十三人の刺客
劇場公開日 2010年9月25日
解説
片岡千恵蔵主演、工藤栄一監督による集団抗争時代劇の傑作を役所広司主演、三池崇史監督でリメイク。江戸時代末期、罪なき民衆に不条理な殺戮を繰り返していた明石藩主・松平斉韶の暴政を訴えるため明石藩江戸家老・間宮が切腹自害する。この事件を受け、幕府内では極秘裏に斉韶暗殺が画策され、御目付役・島田新左衛門(役所)がその命を受ける。新左衛門は早速刺客集めにとりかかるが、彼の前に斉韶の腹心・鬼頭半兵衛が立ちはだかる。斉韶に稲垣吾郎、鬼頭に市村正親のほか、山田孝之、伊勢谷友介ら豪華俳優陣が集結。
2010年製作/141分/PG12/日本
配給:東宝
スタッフ・キャスト
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2022年6月20日
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鑑賞方法:DVD/BD
すべては死ぬに死ねない女のみなごろしに重みを感じた。
2022年6月9日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
ネタバレ! クリックして本文を読む
コレだよぉ!観たかった映画はこういうのなんだよぅ!
役所広司さんが主演というだけで、これはもうハズレの目はないと思い。
そしてあの『ゼブラーマン』『ラブパトリーナ』を手掛けた、三池崇史さんが監督ということもあり、予々観たいと思っていた作品です。
で、このたびレンタル落ちの中古DVDを購入しての視聴です。
まずね、ガク((( ;゚Д゚)))ブル ってなったのは。暴君・斉韶(なりつぐ)の所業なんですよ!
斉韶の慰み者とされていた女性の容姿が気の毒にも、完全にホラーじゃないですか ガク((( ;゚Д゚)))ブル
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私の女装メイクもたいがいホラーやんか…(^_^;
あのシーン、本当に驚いたのね。「俺は何を見ているんだ?」みたいに。
残酷の極みのCGすげぇ。
「えっ、今観てるのって勧!善!懲!悪!物の時代劇ですよね?
(。´・ω・)?ホラーじゃないですよね?」ってなっちゃうくらいインパクトあるの。
一揆を企てた一家の長へ見せしめとして、基地外によって家族全員を惨殺された上に、四肢を切断され、舌まで抜かれた娘のビジュアル、哀れすぎる…
「して、家族はどうなった?」問う役所…ジャナイ!新左衛門に対して、涙と血の鼻水を垂れ流しながら口に咥えた筆で「み な ご ろ し」と、ぐしょ濡れになった紙に書くの(さすがPG12指定。やるじゃない)
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そしてココ伏線だから心憎いの。
その敵役の暴君・吾郎…ジャナイ!斉韶ですよ。
しょっぱなからめっちゃすげぇ基地外っぷりを発揮してくれるの。
「これでもか!これがええのんか!これが!」みたいに。
まさに基地外にポン刀deathよ!
なので導入部から、すでに「斉韶には何をやっても許される!殺ったれ!」みたいな風潮が出来上がっているんdeathよ。
鬼畜っぷりとは裏腹に、稲垣吾郎さんの感情を抑えた静かな怪演が光まくってるの。
で、リアル斉韶さん。いつものようにWikipedia先生にお伺いを立ててみると、どうやら歴史に実在したリアル人物なの。
そしてあんなド外道じゃなくて、ごくふつーの人だったっぽいの。
崇史謝って
斉韶さんに謝って!
で…映画のお話の概要は以下の通りです。
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天下の将軍の異母弟で、暴虐非道の明石藩主松平斉韶の基地外っぷりがひでぇのなんの!
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藩の江戸家老間宮図書は「どないかしてくれ!」と老中土井大炊頭屋敷前で斉韶への直訴の切腹でお亡くなりに。
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中間管理職員侍の間で、さすがに「どないかせなあかん!」と話し合ったけれど、社長(将軍)の鶴の一声で、斉韶にはお咎めなし←将軍も鬼かよ!
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斉韶の老中就任が来春に内定していることを知った大炊頭。斉韶は、もう屠ってしまうべし!と決心する。
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そんで御目付役の島田新左衛門を呼び出して「殺ってしまえ」と。
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新左衛門は斉韶を討つべく仲間(刺客)を集める。一方の斉韶に仕え、かつ新左衛門の知己朋友・鬼頭半兵衛は彼の動きを知って「それはまかりならぬ!」と妨害工作に打って出る。
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十二人となった一行は、かつて息子とその妻を基地外に戯れで惨殺され、すげぇ遺恨を持つ尾張家木曽上松陣屋詰牧野靭負に協力してもらって、参勤交代帰国途上の中山道落合宿にてド外道・斉韶を狩ることに決める。
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落合宿に向かう道中の山中で出合った山の民のすげぇタフガイの小弥太を仲間に加えて十三人となった一行は落合宿を大金で宿場ごと買い取り、様々な罠を仕掛けて要塞化。鬼畜・斉韶一行を待ち構える。
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一方の基地外側は予想を遥かに超える、すげぇ大群を用意してきたから、さぁ大変!落合宿にやってきた鬼頭半兵衛率いる三百名の軍勢と新左衛門ら十三人の刺客が今激突する!
