盤は、只管にトーンが暗い。小説自体がそうなので仕方がないのだが。けれども深川監督はミステリー要素を上手く映像化しても残しているなあ、と思った。
・笹垣が定年にを迎えても捜査を続けていた理由が分かった、”Y&R"という会社を創設した雪穂の美しい姿を見て、亮司が笑顔でビルの屋上の端に腰掛けている時に、彼が必死に叫んだ言葉が沁みる。”俺が、君の父になっても良いんだ!”
だが、彼はその言葉を聞いた後に、ビルの屋上から身を投げるのである。
<墜死した亮司の死体に駆け寄る笹垣。周囲は人だかり。その中にいた雪穂はその場から背を向け、微笑みをうっすらと浮かべて立ち去るのである。
今作は、今作は幼き日の哀しく恐ろしい出来事を引きずり19年に亘り生きる男女の物語であり、傷つけられた少女の心が、大人になるにつれ変容していく様を、堀北真希さんが演じた作品である。>
■けれども、個人的には堀北真希さんは、善人が似合うのではないかなと思った作品である。色々と葛藤しながら、演じたのだろうなあ・・。