インビクタス 負けざる者たちのレビュー・感想・評価
全115件中、81~100件目を表示
小説より“希”なりな実話
90年代、南アフリカ共和国で、長く白人が黒人を虐げた政策がやっと終焉。本作は、超大国アメリカに先駆ける一国の“チェンジ”のエピソードだ。
黒人にしてカリスマ的指導者マンデラを新大統領に迎えた後も、国内は一触即発。新聞の見出しは《選挙に勝てても、国を率いていけるのか?》
この難題に挑むため、マンデラはスポーツ、それも白人が好み黒人が嫌うラグビーに目をつける。
『マンデラの名もなき看守』のヘイスバード版マンデラは、威厳たっぷりだった。けれど、この場合Mフリーマンがふさわしい。世界的偉人に対してあれだが、どこかタヌキな、もとい強かなマンデラ。
白人との融和に反発する黒人達も、彼に「寛容になりたまえ。私ゃ牢獄で27年…」と遠い目されれば、すごすご(^^;
老齢に激務、家庭不和に悩みつつ、黒人をなだめ白人を手懐け、気づけば皆して彼の手の平で転がされ。やっぱ古だぬき…失敬。悪名高い旧政府から生き延びたのも、おそらくこの強かさあってこそ。
一方、イーストウッド監督は、得意のサスペンスフルな手法を抑え、あっさりと仕上げている。やや拍子ぬけも納得した。
マンデラが白人に希望を与えようとした理由を「人間的な打算」と映画は言う。全ては国家統一のための手管。だが最終的に、隠し味の慈悲こそが、国民を動かしたのだ。たった一日でも、かつての敵と喜びを分かち合えたあの日、黒人も白人も等しく幸せだったと思う。
小説より“希”なりな事実に、上乗せの感動など要らないと、監督はよく知っている。
美味しい小料理屋で、無口な店主クリントがくれたサービス。メニューにない素材勝負の小皿は、意外にもなかなか旨い。
普通に良い
3月12日新宿ピカデリーにて観賞。
大体想像がつく「感動しそうな感」があったのでちょっと足が向かわなかったのですが、観てみりゃ
良い映画ですよこりゃ
なんつってもモーガン/マンデラの勤務初日の職員に向けてのスピーチで、結構ヤラレました。
ラグビーの試合のシーンも臨場感たっぷりで手に汗握る感じ。こりゃ普通に観といたほうがいい作品です。
(ラグビー物としてはスクール・ウォーズに軍配をあげてしまいますが)
イーストウッドは次回作でサッカーものやってくんないかな?
ラグビーだってアメリカ人は全然興味ないスポーツなのにここまで面白く作れる監督だったらきっと、サッカー映画をFIFAやらなんやらいろんな協力があったのにもかかわらず駄作シリーズなGOALのような物にはならんでしょ?
個人的にはヨーロッパ・チャンピオンズリーグなんか絶対良い題材があると思います。
何年か前のユナイテッド対バイエルン。
リバプール対ミランとかチェルシー対ユナイテッドの同国対決なんか
面白いの出来ると思うんだけどなぁ・・・・。
スポーツって本当に素晴らしいものですね!
南アフリカのラグビーチームと、ネルソン・マンデラの熱い実話を映画化。
マンデラを演じたモーガン・フリーマンが秀逸。
しゃべり方から歩き方、可能な限りマンデラに近づこうとしています。
何より、私生活でもマンデラと親交のあるフリーマンだからこそ、その思いを体現出来たのでしょう。
イーストウッドの演出は、いつもより大人しめです。
しかし、スポーツを通じて一つになろうとする人々を丁寧に描いていてグッときます。
アカデミー賞は逃しましたが、活力をもらえる快作です!
クリント・イーストウッド監督は天才です!
27年もの投獄生活があったのになぜあんなに寛大でいられるのでしょうか。知性と強い精神力を持つマンデラ大統領の「憎しみからは何も生れない。」という言葉が胸に響きました。ラクビーに対してはルールが分からないので、ちょっと心配でしたがそれは杞憂。最後はスタジアムの声援を送る一人なって試合を楽しんでいました。
これも愛の形。
このお話は、マット様が出ているから
見に行ったようなもの・・・・w
ただ、この映画を見に行っただけなら
ちょっと泣ける、いい映画の部類だ。
実話ということだけど、
再現しただけってわけでもない。
マンデラになりきったモーガン・フリーマンが凄すぎ
70歳超えてるんですってw
マット様は完全にラガーマン!!