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ざっとこんな感じ。Wikipedia先生安定の仕事っぷり乙。自分駄文安定のクズっぷりdeath
メインキャラクター側の十三人はどんな勇士なのか、どうやって集めるのかがお話の興味ある部分。
松方弘樹さん、井原剛志さん、山田孝之さんといった堅実なキャスティングで、これは安定の名画だわと思って安心して観ていられたです。
井原剛志さん演ずる剣豪の九十郎、いかにも戦国の武士っぽくてかっちょええ。
そうして割とあっさりと十二人の勇士は集まっちゃったのね。
あとひとりは伊勢谷友介さん演ずる山の民・小弥太。
『七人の侍』での菊千代的ポジションの勇士なので、活躍の期待大なの。
勇士を集める件を、過不足なく描いてくれていてよかったの。
欲を言うなら、もう“ほんの少しの”掘り下げが欲しかったかな。
山田孝之さん演ずる新六郎のパートが、かっちょええのね。
「すぐ帰ってくるさ…だが、もし遅ければお盆に帰ってくる」とか。
「本気の博打なら、張れるものはひとつしかありません!」だとか。
こんな感じで。
でも、最後の壮絶な決戦50分(マジか!)を含む2時間20分の尺だから仕方ないか。
(物語の三分の一以上が決戦シーンとか!マジぱねぇ!)
すぐに、べらんめぇ調の喋りになる松方さんが、『仁義なき戦い』を思わせて面白いw
クライマックスの合戦の迫力すげぇの何の!
火薬で家ごと爆破するシーンなんて、長屋セットリアル崩壊ですからね。
Wikipedia先生によると、村のセットは東京ドーム20個分の広さらしいのね。
東京ドームの仕事っぷり万能かw
数々の策略にはまってヘロヘロになった半兵衛率いる兵士群と基地外・斉韶に向けて新左衛門が、ドーン!と見せつけたのは
四肢を切り落とされた娘の書いた「み な ご ろ し」の紙なのね。
ここ、本当に背筋がゾクゾクするの。カタルシス大爆発の予感!
早々に小細工を捨てた十三人の刺客vs悪党残り二百数十名の武士たちの壮絶な斬り合いですよ。
新左衛門が狼煙を上げる通りに「斬って斬って斬りまくれぇ!」の合戦ですよ!
かの『七人の侍』の総天然色&十三人ver.ですよ!
こりゃぁ、興奮するなったって無理な話ですよ!
斬り合いってか、もはや戦国の合戦さながらの“喧嘩殺法”なわけですよ。肉弾戦のド迫力満点なの!
「刀が無いなら棒を使え!棒が無ければ石を使え!石が無ければ拳を使え!」マジそんな感じ。
火を背負って突進する牛さんのカット以外は、CGなんて無しっぽいリアル肉弾戦ですよ!
十三人がそれぞれに見せ場ある獅子奮迅の大活躍ですよ!
手に刀持たずの小弥太もユーモラス交えながらの大奮闘ですよ!
私大興奮ですよ!(੭ु ›ω‹ )੭ु⁾ウレシー!
ですが、多勢に無勢、やがて十三人は凶刃の前に一人、また一人と命を散らせていく訳です。
50分もの尺の決戦ですからね。倒れていく勇士たちの最期を丁寧に描いてくれているの。
このあたりも、それぞれの見せ場が本当にかっちょええ。
で、基地外は基地外で(これもう止めようよ…)窮地の中で名言吐くんですね。
「死が近づけば、人は生きることに感謝が生まれる。無駄に生きるだけならこの世はなんとつまらぬところか」
でも、やっぱりこいつ頭おかしい。
そんな名言からの…
「そうだ半兵衛、よいことを思いついた。余が老中になったあかつきには、再び戦の世をあらしめることにしようぞ(笑)」
↑
とことん基地外の面目躍如←だから!
さすがの半兵衛さんも「こいつ…頭ウジ湧いてるんとちゃうんか…」みたいに、ぽっかーんと呆れ顔。
そして、なんと!総勢三百余名の斉韶一行は、十三人相手に壊滅!
胸スッキリ!
最後は生き残った新左衛門と、知己の仲の半兵衛との一騎打ち。
新左衛門は新左衛門で、天下の御政道のため、斉韶を倒すことに命を賭して戦いに挑んだわけですね。
一方の半兵衛は半兵衛なりに、武士として主君を守るため命を懸ける覚悟で戦いを受けたわけですね。
立場は違えど、同じ侍として生きる旧友同士の一騎打ちですよ。
己の誇りを懸けた胸熱の名言の応酬なんですよ。
書ききれないからパスしますね。詳しくは作品まで!
そんな胸熱の戦いを前にしても、基地外は「一騎打ちとは風流じゃのぅ」ですよ。
戦いに勝った新左衛門は「あの世で待っていてくれ」と、旧友・半兵衛の首をはねるんですね。
その首を、足元の邪魔者をそうするが如く、さも当然のように蹴とばす基地外!
