ジェイコブス・ラダー(1990)

ALLTIME BEST

劇場公開日:2025年10月17日

解説・あらすじ

旧約聖書の「ヤコブの梯子」のエピソードをモチーフに、夢と現実の間をさまよう男の不思議な体験を描いたサスペンススリラー。

ニューヨークで暮らす郵便局員ジェイコブは、地下鉄車内で見た夢でベトナム戦争での恐ろしい出来事を追体験し、何者かに腹を刺されたところで目を覚ます。それ以来、彼の日常には奇妙な幻覚が交錯するようになり……。

主演は「ショーシャンクの空に」のティム・ロビンス。「ホーム・アローン」でブレイクする前のマコーレー・カルキンが主人公の息子役で出演。「ゴースト ニューヨークの幻」のブルース・ジョエル・ルービンが脚本を手がけ、「危険な情事」のエイドリアン・ラインがメガホンをとった。2025年10月、4Kレストア版でリバイバル公開。

1990年製作/113分/アメリカ
原題または英題:Jacob's Ladder
配給:Diggin'
劇場公開日:2025年10月17日

その他の公開日:1991年4月6日(日本初公開)

原則として東京で一週間以上の上映が行われた場合に掲載しています。
※映画祭での上映や一部の特集、上映・特別上映、配給会社が主体ではない上映企画等で公開されたものなど掲載されない場合もあります。

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(C)1990 STUDIOCANAL

映画レビュー

3.5 陰影ある映像と音楽で、振り切った愛の形にこだわったライン監督には珍...

2021年8月7日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

陰影ある映像と音楽で、振り切った愛の形にこだわったライン監督には珍しい、ホラーテイストのサスペンス。ジャンル的には86年「プラトーン」からのベトナム反戦ものの系列だが、陰謀論とゴア描写の組合せが本作の妙味。「ゴースト ニューヨークの幻」ルービンの脚本は、70年代の荒れた大都会で、幻覚に悩む帰還兵を描き、内面をねっちりと浮かび上がらせる。彼が何度も目撃する、痙攣するようにブルブルと頭部を震わせる異形人間の造形は、その後あらゆる映画の恐怖シーンにコピーされ続けている。
主演ティム・ロビンスは次々に襲ってくる悪夢に、195cmの長身ながら怯え、叫び、逃げ回るだけで、「ショーシャンクの空に」の希望を捨てない主人公とは正反対のキャラクター設定になっているのも面白い。
ヤコブの階段、異邦人、エックハルトなど、それっぽいキーワードは余り気にせず、メンタルに響くグロさと、幼いカルキン少年の愛らしさを楽しもう。

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ホンダケイ

4.0 エイドリアーン!

2025年11月21日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

怖い

驚く

 私はJ・G・アビルドレセン「ロッキー」最後のシーンのように雄叫びを上げたかった・・・
映画誌(映画秘宝、キネマ旬報、DVD動画&でーた)で、あなたの名前を見つける事がありません。
どうしてなんですか?
「世界のカルト監督列伝(洋泉社)」にはポール・ハーボンベんやリドリー・スコットが載っていてもエイドリアン・ラインが無い・・・なぜに!?

 彼らも同じヒットメイカーとしてハリウッドで切磋琢磨したんですがH・ハーボンベンとR・スコットは今や巨匠扱いなんですがA・ラインは忘れられた存在のような感じです。

さて本題に入って「ジェイコブス・ラダー」

 これて町山智浩「トラウマ映画館」で紹介されたH・ハーヴェイ「恐怖の足跡」ではないか!?
またはR・アンリコ短編「ふくろうの河」

音楽で言えば、
シューベルト歌曲「魔王」

 あと題名を言うとネタバレになるので、あのどんでん返しで有名な作品(ここでも子役が重要)より先に作られたんですね。

 私は、てっきりPDSTを患ったベトナム帰還兵が始終幻覚に悩まされてる映画かと思いました。米軍の暗部を知り国を提訴しようとするが国のエージェントから目をつけられるハメにというサスペンス・・・のはずが

 最後の展開が“えっ、なんで!?”
じゃ、同棲している彼女は、あっち側の人?

 確かに冒頭の地下鉄シーンでジェイコブが乗客に話しかけても無愛想に無視される始末。全くNYの住人は冷たいなぁ・・・いや、そうじゃなくて。

 始終聞こえる不穏な音、だんだんと大きくなるヘリコプター音。救助ヘリコプターを十字架のように撮るのて凄い。

 前半のもやがかった映像。
ラストの天井にいざなう光は素晴らしい。
R・スコット「ブレードランナー」並みに映像へのこだわりが強いです。
NYの地下鉄を三途の川のように見せるB・J・ルービンの脚本とJ・L・キンボールの撮影は独特の世界観を醸し出しています。

 音楽も映像に寄りそった感じでJ・ゴールドスミスやJ・ウィリアムスの系譜からなるサントラ感があります。

 中途半端に国家陰謀論を絡めた展開は賛否両論を呼びますね。さまよえる魂一本で勝負すればラストの展開も“おぉ”と感動を呼んだ事でしょう。

 ジェイコブス・ラダーの原題は旧約聖書の「ヤコブの梯子🪜」だそうです。
私的には梯子を外された感があります。

 しかし欧米は天国のモチーフて階段なんですね。レッド・ゼッペリンの名曲でもありますし、A・ズラウスキー「ポゼッション」にも階段が天国を暗示しているシーンがありました。

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naoki

3.5 退役軍人のトラウマ?

2025年11月5日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

難しい

ドキドキ

人は死に際に天理を揺るがす様な、熱量のあるストーリー。実際に見聞きしたり目の当たりにした方がリスペクトして作成したかの様。全然話が変わりますが、シェイクスピアのリア王が危篤の際、嵐が起きる描写を思い出しました。

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カオルン

3.0 ジェイコブの悪夢を追体験していく2時間

2025年10月24日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

ベトナムの地獄の戦場、最初の妻サラと3人の息子との美しい生活、新しい恋人ジェジーとの慎ましく不穏な日々、三つのパラレルワールドが目まぐるしく交錯します。繰り返し醒めない夢が続いていくように。オカルトめいていて、ジェイコブだけでなく観客の不安をもかき立てていきます。

ただ、あのラストを持ってくるのであれば、全体をもう少し整理して刈り込んだ方が、よりダークな雰囲気を醸成できたような気がします。少し混み入り過ぎたかな。惜しい。

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sugar bread