心の地図
劇場公開日:1994年7月16日
解説
国境・人種・距離・時間の障害を越えて、インディアンの混血少女への愛を貫いた、イヌイットの男の人生を描く大河ロマン。監督はニュージーランド出身、「ウイザード」のヴィンセント・ウォードで、脚本はオーストラリアの小説家・戯曲家のルイス・ノウラとウォードの共同。製作はウォードと「黒豹のバラード」のティム・ビーヴァン。撮影は「髪結いの亭主」のエドゥアルド・セラ、音楽は「愛人 ラマン」のガブリエル・ヤーレ、美術は「最後の誘惑」のジョン・ベアード。戦争シーンのSFXを「メンフィス・ベル」のリチャード・コンウェイが担当。主演は「ドラゴン ブルース・リー物語」のジェーソン・スコット・リーと「イノセント・ブラッド」のアンヌ・パリロー。助演に「ロビン・フッド」(91)のパトリック・バーギン、「セイ・エニシング」のジョン・キューザック、「夢の涯てまでも」のジャンヌ・モローほか。
1993年製作/イギリス・オーストラリア・フランス・カナダ合作
原題または英題:Map of the Human Heart
配給:日本ヘラルド映画
劇場公開日:1994年7月16日
ストーリー
1965年、北極圏。初老のイヌイット、アヴィック(ジェーソン・スコット・リー)が、若いアメリカ人の地図作成員(ジョン・キューザック)に自分の人生を語っていた…… 。1931年、幼いアヴィック(ロバート・ジョーミー)は、測量のためにこの地を訪れたイギリス探検隊のウォルター(パトリック・バーギン)と親しくなる。結核に冒されたアヴィクは、ウォルターによってモントリオールの病院へ送られ、そこでインディアンと白人の混血の少女、アルベルティン(アンヌ・パリロー)と出会い、恋に落ちる。ハーフという同じ痛みを分かちあえる2人だったが、厳格なシスター・バンヴィール(ジャンヌ・モロー)の手によって彼らは離れ離れに。北極に帰り、成長したアヴィック(ジェーソン・スコット・リー)は、今は英国軍パイロットとなっているウォルターと再会する。地図作成と称していた彼の本当の目的は、ドイツ軍の地図と暗号入手だった。ラジオでカナダ・オタワでアルベルティンが健在であることを知ったアヴィックは、北の故郷を離れ再び白人社会へと向かう。カナダ空軍に入隊した彼は、赴任先のロンドンで美しく成長したアルベルティン(アンヌ・パリロー)と巡り会うが、彼女はウォルターの愛人となっていた。白人として生きたいと願う彼女だったが、アヴィックとの愛を受け入れ、2人は気球の上やアルバートホールの天井で愛し合う。不信を抱いたウォルターは、彼に危険な任務を命じた。ドイツ・ドレスデンの爆撃に参加し、死と破壊の惨状の中で、白人社会への絶望を覚えた彼は、白人の血を引くアルベルティンの元から去った。1965年、北極。アルベルティンとの間に生まれた娘が、父である彼を訪ねる。彼女の変わらぬ愛を知り、喜びに満ちた彼は、スノーモービルで雪原を走るが、突然、氷の亀裂に落ちる。彼は死の淵で、自分とアルベルティンが娘の結婚式で気球に乗って、大空へどこまでも高く飛び上がるのを見た。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ビンセント・ウォード
- 脚本
- ビンセント・ウォード
- ルイス・ノーラ
- 製作
- ティム・ビーバン
- ビンセント・ウォード
- 撮影
- エドゥアルド・セラ
- 美術
- ジョン・ベアード
- 音楽
- ガブリエル・ヤーレ
- 編集
- ジョン・スコット
- 字幕
- 戸田奈津子