誰か!早くコイツ殺って!斬って!
もはや助けてくれる配下もいなくなってしまった基地外を前に、新左衛門、またもや胸熱の啖呵!
ここは本当に背筋ゾクゾクしたの。詳しくは作品まで!
女装趣味があるとはいえ、大和男として生まれてきた私ですから「男子とはかくあるべし!」って思うのね。
一方の基地外は、窮地・オブ・窮地に陥っても、くっそ憎たらしい手前勝手な屁理屈吐くのね。
早く殺って
基地外の首はねて!
新左衛門そんな基地外の土手っ腹を本差で貫くの。
基地外、血と泥にまみれて這いずりながら、事ここに及んでやっと人らしい言葉吐くの。
「余は…死ぬのか…怖い…怖い!怖い!(泣)」
↑
ヾ(@゜▽゜@)ノメシウマ!
なのに、この基地外、最後の最後で意外と良いこと言うのね。
「島田とやら…礼を言うぞ。今まで生きてきて…今日という日が一番楽しかった」
三池さんとやら、礼を言うぞ。私もこの映画観てきて本当に楽しかった
*・'(*゚▽゚*)'・*ウレシー
とどめの一太刀で基地外の首をはねた新左衛門さんグッジョブ!
跳ねられた基地外の首はごろんごろんと長屋の厠の中へw
↑
ヾ(@゜▽゜@)ノザマァ!
満身創痍で倒れ伏した新左衛門「侍とは…本当に面倒なものよ…」と最期の言葉で息絶えちゃうの。
結局、そんな修羅場を生き延びてきたのって「すぐ帰ってくるさ…だが、もし遅ければお盆に帰ってくる」
って言ってた山田孝之さんと「おまえ、不死身かよ?」の伊勢谷友介さんのふたりっきりなの。
友介さん、頸動脈あたりを脇差でブスリと刺された上に、腹まで斬られていたのに、てんでへっちゃらなのが笑えるw
重厚なエンディングテーマも「大変美味しゅうございました」のフルコースディナーの締めのエスプレッソみたいな?
そんな感じのエンドクレジットに乗せて流れてくるの。
最高だよあンた!(三池さん) ハズレもそこそこ多いけれど(笑)
これ、本当に映画館で観たかったなぁ。女装遊びで行く街の名画座で、リバイバル上映してくれないかなぁ。←男の姿で行くよ!こんな“漢”っぽい映画は!
劇場で観逃した自分残念無念!
そして今回も女装ネタぶっこむ自分も残念すぎる…
役所広司さん演ずる侍といえば、もうすぐ公開の『峠-最後のサムライ-』がめーっちゃ楽しみなんですよ。昨年からずーっと。
主役級俳優さんてんこ盛りですからね。観に行きますとも!
さてさて、どんな作品になってくれるのかな?
2022年5月30日
Androidアプリから投稿
何か史実ベースっぽい説明が出るから思わず調べてしまった。
予備知識はなく特に期待せず見始めたけど、良い意味で裏切られた。ただ、全体的に面白かったけど最後の戦闘シーンが長すぎ、半分くらいに抑えてくれたらダレずに見れたと思う。
2021年11月2日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
残虐な明石藩藩主を暗殺すべく、老中が放った刺客たちが奮闘する物語。
実際にある逸話に着想を得たお話ですね。オリジナルは未鑑賞です。
人間性が破綻しているにも関わらず、将軍の弟ということもあり失脚させることが出来ない松平斉韶。彼が老中として政治を司ることを恐れた老中土井が、刺客を送り込みます。
稲垣の悪役ぶりは、この映画の肝ですね。冷酷で残虐。人間としての温かみが完全に欠如していて・・・でも決して暗愚でもバカでもない。そんな斉韶を怪演しています。
そんな斉韶の残虐さを示すエピソードがあまりにも秀逸で、それだけに以降の物語に引き込まれていきます。
クライマックスの集団剣闘は迫力十分。ただ、長すぎて、最後は飽きを感じてしまったのはとても残念。
そもそも明石藩側の人数設定が多すぎますし、その人数を超えた侍がワラワラと出てくるような印象もマイナス。
もう少し人数を絞り、時間も短めにした方が、映画の完成度は高まったように感じます。
また、役所広司は素晴らしい俳優ですが、剣術の猛者・・・という役回りは厳しい印象なのも残念です。
また、余計な演出が幾つかあって、それが蛇足に感じたのもマイナス。
例えば、斉韶が犬食いしているシーンは異常性を際立たせる為なのでしょうが、私が感じた「暗愚でもバカでもない」キャラ設定とは違うように感じました。
また、落合宿でのSEXシーンも下品に感じますし、ラストの伊勢谷のシーンも・・・・そもそも伊勢谷の役回りは要らなかったように感じます。オリジナルにもいるキャラクターなのですが、こんな演出だったのでしょうか?
私的評価は3.5。でも、クライマックスまでは4.5を付けたくなるような映画でした。
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