超、カッコイイ~
マット様大好きでやんす♪
むふふ~むふふ~
やっぱり、イイな~。
“クリント・イーストウッド監督第30作”。南アフリカでの感動の実話を映画化。相変わらずエエ仕事しますな~!イーストウッド監督。
今回、イーストウッドは監督専任です(「グラン・トリノ」で“俳優引退宣言”しましたよね)。この人の映画は、イーストウッドご本人が出演しているモノは、“熱血”とか“根性”って感じの物がダイレクトに表現され、我々を熱い感動に包んでくれる気がします(「グラン・トリノ」や「ミリオンダラー・ベイビー」etc)。こちらは云わば『“動”の演出』とでも言いましょうか。他方、演出に専念している映画では、逆にもの凄く淡々とストーリーが展開し、決して派手ではない非常に抑えめな演出が為されているような気がします。そして観ている我々は、魂の底から打ち震えるような感動に浸らされるのです(「チェンジリング」、「硫黄島からの手紙」etc)。こちらは『“静”の演出』と言えるのではないでしょうか。そして本作は、当然後者に当てはまる映画です。この手の“感動実話物語”の映画では、よく『さあ、どうだ!これで泣け~!』と言わんばかりの“泣きの押売り”的演出がされている時があります。そういう映画に当たると吾輩は、非常に気が重くなります。『確かに泣けるかも知れんが、終わった後しんどいんだよ~!』って感じです。その点この映画は、南アで実際に起こった話を、実に淡々となお且つ感動的に撮り上げています。もお、何なんでしょうね?別にさして大したことの無い、普通のシーン(子供たちが、ボールを持って走る)がスクリーンに映し出されただけで、吾輩ウルルン状態になっちゃいました。これがイーストウッド映画の魔力…もとい魅力なんでしょうね。もう、ホント上手く説明できないんですけど、いつの間にか感動させられてしまいます。毎度のことですが。
上映時間、2時間14分の中で描き出すには、かなり難しい実話(内容が濃密過ぎて)だったと思われます。ですから『マンデラ氏の27年間の苦痛が、充分反映しきれてないかな?』とか『“恥”とまで言われたボクスが、何かえらいアッサリと勝ち進んで行っちゃうがな(いえ“恥”の時点でも、日本代表なんかよりは、遥かに強かったようですが…(>_<)』更には『黒人と白人の対立って、現実はもっと根深いモンなんだろうな~』と言った印象を受け、『チョット淡々と進行し過ぎちがう?』と思える部分もありました。『もう少し長くして、もっと掘り下げてくれてもいいのにな~』なんて思いながらも、実は充分に感動させてもらいましたので、これは恐らく吾輩の“贅沢な願望”なのでしょうね(^^;。
“アパルトヘイト”。昔、中学や高校の社会科の時間に習いました。当時『いまだに、そんなことやってる国があるんやなあ~』と思っていました。マンデラ氏が解放されたってニュースを聞いた時は、何か単純に嬉しかった覚えがあります。氏が解放されて、もう20年も経つんですね。ついこの前のことのような気がしますが、案外忘れてしまってますね(^^;。まして'95年のラグビー・ワールドカップのことなんて、殆んど知りませんでした(いや、当時はニュースなどで知ってたかもですが、これも殆んど忘れてます(>_<)。感動を受けつつ、こういった事実を改めて知ることが出来る…素晴らしい映画です。スタッフ、キャスト共にホントいい仕事してますよ!
マンデラはマキャベリストか?
