ベルエポック(1992)
劇場公開日:1993年12月18日
解説
自由への期待が溢れた三十年代のスペインを舞台に、純情な青年と美しい四姉妹の恋愛模様を、微妙なタッチで描いた一編。監督はスペイン映画界の注目株でフェルナンド・トルエバ。エクゼクティブ・プロデューサーは「ハモンハモン」のアンドレス・ビセンテ・ゴメス。監督と「歌姫カルメーラ」のラファエル・アズコーナ、ホセ・ルイス・ガルシアの原案をラファエル・アズコーナが脚色。撮影は「サム・サフィ」のホセ・ルイス・アルカイネ。音楽は「ダディ・ノスタルジー」のアントワーヌ・デュアメルが担当。主演はホルヘ・サンス。共演は「ハモンハモン」のペネローペ・クルス、「欲望の裏側」のアリアドナ・ヒル。「ハイヒール」のミリアム・ディアス・アロカ。「天国の半分」のフェルナンド・フェルナン・ゴメスらスペイン勢に加え、フランスから「右側に気をつけろ」のミシェル・ガラブリュが参加。
1992年製作/108分/スペイン・フランス・ポルトガル合作
原題または英題:Belle Epoque
配給:コムストック
劇場公開日:1993年12月18日
ストーリー
一九三一年、スペイン。王制から共和制へと移行しようとしていた国内には、自由を期待する空気に満ちていた。若い脱走兵のフェルナンド(ホルヘ・サンス)は、ある地方の町でマノロ(フェルナンド・フェルナン・ゴメス)という画家と知り合う。マノロは彼に親切にしてくれたが、四人の娘が帰省することになり、フェルナンドは屋敷を出ていこうとする。だが、四人の美しさにしばし呆然となった彼は、そのまま居残ることに。陽気で開放的で思わせぶりな娘たちに翻弄され、彼は日夜悶々とする。ある夜、謝肉祭の仮面舞踏会で娘たちに女装させられたフェルナンドは、男装した次女のビオレタ(アリアドナ・ヒル)に犯されてしまう。純情な彼はマノロに打ち明け、責任をとって結婚しますと告げる。男同然に育てられたため、男性に興味を示さなかったビオレタの変化に、マノロは驚きながらも喜ぶ。ところが彼女自身はにべもなく否定。その矢先、彼は三女ロシーオ(マリベル・ベルドゥー)が下着姿でベッドで泣き伏せているのを見てしまう。聞けば婚約者の母親とうまくいかず、しかも当の相手はマザコン。彼は慰めようとして肩を抱くが、グラマラスな肢体に理性が負け、そのままベッドインしてしまう。そんな二人の濡れ場を目撃した長女クララ(ミリアム・ディアス・アロカ)は事故で亡くなった夫を思い出してしまい、その身を熱くする。クララはフェルナンドと夫が水死した場所に出かけ、心ばかりか体も許してしまう。そんなある日、オペラ歌手で世界を飛び回っていたアマリア(マリ・カルメン・ラミレス)が帰ってきた。マノロは妻アマリアと久々の夜を楽しむ。アマリアは末娘ルース(ペネローペ・クルス)がフェルナンドに恋していることに気づく。アマリアとクララは二人を結婚するように仕向ける。二人の結婚の後、姉たちは町へと戻り、アマリアは再びコンサート旅行へ旅立つ。そしてフェルナンドとルースもマノロの元を離れ、こうして美しい季節は去っていくのだった。
スタッフ・キャスト
- 監督
- フェルナンド・トルエバ
- 脚本
- ラファエル・アスコナ
- 原案
- フェルナンド・トルエバ
- ラファエル・アスコナ
- ホセ・ルイス・ガルシア
- 製作総指揮
- アンドレ・ビセンテ・ゴメス
- 撮影
- ホセ・ルイス・アルカイネ
- 美術
- フアン・ボテラ
- 音楽
- アントワーヌ・デュアメル
- 録音
- ジョルジュ・プラット
- 編集
- カルメン・フリアス
- 衣装デザイン
- ララ・ウエテ
- 字幕
- 関美冬
受賞歴
第66回 アカデミー賞(1994年)
受賞
外国語映画賞 |
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