劇場公開日 2009年1月9日

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ヘルボーイ ゴールデン・アーミー : 特集

2009年1月5日更新

世界各国で高い評価を受けた傑作ファンタジー「パンズ・ラビリンス」で世界の一流監督の仲間入りを果たした鬼才ギレルモ・デル・トロ監督。その最新作「ヘルボーイ/ゴールデン・アーミー」が来年1月9日に、いよいよ日本公開となる。eiga.comでは、前作「ヘルボーイ」よりもファンタジックかつハードな活劇となった本作の特集を3回に分けて掲載。第1回は前作「ヘルボーイ」に引き続きメガホンを取ったデル・トロ監督作品の魅力と、本作に登場するクリーチャーを紹介する。(文・構成:平沢薫)

デル・トロ映画の真髄はクリーチャーにあり!

今回も赤いモンスター(=ヘルボーイ)が、ところ狭しと暴れまくる
今回も赤いモンスター(=ヘルボーイ)が、ところ狭しと暴れまくる

パンズ・ラビリンス」で少女をパンの大神の迷宮に誘った昆虫のような妖精は、すでに「ヘルボーイ」第1作のBPRD(超常現象捜査防衛局)の壁面にアルコール漬けの標本として登場していた。そう、ギレルモ・デル・トロ監督の映像世界は、クリーチャーたちによって連なるひとつ神話体系なのだ。

そもそもデル・トロ監督が映画作りを志したのは、12歳のときにレイ・ハリーハウゼンが特撮を手掛けた「シンドバッド七回目の航海」「アルゴ探検隊の大冒険」を見て「もっともっとクリーチャーが見たい!」と思ったから。クリーチャーはデル・トロ監督の情熱の核なのだ。

レイ・ハリーハウゼンの映画を見て 映画を志したという
レイ・ハリーハウゼンの映画を見て 映画を志したという

もうひとつ、彼の映画でクリーチャーが重要なのは、彼の映画の作り方が、クリーチャーの作り方に象徴されているから。デル・トロはこのように発言している。

「クリーチャーは、その形を見ただけで、それがどんな性質を持つ存在なのかが分かるような形でなくちゃいけない。例えば『ヘルボーイ/ゴールデン・アーミー』の“死の天使”は、顔には目が無くて、翼に無数の目が着いている。映画の中ではなんの説明もないけど、顔に目が無いのは、死がどのような人の前にも平等に出現することを思わせるし、翼にある無数の目は、彼が集めた魂たちの目なんじゃないかと思う人もいるだろう」

そうなのだ、彼の映画では、登場するアイテムの色や質感を含む「形」が、物語を語るのだ。これはクリーチャーに限らず、すべての映像に通じている。

クリーチャーと戯れる 撮影中のデル・トロ監督
クリーチャーと戯れる 撮影中のデル・トロ監督

「僕は撮影前にはいつもノートにカラーバレットを作るんだ。なぜなら、ストーリーはセリフだけじゃなくて、色や質感によって語るべきだと思っているからね。僕には偏愛している色があって、基本は黒なんだけど、いつも使うのがブルーと琥珀色。『ミミック』でも『ブレイド2』でもこの2色を使ってるけど、『ヘルボーイ/ゴールデン・アーミー』でも使った。この映画では、人間世界の基調色はブルーで寒色系、デザインは直線的。逆にモンスターたちが集まるトロールの市場は琥珀色が基本でいろんな暖色に溢れていて、デザインは曲線的なんだ」

形、色、質感が物語を語るのがデル・トロ映画。この観点から今回のクリーチャーたちをチェックしてみよう。彼らはどんな性質を持っているのか、ビジュアルを見るだけでイメージが沸いてくるはず。

>>クリーチャー解説


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