必死の逃亡者

劇場公開日:

解説

「ローマの休日」のウィリアム・ワイラーが製作、監督した、ビスタビジョンはじめての黒白作品。原作はジョセフ・ヘイスのベスト・セラー小説で、1955年ブロードウェイで劇化、上演されヒット・プレイの1つとなった。原作者のヘイスが舞台と同様、脚色を担当した。撮影は「ピラミッド(1955)」のリー・ガームス、音楽はゲイル・クビク。主な出演者は、「俺達は天使じゃない(1955)」のハンフリー・ボガート、「重役室」のフレドリック・マーチ、「顔役時代」のアーサー・ケネディ、「美しき生涯」のマーサ・スコット、「ピラミッド(1955)」のデューウィ・マーティン、「三銃士(1948)」のギグ・ヤング、「白昼の対決」のメアリー・マーフィーなど。

1955年製作/アメリカ
原題:The Desperate Hours
配給:パラマウント
劇場公開日:1956年3月16日

ストーリー

インディアナポリス郊外に住むヒリアード一家は主人のダン(フレドリック・マーチ)と妻のエリナー(マーサ・スコット)、娘のシンディに男の子のラルフ(リチャード・アイアー)と4人ぐらしの中流サラリー・マンで、シンディにはチャックという恋人がいた。ある朝、皆が家を出て行った後、3人の脱獄囚が押し入って来た。グレン(ハンフリー・ボガート)と弟のハル(デューウィ・マーティン)、仲間のサム(ロバート・ミドルトン)の3人であった。彼等はピッツバーグにいるグレンの情婦モリーから高とびの金を届けてくるまで、この家にかくれていようというのだった。ジェス・バード警部(アーサー・ケネディ)指揮の下に捜査網をはった警察でも3人がこの家にかくれているとは知らなかった。家族のものは次々と帰って来たが皆捕虜になった。3人は他に洩れることをおそれ、家族のものに何事もなかったように振る舞わせた。ダンもシンディも勤めに出かけられるが、家に人質をとられているので誰にもいうことが出来なかった。3人が此処に来る時に盗んで乗ってきた自動車が、ダンの家の車庫にあるのを見つけたごみ屋のパタースンはサムに殺された。ハルは事情がばれるのを恐れ、2人の仲間を残して逃げたが警官に見つかり、射殺された。ハルの持っていたピストルがダンのものであることが判り、警察は3人のいる場所をつきとめた。チャックは電話でシンディを誘い出し救出に成功した。危機を覚ったグレンは一家を連れて逃げようとしたが、エリナーとラルフは寝室に逃げこみ鍵をかけて助かった。サムはダンの家の外に追い出されて警官の機銃に倒れた。続いてダンはグレンにせまって、家の外へ追い出した。しかしダンもまた機銃の弾幕の中に倒れた。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

4.0安心のサスペンス

2021年7月20日
PCから投稿

古き良き正統派サスペンスです。最近の変に複雑なお話より百倍安心感があります。脚本もいいから各人のキャラも立ってるし、役者も主役のみならず、派手ではないが役にはまった人が演じています。スリラーは希薄ですがサスペンスは特級です。やっぱりヒッチとか、この頃の巨匠の安定感は抜群です。

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越後屋

4.0市民の安全は最優先

2018年12月3日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 3人組の脱獄囚のリーダーはグレン・グリフィン(ハンフリー・ボガード)。悪賢くて凶暴に見える。そして弟のハル・グリフィン(デューイ・マーティン)。巨漢で頭の悪そうな男コービッシュ。深夜12時までだというから我慢し続ける家族。途中、父親に買い物させたり、娘をデートで外出させたりと、かなり穏やかに軟禁する。ちょっとしたことで悪人を締め出して警察に連絡しようとするも失敗に終わる。そうこうしている間に情婦ヘンリーは速度違反で捕まりそうになったため逃走。郵便で金を受け取るまで滞在することになった悪人3人・・・

 訪問者、電話がどうしても増えてくる。警察に突入されて家族が巻き込まれることを一番恐れていた主人のダン(マーチ)は知恵を働かせ、囚人にはときに威圧的に交渉し主導権を握るのだ。しかし、彼が出かけてしまってからは廃品回収のおじさんが殺されてしまう。警察側もそれを手がかりに囚人の居場所を絞り込む。

 お父さんの最も素晴らしい功績は警察に銃をもらい、弾を全部抜いたところ。グレンにわざとその銃を持たせるところがかっこよかった。ボギーももちろんいい味を出していたけど、顔のでかさが気になってしょうがなかった・・・

 暗に警察批判も加えていたのだろうか?「市民の安全は最優先」などと言っておきながら、とにかく銃撃戦、突入に固執するところなんて完全にアメリカの警察!てな感じだった。

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kossy

4.0すごく面白い

2012年1月6日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

随分前にWOWOWで録画していたものを見た。脱獄囚3人が一家に立てこもり、平和に暮らしていた家族を悩ませるというシンプルな内容ながら、登場人物がとても丁寧に描写されて、リアリズムに徹したサスペンスでとても面白かった。

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吉泉知彦
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