劇場公開日 2010年2月5日

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「イーストウッド、ザ・職人監督」インビクタス 負けざる者たち The Dudeさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0イーストウッド、ザ・職人監督

2010年2月13日
PCから投稿

観てみてモーガン・フリーマンの企画であることに納得。マンデラにもラグビーにも深い興味が無いことが演出から滲み出ており、見事に職人監督に徹している。『目撃』や『真夜中のサバナ』に相通ずる興味の薄い視点。でも、しかし、それが良い。90年代から傑作連発で神のように持ち上げられたけど、もともとアンバランスで不思議な味わい(「塩味」と書いた芝山幹郎さんて凄い)のあるオレ様娯楽作を作ってたんだから、たまにはこういう力を抜いた演出が観たかった。

 脚本はビックリするぐらい捻りがなく、役者の芝居もそれほど凄いと思わなかった。この映画を再度観るかと言えばノーだろう。でも、久々に悪意の欠片もない、そのことに衒いのない、真摯なスポーツ映画であり人生の足しにはなった。

 イーストウッドには、この調子でジャンルを問わずバンバン映画を撮って欲しい。主役作も。引退なんか永遠に似合わない。

The Dude