随分世評が高い。決して悪くない。冒頭のマンデラが、すわ襲撃、というシーンも上手いなぁと思った。だが、なにか釈然としない。
それはやはりマンデラの描かれ方に問題があるのだと思う。スプリングボクスのエンブレムやユニフォームの問題、あるいは白人のスポーツであったラグビーを人口の大半を占める黒人にも応援させて、黒人と白人の融和の象徴としてラグビーチームのワールドカップでの優勝を目指すという作戦もどれも、政治的判断によるということだ。映画でも語られていたが、アパルトヘイトを止めても、経済的実権は、南アの白人アフリカーナが握っていて彼らの黒人への恐怖心・反感を除去しないと南アの経済は改善されず、結果貧しい黒人層の窮乏は解消しない。そのためにも黒人と白人は融和せねばならないということだ。すると、彼がスプリングボクスのキャプテン・ピナールにインビクタスの詩を渡す感動的なシーンも、黒人と白人の融和そしてその先にある経済問題解決の為の手段というように見えてしまう。つまり、すべてがマンデラの真意としてでなく、極めて政治的・功利的判断からというようにも取れるのだ。
そのためには、もうすこしマンデラ自身がいかにして自分を20年以上牢獄に入れておいた白人たちを許すに至ったのか、つまり彼自身が融和を説くことができるようになるまでの葛藤をもう少し描いてあれば、印象は違ったものになったと思う。ないものねだりだが。
だから、『父親たちの星条旗』で硫黄島に上陸した米兵に黒人がいないとイーストウッドをスパイク・リーが批判し、スパイク・リーとイーストウッドの間で一悶着あったが、その時の思いが、イーストウッドをしてマンデラの映画を撮らせるようになったのではないか?なんてゲスの勘ぐりも頭をもたげたりもした。
期待しすぎたせい?
いや、もちろん良かった。それはそうなんだけどもっと何か胸にグッと来るものを期待していたのでその点ではちょっと物足りなかった。
マンデラ氏の言葉が印象的だったけど、肝心のラグビーのシーンはそこまで興奮しなかった。
やっぱり期待しすぎたのかな、と。
ネルソン・マンデラにみる真のリーダーシップ
単なるスポーツドキュメントではありません。一つの国際スポーツイベントを通して、崩壊しかねない危険な状態だった国が本当に一つにまとまったという実話。まとまるようにし向けたマンデラ氏の凄さと行動力に感銘しました。
同時に、私たち日本人には分かりづらい南アフリカの人種差別問題の深刻さについても理解が深まると思います。
私は10年ほど前、南アの隣国ジンバブエに住んでいましたが、大統領がとんでもなくひどく身勝手な輩であるため、国民の生活がどんどん悪い方向に傾いていく様を目の当たりにしていました。それだけに、アフリカの指導者にもこんなにスゴイ方がいらっしゃったという事実に、改めて心を打たれます。
これまでラグビーや南アフリカに関心がほとんどなかった人にこそ観て、何かを感じてもらいたい映画です。(ちなみに、9年後の2019年には、日本でラグビーのワールドカップが開催されることがすでに決まっています。)
また、ラグビーに限らずチームスポーツの指導者にとっても、「格上の相手に勝つためのチーム作り」という面で、多くのことが学べる映画だと思います。
ガンバって、ガンバって、って聞こえてました。
ドラマ『スクール・ウォーズ』に夢中にだったので、ルールはぼんやりとしか分からないまでも、ラグビーが映画に出てきても怯まないかな。スポーツを題材にした作品は、そのスポーツのルールが分からなくても十分に楽しめる性質なので、ノー問題。
まぁ、ラグビーはあくまでも象徴として利用されただけだもの。『大脱走』はサッカーのルールを知らないと楽しめない訳じゃないもんね。
意外と思想的に危うくなってきている日本人にこそ、マンデラ大統領の心意気に触れることのできる本作は重要かもしれない。
スポーツには人々をひとつにする力がある!
