ファンタスティック Mr. Fox

ロアルド・ダールの児童文学『すばらしき父さん狐』を原作とした作品だそうで。児童文学…にしては皮肉や風刺を多く含んだ内容。ウェス・アンダーソンの遊び心が随所に見られます。対象年齢は小学生高学年以上でしょうか。

全編ストップモーションということもあってか、どこか懐かしくもあり、暖かみを感じる作風。淡い色彩感覚、印象的なカットの数々はさすがウェス・アンダーソン。反面、ストーリーはかなりストレート。原作があるのでしゃーなしか。ウェス作品でありながら、誰もが楽しめる作品になっています。

泥棒狐と人間の戦いを絵描きつつ、家族愛やアイデンティティといったテーマが散りばめられており、非常に濃い内容。テンポも良いし皮肉が効いたラストは笑えまし…笑っていいのかな…？

犬ヶ島よりずっと前の作品なんだな…
ほぼ同じ手触り
アニメなのに世の中のリアルがリアル

息子の為に動く、Mr.フォックスの息子思いな様子に感動しました。
変わり者のアッシュにも感情移入できたりと、キャラクターへの共感面でも感動。
全アニメ映画の中でもトップに君臨する、素晴らしい作品です。

アニメは一切観ませんが、この監督なので試しに観てみました。

余人を以って代えがたい独特の感覚がアニメにもそのまま反映されていて驚きます。
というより、いつもの映画の調子でアニメを撮ったのではなく、もともとアニメのような映画を撮りたかったんですね、この人は。

構図、カメラワーク、カット割り、色彩、アンダーソンワールドが炸裂してます。