マンデラ大統領ものを観るのは2作目だが、またまた偉大さに感銘を受けた。彼の考え方はすごいと思った。赦すことができる人。残念ながら、1期で辞めてしまい、彼の考え方が引き継がれなかったようだが、ああいう人ばかりが国の指導者だったら、世界から紛争がなくなるかもしれないと思った。モーガン・フリーマンがいつもと立ち居振る舞いが違っていた。マンデラ大統領の癖とかは知らないが、たぶん真似たのだろう。ラグビーの話だけど、さすがはイーストウッド。単なるスポーツ映画に終わらせなかった。私は、なぜかラグビー・チームが黒人の子どもたちにラグビーを教えるシーンで涙が出てしまったのだが、いろいろな細かいシーンの積み重ねに心が打たれた。ジャージーを受け取らない子どもとか、ピナールの実家の家政婦の話とか、国歌の歌詞を配るシーンとかそういった描写を重ねていくことで、深い感動を呼んだ。実話で皮肉な結末にならないこともうれしかった。イーストウッドの作品はハッピー・エンドは嫌いなのかと思えるようなものばかりなので、たまにはいいと思う。南アフリカの国歌はそうとは知らなかったが、何だか聞いたことがあった。歌詞もすてきで、有名な曲だったのだろうか? 自分としては、「アメージング・グレース」みたいなつもりでいたら、違っていた。国歌と知って改めていい曲だなと思った。
何故か今日観てしまった。
本作の主要テーマは赦しとうたっているのでこの件に触れても問題はないだろう。
実はマンデラが釈放、大統領になってその困難さは並大抵ではないと感じていたのを記憶している。その後は特に気を遣っていなかったので現在どうなったかはあまり認識していなかった。
国が混乱する事は判った事だ、白人は帰国するのだろうか?とぼんやり考えていた。しかし、この作品を観て少し判った。
あまりヒューマンタッチで赦すを美化するのはどうかと思うが、彼は当時の国情から国が分裂崩壊するのを危惧して過去を清算して未来をという方向性で国民を融和統一させようとしたのだろう。多分に赦す云々は感情的なものより怜悧な判断によるものだと思う。(人の上に立てば直ぐにリーダーシップがどういうものか判る)。
しかし、リアリストとしての判断から行った政治ではあるが随所で落涙した。兎に角、人間が大きいのだ。個人の恨みや苦痛など他所に置いて大局からすべき判断を確実に行った。少なくともここに独房で27年といったら何度絶望の淵に追いやられた事か。
しかし、運命を他人や神のせいにせず、運命は自分が切り拓くものだという考え。自分に照らし合わせると、往々に悪意や運命を恨む事がある。
彼の言葉は架空の想いではない。自身の人生でこれを証明している。
その人物の大きさに唯々脱帽するしかない。
もしかしてマンデラが、かなり成功して安住してきたら人間の悪い面が現れるのだろうか。気になるところだ。多くの人間は成功の地位に負けてしまう。
彼が本当の人格を形成したかどうかは時間と伴に判るだろう。
しかし、偉大な人物はその環境などに影響は受けない。
日本でもかつて大平正芳や伊東正義などの様に私心のない政治家がいたのだ。
いつまでも尊敬される人格でいて欲しいものである。
映画を観ながらそう思った。
ほろっ。
何気にもっとスポ根ものだと思っていましたが、なかなかの熱い内容でした。ラグビーのシーンより、そこにいたる迄のマンデラの一言一言がなぜか心にじわっとしみて、何度も泣けてしまいました。たまたま見た日がマンデラが釈放された日と同じ日で、勝手に運命感じました。帰ってきてから引き続き、録画してあった『マンデラの名もなき看守』を鑑賞。有意義なマンデラデイになりました。
イーストウッド、ザ・職人監督
観てみてモーガン・フリーマンの企画であることに納得。マンデラにもラグビーにも深い興味が無いことが演出から滲み出ており、見事に職人監督に徹している。『目撃』や『真夜中のサバナ』に相通ずる興味の薄い視点。でも、しかし、それが良い。90年代から傑作連発で神のように持ち上げられたけど、もともとアンバランスで不思議な味わい(「塩味」と書いた芝山幹郎さんて凄い)のあるオレ様娯楽作を作ってたんだから、たまにはこういう力を抜いた演出が観たかった。
脚本はビックリするぐらい捻りがなく、役者の芝居もそれほど凄いと思わなかった。この映画を再度観るかと言えばノーだろう。でも、久々に悪意の欠片もない、そのことに衒いのない、真摯なスポーツ映画であり人生の足しにはなった。
イーストウッドには、この調子でジャンルを問わずバンバン映画を撮って欲しい。主役作も。引退なんか永遠に似合わない。
マンデラ大統領の想像を絶する苦難
二十数年間、刑務所の狭い独房に入れられながらも、それでも自分を見失わず、絶望せず、どのよな迫害にあっても自分の人生を他人に操作させず生き抜いた彼に感動いたしました、とてもよい映画でした。
マンデラの指導者としてのすばらしさ
わかりやすいストーリー。
内容も素晴らしく、心に訴えてくる感じが好きです。
そして、マンデラの指導者としての素晴らしい魂。
マンデラのような政治家は、
日本にはいない。
もっと、マンデラについて調べてみようと思います。
全115件中、81~100件目を表示